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現地フォトグラファーがご紹介!北海道で出会える野生動物8選

エリア
北海道全域
投稿日
最終更新日:2023年12月11日
動物好きが高じて東京から北海道へ移住したフォトグラファーの平栗玲香です。

北海道と本州にはブラキストン線という動物相の分布境界線があり、北海道だからこそ出会うことのできる野生動物たちがいるのをご存知ですか?
準絶滅危惧種であるエゾナキウサギや天然記念物に指定されているオオワシなど貴重な動物もおり、そんな動物たちを撮ろうと北海道には各地からカメラを持った人々が訪れていて、私もそのうちの一人でした。

今回は北海道に生息する野生動物8種類を現地で自ら撮影した写真と共にご紹介します。

エゾモモンガ|クリクリのお目目とまんまるフォルムが可愛い(遭遇率★★★☆☆)

北海道 野生動物

クリクリのお目目にまんまるとしたフォルム。可愛いの条件を兼ね備えたエゾモモンガは北海道だけに生息する日本固有種です。

市街地にある公園など身近な場所にも生息していますが、夜行性でほとんど木の上で過ごし、木に開いた穴を巣穴にするので、葉の生い茂った夏に見つけるのは難しいかもしれません。ですが、冬眠しないので真冬にも出会えるチャンスがあります!
北海道 野生動物 エゾモモンガ
おすすめの時期は繁殖期である2月下旬〜3月上旬です。この時期は昼間でも見られることもあり、オスがメスを追いかける姿も見ることができます。 遮るものがない冬は見つけやすくなりますし、観察におすすめの季節です。

北海道 野生動物 エゾモモンガ
体長が15㎝ほどしかないので木の上にいてもよく見えるように双眼鏡をがあるといいかもしれません。低い枝に留まってくれたらラッキーです。適度な距離を保ち、驚かせないようにそっと見守ってください。またエゾモモンガを見つけやすい季節は氷点下になる真冬なので、暖かい服装はもちろんカイロがあるとさらに安心です。

エゾナキウサギ|氷河期の生き残り、「生きた化石」といわれる(遭遇率★★☆☆☆)

北海道 野生動物 エゾナキウサギ
北海道にしか生息していない準絶滅危惧種であるエゾナキウサギ。氷河期からの生き残りで「生きた化石」といわれており、北海道の中でも一部の地域―北海道中央部の高山のガレ場など冷涼な地帯―にしか生息していない貴重な動物です。
北海道 野生動物 エゾナキウサギ
一見するとネズミのように見えますが、ナキウサギという名前の通り、「ピチッ」可愛らしい鳴き声で鳴くウサギです。鳴き声だけでなく、岩の隙間から姿を見せて植物を食べる様子もとても可愛いらしく、運が良ければ至近距離でその姿を見ることができます。
北海道 野生動物 エゾナキウサギ
冬眠はしませんが冬に備えて秋に食料を溜め込み、雪が溶けるまで巣穴で冬を越すので雪のない季節に探しに行くのがおすすめです。ナキウサギがいる高山地帯はヒグマの生息域でもあるので、出会うためにはまず服装や熊対策などの対策をしっかり準備する必要があります。春~秋の間スポット的に開催されるナキウサギの観察ツアー・撮影ツアーもおすすめです。

エゾシカ|ぶつかると廃車になることもある山道で遭遇しやすい(遭遇率★★★★★)

北海道 野生動物 エゾシカ
奈良公園にいるニホンジカの亜種で北海道にしか生息していません。明治初期には乱獲や大雪が原因で絶滅の危機にまでなりましたが、現在は増えすぎていることが問題に。北海道ではエゾシカと衝突して廃車になる事故が珍しくありません。
北海道 野生動物 エゾシカ
エゾシカは山道、山や森が近い低地でも現れます。”シカ飛び出し注意”の看板がある場所は要注意で、特に早朝や夕方は現れる確率が高いです。一頭現れると続いてもう一頭現れる可能性もあるので、一頭が目の前を通過したからと言って気は抜かずに様子を見てください。
北海道 野生動物 エゾシカ
間近で見る立派な角を持った最大体長190cm、体重150kgにもなる雄鹿は迫力があり、突然現れる雄鹿にいつもドキッとします。
こちらの様子を伺い、じっと佇む姿はもののけ姫のシシ神様が頭に浮かび、緊張感のある空気が流れます。カメラ越しでも目が合うとこちらを警戒している鋭い眼差しが心の中を見透かしているようで威厳を感じずにはいられません。

エゾリス|市街地でも見ることができる(遭遇率★★★★★)

北海道 野生動物 エゾリス
市街地でもよく姿を見せてくれるエゾリスは、ユーラシア大陸に生息するキタリスの亜種で北海道にのみ生息しています。冬眠をしないので夏毛と冬毛、両方の姿を見ることができ、耳毛のふさふさ具合が堪りません。
暖かそうな冬毛で雪の季節でも元気に走り回っている様子を見られます。運が良ければエゾリスとエゾモモンガを同時に見ることができますよ♪
北海道 野生動物  エゾリス
ほとんどを木の上で過ごすので木の上をよく見てみるとエゾリスの姿を見つけることができるかもしれません。しかし、市街地にいる警戒心が少ないエゾリスは例外です。足元まで近寄ってくれることもあるので上の方ばかり見ていると気付いたら足元にエゾリスがいてびっくりさせられることもあります。
北海道 野生動物 エゾリス
昼行性で出会いやすい身近な動物なので、自宅の駐車場で走り回っているエゾリスに出会ったこともあります。基本的には木の上で過ごす動物なのでその姿をちゃんと見たい方は双眼鏡があるといいかもしれません。

エゾシマリス|背中にある5本の縞が特徴の(遭遇率★★★☆☆)

北海道 野生動物 エゾシマリス
関東にいるシマリスはペット用のシマリスが野生化したもので日本にいる自然分布のシマリスは北海道にいるエゾシマリスのみです。
体長が25㎝前後のエゾリスに対し、エゾシマリスは体長13㎝前後、体重も100gほどととても小さな動物です。背中にある5本の縞が特徴的。こんなに小さな体なのに頬袋にはなんと6個のどんぐりが入るのだとか。
北海道 野生動物 エゾシマリス
山だけでなく、林や山が近い低地を走行中に道路脇で見かけたこともありますし、市街地近くの公園や神社にも生息しています。動きが素早いので道路の脇で小さな何かが動いていたらエゾシマリスかもしれません。
北海道 野生動物 エゾシマリス
突然ヒョコっと現れて走ってまたどこかに行ってしまうので見落としていることもありそうです。私が初めてエゾシマリスを見たのはエゾナキウサギの撮影中でその時も突然姿を現して数枚だけ撮影させてくれました。常に動き回っていて体も小さいので撮るのは少し大変。冬眠をするので寒くなる前が出会えるチャンスです。

キタキツネ|こぎつねはまるで子犬にように可愛い(遭遇率★★★★★)

北海道 野生動物 キタキツネ
北海道やサハリンなどに生息するキタキツネは本州に生息しているホンドギツネよりも大型で体長は60〜80㎝、中型犬と同じくらいの大きさをしています。
キツネはオレンジ色のイメージがあると思いますが、北海道には黒い色の十字狐と呼ばれる模様のキツネもいます。オレンジ色のキツネは山道や山に近い道路を走っているとよく見かけますが十字狐は滅多に見かけないので出会えたらかなりラッキーです。
北海道 野生動物 キタキツネ
野生のキタキツネは体内にエキノコックスという寄生虫がいることがあるので、決して近寄らないようにしましょう。近くで見たい場合は北見市にある「北キツネ牧場」に行けば安全に近くで見られます。
観光地や市街地など身近な場所でも出会えるキタキツネ、時には道路の真ん中でくつろいでいることもあります。夜行性なので夜の運転には特に気をつけて下さい。

オオワシ|天然記念物にも指定されている貴重な(遭遇率★★☆☆☆)

北海道 野生動物 オオワシ
オオワシは翼を広げると2mにもなる国内最大級の猛禽類です。総個体数が5,000羽ほどで天然記念物に指定されています。北海道内でも知床など極東地域だけに生息しており、越冬するために北海道や北日本に渡ってくる冬鳥です。北海道にやってくるのは11月ごろで最も多く見られるのは1月下旬~3月上旬となります。私が撮影した時は10月末で黄色い大きな嘴と黒と白のコントラストの配色が絵になり、撮影した時は思わず「かっこいい」と声が出てしまうほどでした。
北海道 野生動物 オオワシ
主食が魚なので水辺に生息しており、越冬の季節にはオホーツク海の流氷の上に降り立つオオワシを見ることができます。その時期の羅臼ではクルーズ船でオオワシを撮影できるツアーがあるので、貴重な鳥ですがクルーズ船が欠航されない限りは冬になれば誰でも見られる可能性が高いと言えるでしょう。 オオワシの寿命は長く、野生化では30年、飼育下では50年とされています。札幌市にある円山動物園では世界で一番長い飼育記録の51年生きたそうです。数十年前に出会ったオオワシとまた再会することできるかもしれませんね。

アカゲラ|北海道では市街地で一年中見られる(遭遇率★★★★★)

北海道 野生動物 アカゲラ
キツツキの仲間であるアカゲラ。名前の通り赤いお腹が特徴です。本州にも生息していますが、寒冷地の北海道では低地にも生息します。市街地や公園、道路脇の木でも姿を見かけ、探そうと思っていなくても出会ってしまう鳥なので今回紹介させていただきました。私も北海道に来てから何度もアカゲラを目にしており、市街地を運転中にも見かけたことがあります。
北海道 野生動物 アカゲラ
赤色の帽子が特徴的なのはオスでメスの頭は真っ黒です。体長は24㎝ほどでキツツキの中では中型、さらに赤、白、黒の配色のため見つけやすい野鳥と言えるでしょう。冬の真っ白な景色の中だともっと見つけやすいかもしれません。
北海道 野生動物 アカゲラ
木を嘴で叩くドラミングをするアカゲラは1秒間に20回叩くこともあり、林の中で響くその音はアカゲラを見つけるのに役立ちます。巣を作るために木の幹に穴を掘りますが、古くなった巣はエゾモモンガなど他の動物の巣になることもあります。

野生動物に出会った時に注意すること

さて、北海道で出会える動物たちを紹介してきましたが、どの動物たちとも出会った時に注意することがあります。よく問題となっているのは餌付けです。餌付けが原因で警戒心が薄れてしまったり、自分で餌をとらなくなってしまったりすることもあります。餌をもらえると思って道路に出てきてしまうようになれば轢かれてしまう可能性も高くなるでしょう。
北海道 野生動物
またこちらからは近づかず、適度な距離を保って観察することも大切です。もっと近くで見たいという気持ちが出てくることもあると思います。しかし、動物たちにとってはストレスになるかもしれません。私たちも自分より大きな動物や攻撃してくるかもわからない動物が近づいてきたら怖いですよね。
北海道 野生動物
特にヒグマはこちらから近づいたり、餌付けしたりすることによって事故に繋がり、人間に危害を加えた熊は処分されることにもなります。生息地を荒らさず、そっと見守ることでまた次も動物たちに再会できることに繋がるのではないでしょうか。
北海道 野生動物

北海道在住フォトグラファー  平栗玲香

1990年生まれ、北海道帯広市出身のフリーランスフォトグラファーです。北海道観光マスター検定、十勝観光文化検定上級、フォトマスター検定準1級、生物分類技能検定3級取得。9年間東京でフォトグラファーをしていましたが、2023年に帯広に拠点を移しました。趣味はツーリング、ドライブ、キャンプなど北海道の魅力が一人でも多くの人に伝わることを目標に記事を書いています。

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