沼田町夜高あんどん祭り|道内唯一の喧嘩あんどんを生で感じてきた!
- 旭川・層雲峡
- 最終更新日:2023年8月7日
沼田夜高あんどん祭りは「しれとこ斜里ねぷた」、「八雲山車行列」と並んで北海道3大あんどん祭りと称される代表的なあんどん祭りです。
特徴は国内でも珍しい喧嘩あんどんであることです。
華やかなあんどんが町を練り歩いたあと、激しくぶつかり合い、互いのあんどんをばりばりと壊していきます。
その迫力は、地響きを感じるほどのもの。
2016年8月27日の開催2日目、あんどん祭りに実際に観覧に行ったレポートをお届けします。
1.沼田町ってどんなトコ?
沼田町は、旭川市とほぼ同じ緯度、日本海に近い場所にある人口約3500人の町です。
沼田町は北海道で初めて蛍の飼育に成功した自治体として有名で、カントリーサインにも蛍が描かれています。
これは沼田町が、蛍を飼育出来るほど、水が美しく、自然豊かであるということの証です。
そんな沼田町では、水稲栽培が積極的に行われています。
沼田町産のお米は、北海道内だけでなく、全国的にも美味しいことで有名です。
沼田町のお米がなぜそんなにも有名になったのか。
その答え、沼田町のお米を一躍有名にしたのが「雪中米」です。
北海道内でも有数の豪雪地帯である沼田町。そんな沼田町で、雪を何かに利用できないかと始まった試みが雪中米です。
雪を冷房として利用し、お米を貯蔵、夏など気温の高い時期にお米が傷むのを防ぎ、いつでも新鮮なお米を食卓に届けることが出来るようになりました。
雪冷房はじゃがいもなど他の作物でも利用されています。
また、作物だけでなく図書館などの公共施設、町営の養護老人ホームの冷房としても利用されています。
こうして雪を生活に活用することで、雪との共存を目指している町です。
2.沼田町夜高あんどん祭りとは?
沼田町夜高あんどん祭りは北海道内唯一のけんかあんどん祭りです。
2023年で開催47回を数えるあんどん祭り、始まりは遠く越中砺波(となみ、現在の富山県)です。
伊勢神宮から還宮の最中、日が暮れてしまい、身動きの取れなくなってしまった一行を、現在砺波市のあるあたりにあった村の人々が村を挙げて、奉迎しました。
その際、皆、各々にあんどんを持って来ていたことから、あんどん祭りが始まったとされています。
昭和52年、開拓史の故郷であった砺波市より、沼田町にこのお祭りが伝承されました。
祭りは、毎年8月第4週の金曜日、土曜日に開催され、北海道中から人が集まり、2日間で6万人以上がその迫力に心奪われます。
※2023年は8月25日(金)26日(土)開催
3.あんどん祭りでハズせない絶品グルメ
※以下は過去の沼田町のあんどん祭りの様子です。※
そんな沼田町のあんどん祭り、実際に見に行ってきました。
会場に到着したのは、2日目の午後6時前。
最大の盛りあがりを見せるあんどんのぶつかり合いまではまだ2時間近くありますが、会場は既に多くの人でにぎわっていました。
まずは腹ごしらえ、ということで会場をうろうろ。
北海道内各地からの多くのお店が出店しており、歩くだけでお腹が空いてきます。
から揚げ(北海道の方言ではザンギ)、海鮮や焼き鳥など美味しいものがずらりと並んでいます。
ちょうど夕飯時とあって、どのお店にも行列が出来ていました。
グルメのなかで最も注目すべきは、沼田町観光協会が沼田町就農支援実習農場で肥育していたA5ランクの「黒毛和牛」を購入し、作った「幻の沼田黒毛和牛まん」です。
「幻の」と付くだけあって、なかなかお目に掛かることの出来ない一品。
黒い皮のなかに、黒毛和牛を贅沢に使ったほくほくの餡がたっぷり詰まっています。
前年のあんどん祭りや、道内イベントでも大好評だったそうで、予想通り長蛇の列が出来ていました。
是非、来年のあんどん祭りで食べてみてはいかがでしょうか。
4.実際に感じた、喧嘩あんどんの迫力!
18時半頃、徐々に暗くなってきた町をあんどんが練り歩き始めます。
町役場や農協などのチームごとに作られたあんどんは高さ約7メートル・長さ約12メートル、幅約3メートル、重さはなんと約5トンもあります。
制作には竹などを使用し、骨組みを作り、電球を仕込んで和紙を貼り、ロウ引きをして紅付け。
高さ7メートルにも及ぶあんどんです。制作には3ヶ月から4ヵ月ほど掛かるそうです。
また、チームごとに作り方も異なるため、骨組みを作るにしても、竹のみを使うところもあれば、鉄線、溶接をして作るところもあり、一から作り上げるあんどんは本当に千差万別です。
丹精込めて仲間同士で作り上げられたあんどんはどれも力強く、そして豪華絢爛。
まずは、地元沼田小学校、沼田中学校の生徒たちのあんどんが練行します。
かわいらしい地元の踊りやダンスが少しずつ冷え込んできた会場をあたためます。
そしていよいよ、あんどんのぶつかり合いが始まります。
2基ずつ、あんどんが入場します。
対峙し、声を出したり、あんどんを縦横上下に振ったりして、互いに威嚇し合います。
そして、一方のあんどんが大きく頭を振り上げると、ものすごい勢いで両者が正面からぶつかり合います。
頭を上げた方のあんどんが両者ぶつかり合った状態で頭を上下に振り、他方のあんどんの正面に吊るしてある「吊るしあんどん」を壊します。
ばりばりと言うあんどんの壊れゆく音、地響き、そしてぶつかり合う男性たちの雄叫びに、観客の歓声。
あんどんをしっかりと壊し切ることで厄払いが出来ると言われています。
観ていると、「あんなにきれいなあんどんが…」と少し残念にも思いますが、躊躇うことなく、潔く壊していきます。
それを交互に行います。
またぶつかり合いは、他のチームとも繰り返し行うため、「吊るしあんどん」は10個以上準備しているそうです。
前夜祭を含め3夜連続の祭りは、土曜日夜がクライマックス、最大の盛りあがりを見せます。
5.祭り観覧の注意点
・有料席
チケットを事前に購入することで、しっかりとあんどんのぶつかり合いなどの見える場所で、座って観覧することが出来ます。
会場はかなり混み合うため、良い場所で見るには早い時間からその場所で待たなければなりませんが、チケットを購入していれば、始まる直前に来ても、しっかりと楽しむことが出来ます。
ただし、場所の指定は出来ないため、有料席のなかでも前方などより良い席で見たい場合は、早めに行く必要があります。
有料観覧席
¥1,000~¥2,000(席種、日付によって異なる)
<参考ページ>
沼田町夜高あんどん祭り-有料観覧席の販売開始
・防寒対策
8月とは言え、夜はかなり冷え込みます。
ウィンドブレーカーや、ストールを持っていきましょう。
おわりに
華やかなで雄大なあんどんが激しくぶつかり合う様はまさに圧巻です。
ぶつかる度に会場からあがる大きな歓声。あなたも間近でそれを観て、その音、地響きを感じたら、声を出さずにはいられないでしょう。
是非、来年観覧してみてはいかがでしょうか。夏の終わりの良い思い出になること、間違い無しですよ!
沼田町夜高あんどん祭り
開催日:毎年8月第4週金曜日、土曜日開催
場所:JR石狩沼田駅前および町内各所
お問い合わせ:
夜高あんどん実行委員会・沼田町夜高あんどん保存会
電話:0164-35-2231
HP:https://numata-youtaka.com/
沼田町観光協会
電話:0164-34-6373
交通手段
~自動車~
・旭川から国道233号で約60分
(湯内トンネル(道道旭川多度志線)利用で一気に近く…約45分!)
・深川から国道233号線で約20分
・留萌から国道233号線で約30分
・札幌から国道275号線で約120分(道央自動車道利用で90分)
~JR~
・旭川から函館本線、留萌本線で約60分
・深川から留萌本線で約15分
・留萌から留萌本線で約40分
・札幌から函館本線、留萌本線で約80分
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