【冬の阿寒湖】霧氷が50キロも続く別世界・阿寒クリスタルロード
- 釧路・阿寒・川湯・根室
- 最終更新日:2019年2月27日
でも、阿寒湖へと向かう道中から、厳寒の冬ならではのとっておきの風景が楽しめるのはご存知でしょうか?
大地が雪で覆われ、木々が霧氷で白く輝く世界。名付けて、阿寒クリスタルロード。その名付け親の「ひがし北海道の達人」が、阿寒クリスタルロードの魅力をご紹介いたします。
どこまでも続く霧氷
氷点下の環境で樹木に氷が付く自然現象の「霧氷」。本州の人にとって霧氷ってとても珍しいもの。きっとちょっと見ただけでもカンゲキでしょうね。さらに、その霧氷が延々と何キロも続いたら…..?きっと目を疑うのではないでしょうか?
でも、そのような光景を普段から頻繁に見せてくれるのがここ阿寒クリスタルロードです。
ここでは見るものすべてが氷。凍てついた世界です。まるで、映画「アナと雪の女王」の氷の世界のように。
木々が美しく霧氷に覆われるのは想像がつくでしょうが、まさか小さな草や電線までありとあらゆるモノというモノに氷がまとわりついて少し汚いものをうまくかき消してしまい、すべてをクリスタルに輝かせてくれています。
阿寒湖からロードはスタート
阿寒クリスタルロードのスタートは阿寒湖から。阿寒湖では、厳寒の時期に湖面に魅せる氷の結晶「フロストフラワー」が注目されています。詳しくは
こちらをご覧ください。
このクリスタルな湖からスタートして数分、阿寒湖の水が(正確には凍った湖面の下の水が)滝になって流れる滝見橋というところがあります。駐車場もあり余裕で停車できます。
滝の水煙が見事に凍って地元的にはよほど暖かい、マイナス5℃になるような日以外は毎日のように霧氷ができているのがここ。
ここは霧氷を見下ろし見上げることができる絶好のスポット。まずは阿寒湖の水の精に感謝。
霧氷ロードは続く
滝見橋から走ること5分。両側に霧氷並木が続いていることに気が付くでしょう。「え。どこまで?」この疑問の答えが出るのにそのあと30分以上かかろうとは夢にも思わないのが普通でしょう。
この辺りはところどころに駐車帯があるので停めて、木の中に分け入っていくと阿寒川はでも勢いよく流れています。
ひがし北海道のそこそこの川は上から見るとほとんど水の流れを失ったように凍り付いているのですが、ここ阿寒川はカルデラから流れ出た勢いのまま水が流れています。そのおかげで川のまわりの森たちに霧氷というラッピングをプレゼンとするほどのエネルギーを持つのでしょう。まりもを育てる奇跡の湖、阿寒湖の冬にもみなぎるパワーですね。
牧場や原野は霧氷の楽園に
そしてしばらく走り続けると、人里が現れてやがて牧場が続き出します。牧場、原野、この風景がここでは霧氷の楽園。
原野に映える無造作な草木は全て氷のベールを被ってきらめいています。牛たちもそれを見つめながら白い息を凍らせています。
やがて原野一面に力強い朝陽が当たるとさらにクリスタルな別世界に。夏は目もくれないような寂しげな原野がこの時期だけは一転。急いでいてもついつい車を停めずにはいられないステキな世界に変身します。
どんなにネオンやイルミネーションきらめいて美しい都会もきらめきは夜景でしか味わえません。でもここでは朝から昼までの時間に現実夢として魅せてくれます、決して白日夢でもなく現実の夢の世界。
小川沿いには桜並木ならず霧氷並木が現れ、風が悪戯をするとひらひらと太陽に照らされながら青い空をバックに舞い降りてきます。このシーンの中に行くたび、「アナ雪」の中でオラフが初めて登場する木々が全て霧氷に覆われたキラキラしたシーンを思い出します。まったく一緒。
間近の霧氷は散々見続けてくると今度は遠景の霧氷が目に入ります。絵葉書のように美しい冬景色を見せてくれます。ここまで阿寒湖から30分以上。ずっと霧氷とのおつきあいで少し飽きが来た頃、霧氷の阿寒川を渡りクライマックスシーンを迎えます。
実はそのクライマックスに写真がないのが残念なのですが、霧氷の原野を走っているとフロントガラスの真正面に横たわる青空をさっと白いものが横切ります。あれっ?て、気をとらわれているとまた…。まさかのたんちょう鶴が目の前を横切るって飛んでいくのでした。
いつも信じられないうちにその瞬間は過ぎていき、いつもシャッターチャンスを失うのですが、霧氷ロードのクライマックスに目の前をれっきとした国道を低空飛行で何事もなくたんちょうが飛んでいく光景を目の当たりにしていつも「なんてここは優雅なんだろう」と思うのでした。
>これも日常の風景
冬は寒い。身も心も寒く哀しい時は続くけど、ここ霧氷ロードを走る時だけは気分が全てクリスタル。明暗、陰陽、喜怒、哀楽、みな表裏一体で、きらめくのは自分次第。草も木も無造作の雑木林も皆キラキラ輝くのを見入るたび、とても元気が出てくるのです。
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