山の宿 野中温泉 宿泊体験記|国内屈指の硫黄泉と開湯100年以上の湯治場の風情を堪能してきました
- 釧路・阿寒・川湯・根室
- 最終更新日:2022年9月22日
隔絶した自然の広がる道東。そんな自然にパワーをいただくような、源泉掛け流しの秘湯が守り抜かれています。
国内屈指の硫黄泉として人気の高い「山の宿 野中温泉(以後、野中温泉と省略)」もその一つ。1914年に小規模旅館として始まり、創業100年以上の秘湯宿には、今も訪れる温泉ファンが後を絶ちません。
今回はそんな野中温泉に泊まってきたので、レビューしたいと思います。
1.昔ながらの秘湯へ泊まるという非日常
足寄市街から車で走ること約40分。「野中温泉」は日本百名山・雌阿寒岳(めあかんだけ、標高1,499m)の麓にあるオンネトー湖畔に位置しています。
温泉の名称は初代・野中増次郎(のなかますじろう)さんの苗字から。今では4代目の女将さんがお宿を切り盛りしていらっしゃいます。もともと数軒あった雌阿寒温泉ですが、今では「野中温泉」の1軒のみ。
お宿の背後にそびえる雌阿寒岳の山容と、湯治場らしい風情にお宿に入る前から非日常感が高まります。
アットホームな雰囲気で迎えていただき、さっそくお部屋へ。筆者は11畳のお部屋を予約したのですが、綺麗な畳の空間は過ごしやすく、とても清潔感がありました。
2.秘湯の風情がたまらない!国内屈指の濃い硫黄泉を堪能
それでは温泉をご紹介!「野中温泉」のお風呂は男女別、内湯と露天風呂の二つで構成されています。
まず湯屋は、周囲の森に自生しているアカエゾマツやトドマツを使った建物。マツを使った湯船と合わせて、釘が一本も使われていません。そこに供給される白濁としたお湯。まさに王道の秘湯という、趣深い内湯となっています。
そして外に出ると、3代目が作り上げたという野趣溢れる露天風呂が設けられています。開放的な空間でありながら、硫黄と油が混じり、まるでガソリンのような濃い匂いで鼻腔が満たされます。火山から湧きたてだと言わんばかりのお湯は、とても強烈な泉質です。
しかし強酸泉ではないので痛みはなく、アトピー性皮膚炎の筆者でもゆったりと浸かれるのが嬉しいところ。ビリビリと熱いお湯で癒され、原生の森を眺めながら、大地の悠久のパワーをいただけるような入浴の時間は格別でした。
3.おもてなしが嬉しい!秘湯ならではの食を満喫
野中温泉に宿泊する魅力は、食にもあります。朝夕ともに北海道の食材が詰まったご馳走を提供していただけます。どれもどこか懐かしい味わいばかり。ホッと肩の荷が降りる食事のひとときを過ごせますよ。
訪れたのは真夏でしたが、朝晩はとても冷えるので、温かい鍋物はとても美味しかったです。また朝食にいただいた山菜の和え物は、滋味深くご飯によく合います。
そんなお食事の会場には、看板犬のゴールデンレトリバーのチロルちゃんも!人懐っこく、優しい表情は何度見ていても癒されました。野中温泉に住み着いている猫ちゃんとも仲が良さそうです。
4.雌阿寒岳登山の拠点としても利用したい野中温泉
最後に、夜明け前に野中温泉を出発し、雌阿寒岳へ登頂した写真を一枚。野中温泉から雌阿寒岳の山頂までは片道約2時間で登頂できます。
後の予定もあるので、3時半/野中温泉→5時半/雌阿寒岳山頂→7時/野中温泉(温泉と朝食)というかなりタイトなスケジュールで登山を行いましたが(笑)、山頂では感動的な日の出と雲海に出会えました。
サクッと登山を楽しめて、下山後の硫黄泉で身体を癒す。ぜひ雌阿寒岳登山の拠点として野中温泉を利用してみてください。
- 住所
- 北海道足寄郡足寄町茂足寄159
- TEL
- 0156-29-7321
- イン/アウト
- 15:00/10:00
- 備考
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日本深掘りサイクリスト・フォトグラファー 土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。 四季折々の日本を五感で捉え、発信しています。
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