写真家が見つけた、初夏の中富良野・美瑛。地域とつながる1週間の旅
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- 富良野・美瑛・トマム
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- 最終更新日: 2026年7月13日
今回私が滞在先に選んだのは、北海道の中富良野町。地域のお手伝いを通じて滞在できる仕組みを持つ「TENJIKU」を拠点に、観光のハイシーズンが始まる直前の6月上旬、1週間という期間を設けてこの美しい土地に身を置いてみました。あわただしいスケジュールから解放され、その土地の「日常」に触れる時間は心に深い充足感をもたらしてくれます。この記事では、初夏の中富良野・美瑛で過ごした贅沢で穏やかな1週間の記録をお届けします。
もくじ
早朝の美瑛を独り占めする、静寂の丘巡り
中富良野での生活の最大の楽しみの一つは、早朝の美瑛へのドライブでした。美瑛といえば広大なパッチワークの路や美しい丘陵風景で知られていますが、観光客で溢れかえる日中の姿しか知らないのは非常にもったいないことです。

朝の4時半や5時。まだ空が白み始め鳥の声だけが響く静寂の中、車を走らせます。朝霧が立ち込める丘陵地帯は、まるでこの世のものとは思えないほど幻想的な風景を見せてくれます。

早起きは苦手という方もいらっしゃるかもしれませんが、この景色を目の当たりにすればそんな疲れも一瞬で吹き飛ぶはずです。誰もいない道路をゆっくりと走り、自分のためだけに用意されたような絶景を独り占めする贅沢。1週間の滞在だからこそ、毎日天候や光の加減が異なるその日限りの美瑛の朝を心ゆくまで追いかけることができました。
6月、ラベンダーの季節を待つ中富良野の風景
中富良野といえば、やはり「ラベンダー」を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし私が訪れた6月上旬は、まだラベンダーの最盛期には少し早い時期です。
「時期じゃないから面白くない」と思われるでしょうか? いいえ、そんなことはありません。むしろ満開の観光シーズンよりも、この時期の静かな富良野こそ真の美しさが隠されていると私は感じます。
北星山森林公園で見つけた緑の息吹
まずは「北星山森林公園」を訪れました。ここは冬場はスキー場としても使われる場所ですが、初夏には緑が眩しいほどに輝いています。
頂上からは富良野盆地を一望でき、まだラベンダー色が控えめな一面の緑のパッチワークを楽しむことができます。観光客もほとんどおらず、聞こえてくるのは風の音だけ。自分自身と向き合い、ただただ広い大地を感じるのにこれほど適した場所はありません。

ファーム富田で感じる季節の準備
そして、「ファーム富田」。北海道を代表する観光スポットですが、ここもまた6月上旬は非常に穏やかです。

畑ではこれから来る最盛期に向けて、着々と準備が進められていました。花が咲き乱れる豪華な風景ではありませんが、これから命が爆発しようとする植物たちの静かなエネルギーを感じることができます。

ラベンダー以外も様々な花々が咲いており、その繊細な美しさに心が癒やされます。1週間滞在していると、毎日の散歩コースのようにこの場所に立ち寄り、数日ごとに花の表情が変わっていくのを確認する楽しみもありました。観光地を巡るだけでなく、その土地の時間の流れに身をゆだねて過ごす。 そんな旅のスタイルに私は魅了されています。
地域と繋がり、無料で泊まる「TENJIKU」での暮らし
今回の滞在の拠点としたのは、中富良野にある「TENJIKU」という施設です。ここは単なる宿泊施設ではありません。地域のお手伝いをすることで宿泊料金が無料になるというユニークな仕組みを採用しています。

1週間という長期滞在において宿泊費が抑えられることは大きなメリットですが、それ以上に「地域の一員として迎え入れられている」という実感が、この場所での時間をより特別なものにしてくれました。

私は写真家の仕事をしているという事で、ラベンダー農家さんの撮影をさせて頂きました。地元の方々と接し自分ができる事でその土地に貢献することで、ただの観光客では決して見ることのできない地域本来の姿が見えてきます。
「TENJIKU」を検討されている方へ:利用のアドバイス
「TENJIKUを使ってみたい」と考えている方は、ぜひ以下のステップを参考にしてみてください。
・応募方法:公式ホームページから
公式サイトから直接申し込みが可能です。まずは気になる地域のページを覗いて、どのような雰囲気かチェックしてみてください。
【TENJIKU公式ホームページ】
https://tenjiku.sagojo.link/
・地域貢献先の見つけ方:現地案内人を頼る
「何をお手伝いすればいいの?」と不安に思う必要はありません。各TENJIKUには、その地域と旅人を繋いでくれる「案内人」が存在します。自分の特技や希望を伝えれば、その土地で必要とされている活動を紹介してくれます。
・主体性を持つことが楽しむコツ
「何かを提供してもらう」という受け身の姿勢ではなく、「自分は何ができるか」を積極的に提案してみると、地域の方との距離がぐっと縮まります。
暮らすように旅をする、という贅沢な選択
1週間の滞在を通じて感じたのは、やはり「場所への愛着」でした。

初日はただの「見知らぬ土地」だった中富良野が、数日過ごすだけで帰るべき場所のような感覚に変わっていきます。観光地巡りでは得られない自分の生活リズムを大切にした旅は、驚くほど心身をリフレッシュさせてくれました。
「何もしない」という贅沢。あるいは気ままに丘を見に行き、地元のカフェで本を読む、そんな何でもない時間を積み重ねること。忙しい日常から少し離れて、自分の感覚をゆっくり取り戻す 。そんな滞在は心に深く響きます。

北海道の雄大な大地は、短い期間の観光であってももちろん感動を与えてくれます。しかし、もし少しの余裕があるのならぜひ1週間、あるいはもう少し長い期間をかけてその土地に「暮らす」ように旅をしてみてはいかがでしょうか。そこにはガイドブックには載っていない、自分だけの素晴らしい発見がきっと待っています。

初夏の風を感じながら過ごしたこの1週間は、私の写真家としての感性にも一人の人間としての心にも、忘れられない豊かな彩りを与えてくれました。中富良野、そして美瑛の持つ本当の優しさに触れる最高の旅でした。
明星(Akari)
秋田県を拠点に活動している風景写真家・ライター。写真教室の開催や撮影ツアー講師、Webメディア、雑誌の執筆をしている。Instagramはlandscape_ririy XはAkaricreative08
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