野鳥と自然に癒される♪渡り鳥の聖地、ウトナイ湖の魅力とは
- 千歳・支笏湖・夕張
- 最終更新日:2019年3月11日
市域としては苫小牧市に入りますが、千歳への航空機のファイナルアプローチ上にあり、飛行機から見た方も多いのではないでしょうか。
また、自然環境が豊かな水鳥の保護区だけに何か近寄りがたいものがあるなあとお思いではないでしょうか?
そんなことはありません。逆に手軽に自然環境を観察できるスポットとして整備が進んでいます。
今回はウトナイ湖の魅力をご紹介します。季節を問わずに楽しめる水鳥の聖地にぜひ足を運んでください。
もくじ
1.ウトナイ湖とは?
ウトナイ湖は数多くの川を集める湖です。
川が流れ込むことによって水鳥・渡り鳥が繁殖するための下地となる栄養分が豊富になります。
数多くの渡り鳥が羽を休め、また旅立つという中継ポイントとして知られてきました。
1991年には日本最初のバードサンクチュアリとして指定を受け、また日本で4番目のラムサール条約の登録地となったのです。
年間に飛来する鳥の種類は250種。その鳥たちは保護されていることを知ってか知らずか、今日も穏やかな水面に今日も身をゆだね、ゆらゆらとゆられています。また、人が危害を加えないせいか、鳥によってはかなり近づいても逃げようともしません。
鳥たちと人の調和のとれた環境が、道の駅のすぐそばに広がります。
道の駅に車を止め、裏手を遊歩道に沿って3分ほど歩くと見えてくるのが木のぬくもりに包まれたウトナイ湖野生鳥獣保護センター。内部は吹き抜けを多用した広々とした作りで双眼鏡や望遠鏡が完備され、雨や雪でもウトナイ湖上の優雅な野鳥の姿を観察することが可能です。
こちらを出て歩く、遊歩道は、森の木漏れ日や風に揺れる葉の音にあふれ、いっぱいの自然を体感することができます。
そして、そのまま10分ほどでネイチャーセンターに到着です。途中のあずまやなどは必ず見ておきたいところ。ウトナイ湖が本当に近くに感じられます。すぐ目の前を渡り鳥の隊列がかすめていくさまも観察できます。
ネイチャーセンターではウトナイ湖を見下ろす展望室でバードウォッチングをもう一度楽しみましょう。ほかの場所は目の位置がウトナイ湖と同じ高さしかありませんが、ここの展望室は眼下にウトナイ湖を見下ろすことができるほどの高さがあります。
Photo by (c)Tomo.Yun
ウトナイ湖 野生鳥獣保護センター
(住所)苫小牧市字植苗156番地26号
TEL.0144-58-2231
(開館)毎週月曜日休館(祝日の際は翌日が休館)、12/31~1/5
ウトナイ湖サンクチュアリ『ネイチャーセンター』
(住所)苫小牧市字植苗150番地3号 TEL.0144-58-2505
(開館)火・水曜日を除く9時~17時(祝日は開館)
2.ウトナイ湖の四季
2-1.秋
9月に入るとウトナイに秋を告げるマガンの群れが飛来します。さらには数の多いヒシクイなどが、巨大な群れを作り到着。その他冬にかけて、渡り鳥が多数押し寄せてきます。
オオハクチョウなどはここでの越冬組。コハクチョウは翼を休めるとさらに南へと飛び立ちます。
休めている期間も年や気候によってさまざま。しかし、大きな群れが一斉に飛び立つさまは壮観の一語に尽きます。
2-2.冬
ウトナイは河川が流入する一部を残して氷結し、わずかに水面をのぞかせるだけになります。ここでの越冬組はそのわずかな水辺に仲良く、固まりながら春を待ちます。
主に姿を確認できるのはオオハクチョウにオナガガモ。年中通して活発に動き回るアカゲラも冬場はちょっとペースダウン。首をかしげながら、ひっそりと春の到来を待ちわびるのです。
2-3.春
そして季節は春、ウトナイの渡り鳥の中継地としての本領が発揮されるのも冬から春にかけてのこの時期です。
マガンやヒシクイなどが数万羽という群れを形成し、仮の住まいとしてウトナイをリザーブします。エサ場と湖を往復し、栄養をつけ体力を回復します。
また、本州では春の鳥、ウグイスが鳴きはじめるのは4月になってから。すべての野鳥が春の到来に歓喜のさえずりをはじめます。同時に、恋と子育ての季節の始まりでもあるのです。
2-4.夏
自然に恵まれたウトナイは同時に虫の宝庫でもあります。虫たちを主食とする鳥にとっては喜びの季節。と同時にそれは厳しい冬への準備の始まりでもあるのです。
キジバト、ハクセキレイ、ノゴマとみられる野鳥の数も加速度的に増えていきます。アオサギやコブハクチョウの姿も確認できます。
なお、オジロワシは夏場よりも冬場に多く姿を見かけます。
3.ウトナイ湖で気を付けること
ウトナイ湖はもうすでに完成された生態系を持っています。それを壊すような行為は厳禁です。
まずは野鳥に餌をやらないこと。野鳥がお腹を壊すこともあります。あるいは逆にある種の鳥のみが増えると危ういバランスで保たれている生態系を破壊します。
服装としては虫が多いので長袖が必ず必要です。遊歩道はかなりやわらかめの土質となっていますので、ヒールの高い靴は活動しにくいでしょう。
ウトナイ湖野生鳥獣保護センターからネイチャーセンターまでの道のりは約1.5km。途中で雨が降ってきてもしのぐ場所がありません。雨具は用意しておいた方が不意の緊急事態に対応できるでしょう。
最後に野鳥は鳥インフレンザのウィルスを保有している場合があります。その他にも寄生虫がいる場合もありますので、死体には触れないこと。また、ほかの地域にウィルスを広げないためにも必ず靴底を消毒してからウトナイ湖を離れる必要があります。たとえば、次の訪問予定地が農業体験のための牧場などの場合、訪問先のニワトリなどに甚大な被害をもたらす可能性があります。
4.道の駅ウトナイ湖について
道の駅ウトナイは年中通して様々イベントが行われる施設です。
札幌方面からフェリーが゙泊まる苫小牧港の最寄りの道の駅であることもあり、乗船する前に様々な特産品やお弁当を買い込む方が多いのです。
やはり、苫小牧といえばホッキ貝が有名ということで、ホッキメニューも盛りだくさん。その中でも一度お試しいただきたいのが北寄玉。
乱暴に言えば、たこやきのタコのかわりに刺身用の北寄を入れ北海道産バターでじっくりこんがり焼きあげたもの。
加熱すると甘みとうまみ、出汁が急激に増加するのが北寄の特徴。それがとろりと小麦粉ベースの地になじみ、おいしくないわけがありません。
ホッキやカニの押し寿司はフェリーに持ち込むにも空弁にするにも最適です。そばに豚丼のセットメニューや親父の一押しカニ玉丼など、フードメニューも豊富です。
もう一つの特産ハスカップのジャムやお菓子もアンテナショップや直売所で購入可能。大きな窓から眺められる湖の景色にも心癒されるでしょう。立ち寄らないわけにいきませんよ。
5.ウトナイ湖(道の駅ウトナイ湖)へのアクセス
・新千歳空港より車で約20分
・苫小牧駅より車で約20分
・札幌市内より車で約60分(高速利用)
駐車場:普通車93台、無料
まとめ
いくつかの制約はあるもののやはりウトナイ湖は手軽に自然を堪能できるスポットです。フェリー乗り場からも空港からも近いロケーション。なかなか、探して見つかるものではありません。
ウトナイ湖は渡りをする野鳥たちにとって、オアシスであるのと同時に人間にとっても心のオアシスなのです。心の洗濯をするには最適な水場であるといえるでしょう。人も自然の一部であることを学習するのに身近で最上級の環境です。
見るだけではなく本当に体で感じられるワイルドを、ぜひウトナイ湖で味わってみてくださいね。
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