阿寒国際ツルセンター|釧路で1年中「タンチョウ」と出会えるスポット
- 釧路・阿寒・川湯・根室
- 最終更新日:2019年2月27日
阿寒町は、特別天然記念物 タンチョウの越冬地でもあります。
古くからタンチョウの保護に携わり、タンチョウへの人工給餌発祥の地として知られています。
「阿寒国際ツルセンター」は、1996年に設立。
専門の研究員さんが日々、タンチョウの生態や行動を研究、発信を行っています。
これらの活動を通じてタンチョウの保護に役立てていく、国内唯一のタンチョウのための施設です。
今回はシーズンごとに楽しめる「阿寒国際ツルセンター」の魅力をたっぷりご紹介します!
1.皇太子殿下も雪原に舞うタンチョウを観察
1991年にタンチョウの里をご訪問された皇太子殿下。雪原に舞う優雅なタンチョウを観察された印象を御歌にされ、朗詠されました。
「大空に 舞ひ立つ鶴の 群眺む 幼な日よりの わが夢かなふ」
阿寒国際ツルセンターの完成を記念して、御歌を永く保存するために「歌碑」を建立。
タンチョウが大空に飛び立つ情景が目に浮かびますね!
2. 「阿寒国際ツルセンター」の見どころ
さて、では施設の中身は一体どうなっているのでしょうか?早速行ってみましょう。
2−1展示コーナー
1階の展示コーナーでは、パネルや映像・フォトCDなどを使って、タンチョウの生活や生態、人とのかかわりなどを紹介しています。
ツルについての情報やコンピュータークイズなどもあり、子供も学びながら楽しむことができます。
タンチョウの約7日〜10日のヒナ、約1ヶ月後のヒナの展示。パネルでわかりやすく解説されています。
絶滅しそうなツルやなんらかの原因で親がいなくなったヒナを育てるために、人が(エサを与える)代理親となります。野生に戻ることができるようになるための飼育です。
人がエサを与える際、ツルの親の姿をした腕人形を使います。
実際に腕人形を使って、くちばしに似せたツマミで餌をつまむ操作も体験できますよ。
給餌のはじまり
絶滅したと思われていたタンチョウ。
大正時代のおわり、20羽ほど湿原の奥で生きているのが確認されました。
そこで釧路国丹頂鶴保護会(1935年に結成)が給餌を試みたところ、次第に人里へ近づいてくるようになりました。
1948年〜1949年の冬、タンチョウが阿寒に姿を見せるように。
そして、1950年の1月、数羽のタンチョウが山崎定次郎(やまざきさだじろう)さんの畑に舞い降りました。
画像提供元:阿寒国際ツルセンターHPより。
山崎さんが家畜用のとうもろこしをまいたところ、タンチョウはこれに応えるようにエサをついばみ、それからは毎年来るように。
大吹雪に見舞われた1952年、この年は多くのタンチョウが自然のエサを採れなくなり、鶴居村幌呂小学校でも給餌が試みられ、飢えたタンチョウがとうもろこしを食べるようになったそうです。
その後、多くの人が給餌活動を続けています。冬場の給餌活動のきっかけを作った山崎さんのいらっしゃった上阿寒は、「人工給餌発祥の地」となっています。
美しい自然を守っていくことの大切さ
タンチョウは雑食です。
亡くなったタンチョウのお腹から缶ジュースのプルリングやガラス片、針金、釣り針、有毒な鉛のつぶなどが出てくることも。
死因に直接結びつかないにせよ、生息地の汚染になっていることは確かです。
釣りのおもりや散弾などの有毒な鉛を食べていたことは、深刻な問題です。
センターで行っている研究、保護、発信活動を通じて、湿原や河川などの日本の美しい自然を守っていくことの大切さを実感します。
ツルの仲間はツル科に属し、世界に4属15種が分布しているとのこと。
タンチョウは一年中同じ場所で生活する留鳥です。翼を広げるとなんと2メートル以上の大きさになるそうですよ!
オスとメスの違いって?
オスとメスの違いは、夫婦で鳴き合う声のみです。
見た目では、オスとメスの判別がつかないそうです。オスとメスは声の高さや長さ、素音の数で、違いがわかるとのこと。
鳴く姿も、オスはメスより翼を高く持ち上げ、オスが一声「コー」と先に鳴きだし、その声にかぶせるようにメスが「カッカッ」と2〜3声続けて鳴きます。
「コー」「カッカッ」「コー」「カッカッ」という風に聞こえてきます。
つがいになったツルが、お互いの絆を確かめたり、相手を威嚇したり、縄張りを宣言するときに鳴きます。
2−2映像コーナー
約17分でタンチョウの一年の暮らしがまるわかり!映像コーナー。
タンチョウの四季の姿や生活をまとめた、オリジナルの映像です。
200インチの大画面でタンチョウの様子が生き生きと描かれています。
2−3キッズスペース&ライブラリー
キッズスペースもあります。木製玩具でお子様が遊べるようになっています。
「木とのふれあい」木育(もくいく)を通じて、自然環境に対する理解、豊かな心を育みます。
また、タンチョウをはじめとするツル類や、その他の鳥に関する図鑑、写真集や研究論文をはじめ、国内外の文献や資料が自由に閲覧できますよ。
3.野外飼育場で美しいタンチョウと出会う
屋外には3タイプの飼育ケージがあります。
「野外飼育場」では、自然な状態に近いタンチョウの姿を1年中、観察することができます。
写真のタンチョウは、代理親で育てられた「ムック」
歩く姿がまたキュートなのです!
写真撮影もOKです。
こちらは、アサヒとソラ。大恋愛の末に結ばれた夫婦です。
一緒に観察していた観光客の方もすぐ近くでタンチョウを観ることができて、感動されていらっしゃいました。
ガイドさんの解説をご希望の方は、受付で聞いてみてくださいね。
4. 「タンチョウ観察センター」で迫力あるシーンをカメラに収めよう
画像提供元:阿寒国際ツルセンターHPより。
11月から3月の冬の間にオープンしている、分館の「タンチョウ観察センター」
センターの前に広がる給餌場では、人工給餌を行っています。
なんと多い時には300羽以上の野生のタンチョウが飛来!
そして一日多い時で200人、世界各国からカメラマンやバードウォッチャー、観光客が訪れているそうです。毎年撮影にいらっしゃる方も。(1月2月が多いそうです。)
画像提供元:阿寒国際ツルセンターHPより。
午後2時の給餌では、タンチョウの他にオジロワシやオオワシ、キタキツネなどが餌を横取りにやってきます。
防御するタンチョウと、横取りにくる他の野生生物とのバトルは迫力満点!!タンチョウが大きな翼を広げて相手を威嚇する動きもダイナミックです。
画像提供元:阿寒国際ツルセンターHPより。
午後2時の給餌は一般公開しています。午後2時がショータイムです♪
タンチョウの姿を間近で見ることができます。冬景色とともにタンチョウを撮影したい方は、冬の時期がオススメです!
「タンチョウフォトコンテスト」も開催されていますので、よかったら、自慢の写真をお披露目してみてくださいね。
分館の暖かい室内からも、タンチョウの優雅な姿を眺めることができるのがうれしいところ。
館内には軽食と喫茶コーナーがあります。(12月下旬頃〜3月上旬頃まで営業。)お食事を楽しみながら、タンチョウを眺めることができますよ。
(お食事は、すぐ近くの「赤いベレー」(レジャー施設)も利用可能です。)
5.ビオトープでバードウォッチングも楽しもう
画像提供元:阿寒国際ツルセンターHPより。
ツルセンターの裏手に広がるビオトープ。ビオトープとはドイツ語で「いろいろな生きものが暮らせる場所」です。
その中では色々な生きものがお互いに関係しあって暮らしています。
目の前の風景は、自然の力を借りながら造った「生きもののすみか」です。
冬季はタンチョウが飛来するため、ビオトープは閉鎖していますが、夏季は一般開放され、100種類以上の鳥が見られます!
鳥のさえずりを聞きながらの散策も楽しめます。
バードウォッチングも楽しみたい方は、双眼鏡を持参してくださいね。
6. 阿寒国際ツルセンターへのアクセス
交通アクセス
・釧路空港から車で20分
・釧路駅からバスで60分。バス停「丹頂の里」下車
・阿寒湖畔から車で45分
<スポット情報:阿寒国際ツルセンター〔グルス〕>
住所)北海道釧路市阿寒町上阿寒23線40番地
電話)0154-66-4011
営業時間)9:00〜17:00
休館日)年中無休
HP) http://aiccgrus.wix.com/aiccgrus
入館料)大人470円(高校生以上)
小人240円(小・中学生)
団体15名以上は割引あり。
※分館の「タンチョウ観察センター」は11月〜3月のみ開館。
おわりに
オールシーズン楽しめる「阿寒国際ツルセンター」の魅力をお伝えしてきました。
いかがでしたでしょうか。
現在、日本では北海道東部にしか生息していないタンチョウ。
実際に会ったら、美しさに魅了されること間違いなしですよ。
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