阿寒湖アイヌコタンでアイヌの歴史・文化を知る・触れる・食べる旅
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- 釧路・阿寒・川湯・根室
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- 最終更新日:2019年2月27日
アイヌシアターの他、アイヌ民家を再現したアイヌ生活館、民芸品店、飲食店などが立ち並び、旅人を温かく迎えてくれます。
今回は、まるで外国のような異国の雰囲気が漂う「阿寒湖アイヌコタン」をご紹介いたします。
もくじ
1.阿寒湖アイヌコタンとは?
アイヌコタンとは、アイヌの人々が暮らす集落のこと。北海道内にあるアイヌコタンの中でも、戸数36・約120名と北海道で一番大きなアイヌコタンが、ここ阿寒湖アイヌコタンなのです。
(※アイヌは「人間」コタンは「村」を意味するアイヌ語です。)
2.遠い昔から伝承されてきた【アイヌ古式舞踊】
画像提供元:阿寒湖アイヌコタンHPより。
自然を尊び、自然と共存してきたアイヌ民族。
その暮らしの中から生まれたアイヌの踊りには、動物や自然、狩猟や遊び、喜びを表現した様々なものがあります。
歌や踊りなど、喜びや悲しみを体で表現することはアイヌに欠かせないものでした。
遠い昔から伝承されてきた「アイヌ古式舞踊」は、国の重要無形民族文化財、ユネスコ世界無形文化遺産登録に指定された伝統あるアイヌ民族の文化。
アイヌの舞踊とは、自分たちが踊って楽しむだけでなく、祖先や神々に対して敬意や感謝を表す表現でもあります。
画像提供元:阿寒湖アイヌコタンHPより。
北海道各地のアイヌには、大勢で輪になって踊るものや、少人数で神々への祈りを表したものなど、約200種類ほどの踊りが伝承されています。
これらの踊りは地域によってリムセやウポポ、ホリッパといわれ、その土地特有の踊りを見ることができます。
踊りを通じて阿寒の自然やアイヌ文化を楽しむことができます。
アイヌ文化情報発信の拠点〈イコロ〉
阿寒湖アイヌシアター「イコロ」は、アイヌの歴史・文化の継承を行うとともに、情報発信の拠点となる施設です。
(※イコロはアイヌ語で「宝」という意味です。)
「イコロ」で「アイヌ古式舞踊」や「阿寒湖アイヌが演じる人形劇」「イオマンテの火まつり」などが上演。
会場の舞台には、アイヌ民族特有の丸木舟が浮かぶ水路があり、さらに炎が炊かれ、火まつりの臨場感を感じることができます。
「イコロ」は、地域住民と国内外からの観光客との交流の場として活用されています。
〈「阿寒湖アイヌシアター イコロ」〉
住所)北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4−7−84
TEL)(0154)67-2727
営業時間)9:00〜22:00
定休日)なし(年末年始を除く)
駐車場)有り
・アイヌ古式舞踊
開催期間:毎日(年末年始を除く)
※開園時間は日程により変わります。下記公式ホームページご参照ください。
・イオマンテの火まつり
開催期間:
・春バージョン 4月21日〜6月30日
・夏バージョン 7月1日〜8月31日
・秋バージョン 9月1日~11月30日(10/9は除く)
※上記期間中21時より開演
●入場料:大人(中学生以上)1,080円 小学生540円
(団体料金設定あり)
●所要時間:30分
HP)http://www.akanainu.jp
3.アイヌ民家を再現した【阿寒湖アイヌ生活館】
古い時代のアイヌ民家を再現したアイヌ生活館。
当時の生活用具や衣服などが展示され、自然とともに暮らしてきたアイヌ民族の暮らしを知ることができます。
その生活用具からは、祖先の生活の知恵が感じられます。
〈阿寒湖アイヌ生活館〉
開館時間)10:00〜21:00
入館料)有料:入館料は、お客様にお任せします。
記念写真が撮れる「ポンチセ(小さな家)」は
「阿寒湖アイヌ生活館」の後ろにありますよ。
4. 展示で知る【アイヌ文化伝承館チセ】
「アイヌ文化伝承館チセ」は展示スペースになっています。
入口はふくろうの守り神の左後方にあります。
1959年(昭和34年)には、当時の前田一歩園主、前田光子の理解と協力の元、アイヌコタンが整備され、翌年1960年には雑誌『旅』の人気投票で「行ってみたい周遊地」の第1位を獲得。
阿寒が日本有数の観光地となっていく中で、多くの観光ポスターが発行されました。
「アイヌ文化伝承館チセ」には当時の観光ポスターも貼られています。
5. アイヌの文化に触れることができる【体験プラン】
次に体験プランをご紹介します。
【1】ムックリ製作
「ムックリ」はアイヌの代表的な楽器。「口琴」と呼ばれる楽器の一種です。
長さが10cm、幅が1.5cmほどの竹製で、両端のひもで楽器本体を保持しながら、右側のひもを強く引き、内側の「舌」を振動させ音を出します。
製作から鳴らし方まで、教えてくれます。
【2】木彫り体験(表札・アイヌ模様など)
木彫り作品や工芸品を生み出した阿寒湖アイヌ伝統工芸。
その技術を利用して楽しく学びながら木彫りを体験できるプランです。
初めての人でも自分の作品を作ることができます。
【3】刺しゅう体験(コースターなど)
延々と受け継がれているアイヌ文様の刺繍を楽しく学べる体験企画。
作品は記念に持ち帰ることができます。
【1】〜【3】は個人でも体験できます。前日迄に要予約。
TEL)(0154)67-2727
6. お買い物&アイヌ料理【民芸品店と飲食店】
阿寒湖アイヌコタンに来たらはずせないのがお買い物とアイヌ料理。
コタンには30軒ほどの個性的な民芸品店や飲食店が並んでいます。
今回は5軒ほどご紹介させていただきます。
6−1「ニタユンクル」
フクロウの木彫り(置物)が人気!
お店の中で、熟練した職人さんがフクロウを彫っていらっしゃいました。
コロポックルも人気。
6−2「チニタ民藝店」
アイヌ文様の刺繍は、一点もので人気商品。
北海道の伝統工芸品展で数々の賞を受賞されています。
豊富な品揃えで木彫りの他、アイヌ民族に関する書籍や「千の風になって」で知られる作詞作曲家、新井満さんとユーカラ劇脚本・演出家でアイヌ民族の秋辺日出男さん合作のCD「イランカラプテ〜君に逢えてよかった〜」なども売っています。
※イランカラプテは「あなたの心にそっと触れさせていただきます」という思いが込められた言葉です。
店名の「チニタ」はアイヌ語で「夢」という意味だそう。
ライトアップも素敵です。
6−3「アイヌ料理の店 民芸喫茶ポロンノ」
アイヌコタンで「アイヌ料理を堪能したい」という方におすすめ!
伝統的なアイヌ料理からオリジナル料理まで、身体にやさしいお料理が楽しめるお店です。
こちらは「ポッチェピザ」
ポッチェイモが生地になっています。
※ポッチェイモ:冬の間、雪の下で眠っていたジャガイモを自然発酵させて作ったもの。
独特の食感が味わえます!
ユック(鹿)料理やラタスケップ(かぼちゃ・トウキビ・豆などが
絶妙に絡み合った素材のうまみをひとまとめにした伝統的アイヌ料理)も人気です。
「アイヌ料理の店 民芸喫茶ポロンノ」
北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-7-8
営業時間)5月~10月:AM11:30~PM9:30
11月~4月:PM12:00~PM8:30
※冬季はご予約をお願いいたします。
定休日)なし
電話)0154-67-2159
HP)http://www.poronno.com
6−4 「オイナ民芸店」
屋根の下の熊マスクが目印。
アイヌ民族衣装の貸し出しも行っています。
手彫りのネックレスやストラップ、キーホルダーがよく売れているそうです。
かっこいいオリジナルの木彫り家紋も売っていますよ。
6−5 「熊の家」
木彫りの鐘が目印。
地下には、私設の木彫り資料館もあり、数々の作品が展示されています。
6−6 民芸品と飲食店一覧
他にも楽しいお店がたくさんあります。
民芸品と飲食店一覧はこちらをご覧ください。
民芸品と飲食店/http://www.akanainu.jp
民芸品・飲食店の営業時間:10:00〜22:00(店舗によって営業時間は異なります)
駐車場:有り(アイヌコタン広場駐車場、アイヌシアター「イコロ」前)
7. 阿寒湖アイヌコタンへのアクセス
○バスでお越しの場合
・釧路駅から阿寒バスで130分
阿寒湖バスセンターから徒歩で15分
・釧路空港から阿寒バスで70分
阿寒湖バスセンターから徒歩で15分
〈阿寒湖アイヌコタン〉
HP)http://www.akanainu.jp
阿寒湖アイヌシアター「イコロ」
開館:9:00~22:00
休館:なし(年末年始を除く)
住所:〒085-0467
北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-7-84
TEL)(0154)67-2727
駐車場)有り(アイヌコタン広場駐車場、アイヌシアター「イコロ」前)
おわりに
以上、「阿寒湖アイヌコタン」についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
なお、アイヌコタンは遅い時間(22:00)まで開いていますので、阿寒湖畔の旅館に滞在して、夕食後の散策などでも楽しむことができます。
また、冬、雪に包まれたアイヌコタンもまた情緒があります。
ぜひ阿寒湖の豊かな自然、温泉とともに、アイヌ文化をここアイヌコタンで体験してみてください。
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