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いざタンチョウの聖域へ!@鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ

エリア
釧路・阿寒・川湯・根室
投稿日
最終更新日:2019年2月27日
国の特別天然記念物に指定されている「タンチョウ」
鶴が居る村、鶴居村は釧路湿原の北部に位置する日本有数のタンチョウの生息・繁殖地です。

今回は「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」にスポットライトを当ててみたいと思います!

1.「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」とは

タンチョウ

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリは、日本野鳥の会が運営する施設です。
1987年、タンチョウとその生息地を保護するために設置されました。

大部分の土地は、伊藤良孝氏から提供されたもので、伊藤タンチョウサンクチュアリと名前が付けられています。

伊藤氏

伊藤氏は、長年タンチョウの給餌人、監視人を務め、タンチョウ保護を支えてきたサンクチュアリの生みの親です。

一時は十数羽まで数が減ったタンチョウ。絶滅の危機を救ったのは、地元の人たちの取り組みです。

厳しい冬に食べ物を求めてやってきたタンチョウに自分たちのためにとっておいたトウモロコシを与え、給餌を始めたそうです。この地で給餌をしていた伊藤氏もその一人でした。

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ外観

タンチョウという特定の種を守るためのサンクチュアリは、日本ではここが初。

冬期は、給餌が行われ、サンクチュアリ内のネイチャーセンターでは、タンチョウの鳴き声や生態についての解説をレンジャーから聞くことができます。

2. 日本一優雅な鳥 タンチョウ

タンチョウは日本で一番大きな鳥ってご存知でしょうか?

タンチョウ画像提供元:(公財)日本野鳥の会

くちばしの先から尾の先までは1m40cmもあり、翼を広げると2m40cm!体重は、6~11kgです。

漢字で「丹頂」と書き、丹は「赤」、頂は「てっぺん」の意味。頭のてっぺんが赤いことからこの名前が付けられたと言われ、アイヌ語では、サルルンカムイ(湿原の神)と呼ばれています。

北海道東部に留鳥として生息し、釧路湿原を中心とした道東の湿地に営巣地があります。

タンチョウ鑑賞

優雅に舞う美しいタンチョウを見に、国内だけでなく海外からも毎年多くの人が鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリに集まっています。

3. 給餌場へ行ってみよう

給餌場

給餌場では、タンチョウの餌が少なくなる11月から3月にデントコーン(飼料用とうもろこし)をまいています。1966年の1つがいからスタートし、現在では伊藤タンチョウサンクチュアリの給餌場に最大で300羽以上のタンチョウが飛来してきます。

給餌場

給餌の時間は1日1回午前9時。取材に伺った12月24日の午前中は180羽程でした。

デントコーン

こちらがデントコーン。タンチョウ1羽が1日に食べる量は約300g。
300羽以上の場合は、約100kgものデントコーンをまいているんです。

それでは、時期によってさまざまな姿を見せるタンチョウをご紹介していきましょう。
タンチョウ10~11月画像提供元:(公財)日本野鳥の会

10月〜11月「鳴きあい」:11月には給餌場への飛来数も増え始めます。日の出を背景に鳴きあうタンチョウの息が赤く染まる早朝は美しく、特におすすめ。

12月〜1月「集合」:12月下旬から1月初旬にかけて、集まる数が最も多い時期。最大300羽以上のタンチョウが見られます。冷え込みが厳しい朝は給餌場への飛来時間が遅くなります。夕方、ねぐらに向けて群れで飛び立つ姿は圧巻!

タンチョウ画像提供元:(公財)日本野鳥の会

2月「鶴の舞」:1日に100羽前後のタンチョウが集まります。中旬頃から夫婦の絆を深める息のあった美しい求愛ダンスが盛んに見られるようになります。

3月「子別れ&飛行」:求愛ダンスに加えて、親が子を追い払う「子別れ」などを観察することができます。空高く旋回しながら舞い上がり、繁殖地へと移動します。

タンチョウ撮影

この日も大勢の写真愛好家がタンチョウの美しい姿をカメラに収めに訪れていました。
ライブカメラで給餌場の様子を見ることができますよ♪

http://park15.wakwak.com/~tancho/sizensaisyokuti.html

4. ネイチャーセンターを利用してみよう

ネイチャーセンター

10月~3月の間はネイチャーセンターが開館。どなたでも無料で入れます。
ネイチャーセンターではレンジャーと呼ばれる専門スタッフが常駐し、タンチョウの生態や環境保全の状況など様々な情報を提供しています。

ネイチャーセンター内観

レンジャーがタンチョウの飛来数も毎日ホワイトボードに記録。
タンチョウの季節ごとの見どころや鳴き声の意味も解説してくださいます。

タンチョウの様子

タンチョウの個体の動きも様々です。人慣れしているタンチョウは、いつも柵の近くにいたり、鳴き声がダミ声のタンチョウもいるのだとか。毎日給餌場に現れる常連のタンチョウもいれば、一度きりしか現れないタンチョウも。

サンクチュアリに飛来してくるタンチョウは、根室と野付半島からやって来ることが多いのだそう。

タンチョウ観察

望遠鏡が数台設置してあり、タンチョウを観察することができます。ネイチャーセンター館内は、暖かい飲み物が飲めたり(セルフサービス100円)暖炉があって暖かいので、冷えた体を暖めてゆっくりと観察できるのでオススメです。

外で見ただけではわからなかった優雅で美しいタンチョウの意外な一面を知ることができるかも?

2階展示コーナー

2階には、タンチョウの等身大ぬいぐるみなどの展示コーナーやスライドコーナーがあります。スライドショーご希望の場合は、お気軽にレンジャーにお声かけくださいね。

5. タンチョウを守る活動

タンチョウのぬいぐるみ

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリは、全国の方々からの募金で建てられた施設です。タンチョウの保護活動とサンクチュアリの運営は支援によって支えられています。

レンジャーによる給餌活動、繁殖地や越冬地の保護活動、冬期にタンチョウが給餌だけに頼らず、自然の中で採食できるようにするための採食地づくり、普及教育活動などが行われています。

6. 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリへのアクセス

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ外観

◯アクセス
バス)
・JR釧路駅より、阿寒バス「つるい保養センター」行きで約60分。
「鶴居村役場前」下車、徒歩約10分
(※行き先を「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」と告げてください。)
・ 釧路空港より、阿寒バス・釧路空港連絡バスで約45分。
「釧路駅前」下車後、上記のバスに乗り換え
車)
・釧路空港より約40分、JR釧路駅より約50分、駐車場有り(無料)

〈「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」〉
HP)http://park15.wakwak.com/~tancho/
住所)北海道阿寒郡鶴居村字中雪裡南(なかせつりみなみ)
開館期間)10月1日~3月31日
開館時間)9:00~16:30
閉館日)毎週火・水曜日(祝日にあたる場合は開館)
12月26日~12月30日、4月1日~9月30日
※閉館日でも給餌場でのタンチョウの観察・撮影は可能です。
入館料)無料
電話)0154-64-2620

おわりに

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリのタンチョウ

美しいタンチョウが安心して暮らせるようサポートをしている鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ。

見れば見るほど、知れば知るほど、タンチョウに愛着と興味が湧いてきます。
人と自然を結ぶ架け橋のような聖域へ旅してみませんか?

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