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広大な景色と美しい花々の共演。野付半島原生花園の魅力

エリア
釧路・阿寒・川湯・根室
投稿日
最終更新日:2019年2月27日
北海道・道東にある細長い半島、野付半島。トドワラ、ナラワラといったまるで日本の果てを思わせる荒涼とした風景が有名ですが、また、可憐で美しい花々が咲き誇ることでも知られています。

そこで今回は、野付半島の花々について、野付半島ネイチャーセンター専門員、石下(いしおろし)さんより、原生花園に咲く花々についてご紹介いただきましたので、どうぞご覧くださいませ。

はじめに

notsuke-flower-20-1野付半島(のつけはんとう)を訪れた方に、よく「お花が一番きれいな時期はいつですか?」と聞かれます。答えにとても迷ってしまう質問です。というのも、春から秋にかけて次々と咲いていく花たちが日々違った楽しみをくれ、一番なんて選べないのです。

お花に囲まれたひと時を

東北海道、知床半島と根室半島のちょうど中間にある日本最大の砂嘴(さし)・野付半島。この半島を縦断する一本道、道道950号線は「フラワーロード」と呼ばれます。その通称通り、半島全体が原生花園とも言える半島を、美しい景色を眺めながらドライブすることができる道です。

野付半島の花々

野付半島には様々な環境があるおかげで、今までに約320種の植物たちが確認されています。
小さな花も大きな花も、鮮やかな花も地味な花も、それぞれとても魅力的ですが、今回は人気も高く、見応えのある花々をご紹介します。

1.恋の花「クロユリ」

野付半島・クロユリ一般的には山に咲く高山植物として認識されているこのクロユリ。涼しい北海道では標高2m程度の野付半島でも見ることができ、しかも、センターからわずか100mの場所に多く咲いています!一般的な「ユリ」のイメージからは少し離れ、濃い紫色の小さな花を控えめに下向きに咲かせます。

野付半島・クロユリ5月下旬から6月上旬の花の時期には多くの方がこの花を見つけ写真に収めていきます。決して華やかではないこのクロユリですが、人々を惹きつける魔力をもっているようです。

2.別海町の花「センダイハギ」

センダイハギ16月中旬から7月下旬にかけて、別海町の花でもあるセンダイハギが咲きます。道路沿いや遊歩道沿いに並んで咲き。訪れる皆さんを迎えてくれます。一つ一つの花をよく見ると、レモンイエローの蝶が舞っているよう。
野付半島のセンダイハギ

広大な青空と白い雲の下に咲くセンダイハギはなんともさわやかな光景で、野付に初夏の訪れを教えてくれます。

3.日々の憂いを忘れさせてくれる「エゾカンゾウ」

エゾカンゾウ原生花園に咲くと言えばこの花をイメージされる方も多いではないでしょうか?ゼンテイカやニッコウキスゲとも呼ばれます。(呼び方、種類には諸説あります)。6月下旬から7月上旬に咲く、その鮮やかなオレンジ色の花が周りの緑色によく映えます。朝に花を咲かせ、夕方にしぼむ一日花とも言われていますが、そんなはかなげな一面を感じさせない絶景がこちら!

エゾカンゾウの花畑一面オレンジ色のエゾカンゾウのお花畑!!この壮大な光景と、短い命を懸命につないでいく姿に元気をもらえます。

4.海沿いの旅の楽しみ「ハマナス」

ハマナスの花6月下旬から7月下旬にかけては華やかな時期。半島内のいたる所でハマナスが咲き、半島全体がそのお花畑と言っても過言ではありません。

ドライブしながら眺めるだけでも十分楽しめますが、ぜひ遊歩道を歩いていただきたい!というのも、ハマナスはバラの仲間で香りも抜群。顔を近づけて匂いを嗅ぐと良く分かりますが、一面に咲き誇る中を歩けば、ふわりと上品な香りに包まれます。
野付半島のハマナス
しかし、近くで観察する際にはご注意を!綺麗な花にはトゲがあります。

5.古くから親しまれてきた「ノハナショウブ」

ノハナショウブすっかり夏となった7月中旬から8月上旬にかけては葡萄色のノハナショウブが主役です。現在、園芸用として広く親しまれている花菖蒲はこの花を改良したもの。改良は江戸時代から重ねられ、今では5,000種類もあるそうです。
ノハナショウブの花畑そんな400年も前から、日本人を惹きつけてきたノハナショウブ。その濃い紫色と黄色の花びらが風にひらりとなびく姿に、素朴ながらも雅さを感じるからかもしれません。

6.海に突き出た半島ならでは。「アッケシソウ」

アッケシソウ、サンゴ草潮が満ち引きしてできる湿地「塩湿地」という特殊な環境を好む植物。「さんご草」と言えば聞いたことがあるかもしれません。実はこの植物、花らしい花は咲かせません。夏は全体が緑色をしていますが、9月下旬ごろから紅葉し、赤く染まっていきます。
アッケシソウとトドワラ花は無くても、トドワラの枯木の白、周りの緑色との色のコントラストが美しく、満潮時、海水に沈んだ様子も幻想的です。

7.秋の七草「ススキ」

黄金色の野付半島ススキこちらも見応えのある美しい花が咲くわけではありません。しかし、8月下旬から9月中旬にかけて、たくさんのススキが穂を伸ばし、見事なススキヶ原が出来上がります。ふわのふわの穂が夕陽に照らされ煌めく姿。風に揺れる音。合間に聞こえる虫の声。そのひと時はじわりと心に沁みていきます。

お花畑の中をばん馬と一緒に

野付半島の馬車ネイチャーセンターから出発する遊歩道には平行して馬車道が伸びています。大きなばん馬が曳く馬車で原生花園の中を進む、ちょっと珍しいこの光景。馬車に乗ったらお花が楽しめないと思うかもしれませんが、そんなことはありません!
野付半島・花馬車目線が高い馬車からは景色ががらりと変わり、この高さのおかげで、よりお花畑に広さ、種類・数の多さを感じることができます。
遊歩道・馬車道は平行した一本道ですので、往路は馬車、復路は徒歩のようにするのが満喫するコツです。
運行時間:10時から16時ごろ(発車時刻は決まっていません)
運行期間:5月1日から10月31日まで。不定休。
料金:片道 大人500円、小学生300円

お花と触れ合うお作法

トドワラの花々目・耳・鼻を楽しませてくれ、心を満たしてくれる住民たちに対して、私たちもお作法を大切にしたいものです。

・お花を採取しないでください(「とる」のは写真だけ)。
・整備された道以外に入り込まないでください。
・停車の際は周りの安全を確認、端に寄せ、ハザードランプをつけてください。

懸命に命をつないでいく花たちのため、毎年この景色に出会えるよう。皆様のご協力をお願いいたします。

野付半島を深く楽しむ

野付半島ネイチャーガイドと歩くゆっくり季節の花を満喫したい。できるだけたくさんの花に出会いたいという方はネイチャーガイドツアーに参加するのがおススメです。ネイチャーセンターに常駐しているガイドさんが、一緒に歩きながら、見逃してしまいそうな花、花の名前や小話を紹介してくれるのはもちろん、野付半島の不思議もたっぷりお話します。

 ・トドワラ往復コース(2.6kmほど)
  100分 1名3,000円(2名~対応。お一人の場合は料金1.5倍)
 ・ひとまわりコース(観光船・散策のセット)
  4時間 1名7,500円(2名~4名。お一人の場合は料金1.5倍)

詳しい内容はお問い合わせくださいませ。

まとめ

魅力的な野付半島のお花たち、いかがでしたか?あなたが出会いたい花、見たい景色はありましたでしょうか?まだまだ紹介したい素敵なお花はたくさんあります!実際に見て、感じて、あなたの一番好きな花、一番の時期を見つけてみてください。

中標津空港から車で約50分。野付半島のお花情報、ガイドツアーについてはこちらまで
野付半島ネイチャーセンター 
開館時間4月から10月 9:00~17:00
    11月から3月 9:00~16:00
TEL:0153-82-1270
FAX:0153-82-1296
E-Mail:notsukenc@aurens.or.jp

野付半島がある別海町の観光情報は・・
ここまで来るとべつせかい!別海町観光協会ホームページ

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