小樽の歴史的建造物をゆっくり巡る、小樽街歩きの魅力♪
- 小樽・ルスツ・ニセコ
- 最終更新日:2019年3月11日
歴史と潮風のロマン薫る街小樽は歴史的な建造物の宝石箱でもあります。
それらを今回はご紹介。どこを見ればいいか迷っている方のご参考になればと思います。
今回は地区ごとに現在は何に使われているかもあわせてご紹介いたしますので、ぜひ旅のお供に添えていただければと思います。
もくじ
1. 小樽の歴史的建造物の歴史について
小樽で歴史的な景観の保存維持に対する取り組みが始まったのは今から30年以上前の1983(昭和58)年。
景観地区保全条例が制定され、31棟の「歴史的建造物」が指定されました。
さらに、1992(平成4年)には、総合的な都市の景観を守る「小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例」が作られ全市的に調査がすすめられます。
全部で2,000棟余りの建物が調査され、現在では保全されるべき建築物として、現在、75棟が「小樽市指定歴史的建造物」となっています。
これらの建築物は祝津、色内、手宮、小樽駅周辺などに分散してあるので、すべて見ようと思うと一日がかりということになるのです。
特に、観光客の多いいわば回りやすいポイントを中心に紹介をしていきます。
2. 各歴史建造物紹介
2-1. 旧渋澤倉庫
北運河といわれるこの地区は、明治時代から運輸の中心として栄えたいわば世界に開かれた小樽の象徴です。
その雰囲気を今に伝える歴史的建築物、旧澁澤倉庫倉庫としてはユニークな形をしています。
現在はライブハウス&レストランの小樽 GOLDSTONEとして、明治の雰囲気を残しつつ、サービスを提供しています。
ブライダルパーティーや日本以外の世界からも数多くのアーチストが招かれている熱いライブショーと時代は変われど、世界に開かれた小樽の熱い志はそのままです。
数多くの観光客が訪れる場所ではなく、より生活に近い場所としての小樽を味わってみてください。
【旧渋澤倉庫】
所在地:小樽市色内3丁目3番20号
建築年:明治28(1895)年
2-2. 田中酒造店
色々な社会情勢から、倉庫やビルはその内容を変遷させますが、今も変わらず、昭和初期の雰囲気を生かしたまま現在まで営業を続けているのが田中酒造店です。
約90年を経た木造建築は、かつての小樽に多く存在した酒造店の店構えを残した珍しいもの。
正面の軒下は、腕木を手前に迫り出す独特の「せがい造り」という構造。
手間と時間をかけて、修復し、現在でも活用していることから平成元年には小樽市都市景観賞を受賞しています。
限定生産の銘酒宝川の大吟醸は手に入りにくい一品。品切れのことも多いほどの大人気です。
梅酒小樽美人もちょっとしゃれたお土産として大人気です。
グラスは当然、北一硝子で購入。小樽のフルラインナップを楽しんでください。
【田中酒造店】
所在地:小樽市色内3丁目2番5号
建築年:昭和2(1927)年
2-3. 旧小樽倉庫
明治中期の小樽の隆盛を物語るのがこの旧小樽倉庫です。
石と煉瓦で組み上げられた倉庫は倉庫というには豪奢な作り。屋根にはしゃちほこ。中庭まで備えています。
これも日本に憲法ができたあたりから日清戦争くらいまでの間に着々と作り上げられたことによります。
いわば日本のおおきな成長期を北の街から支えた存在といえるでしょう。
現在は北側を市博物館、南側を運河プラザに活用、公開されています。
より深く、小樽の街を歴史を知るための一大チャンス。ぜひ隅から隅までを鑑賞してください。
【旧小樽倉庫】
所在地:小樽市色内2丁目1番20号
建築年:明治23(1890)年〜27(1894)年
2-4. 旧安田銀行小樽支店
昭和初期の典型的な銀行建築の様式を持つのが旧安田銀行小樽支店。
重厚な石造りの外壁や太い柱は、そのまま古いアメリカ映画に出てきても違和感がありません。平成13年に外壁の工事が行われ現在のかたちになりました。
現在は、和食レストラン「花ごころ」が入っており、寿司の食べ放題や、すき焼きしゃぶしゃぶなど和食全般を開放的な空間で楽しむことができます。
内装は当時のものとは言えませんが、雰囲気たっぷりのレストランでランチを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ツアー客にも人気のスポットとなっていますので、ランチであれば予約をした方が無難です。趣を楽しむ点でいえば最高のロケーションですね。
【旧安田銀行小樽支店】
所在地:小樽市色内2丁目11番1号
建築年:昭和5(1930)年
2-5. 旧塚本商店
明治年間に小樽であった大火の影響で、小樽市内の建築物は防火意識が強いものになります。
旧塚本商店もそのトレンドに合わせた建築物。黒い外壁やコンクリートを多用した構造は大正ロマンよりも防火の意識を強く見せています。
もとは近江(滋賀県)出身の呉服太物商の店舗でしたが、現在はcafé色内食堂として営業中。
特にランチがおススメで、リーズナブルな価格帯そして豊富なおかず。
さまざまな味を楽しめるお弁当が女性を中心に大人気です。
落ち着いた雰囲気と家庭的な味わいの料理をアンティークな店内で楽しめるお店になっています。
第1回小樽市都市景観賞に選ばれた建築物、外観も内側も同時に楽しんでください。
【旧塚本商店】
所在地:色内1丁目6番27号
建築年:大正9(1920)年
2-6. 旧北海道拓殖銀行小樽支店
北のウォール街ともいわれた昭和初期までの小樽色内。その象徴とも言われる建物がこの旧北海道拓殖銀行小樽支店です。
拓銀自体はもうなくなりましたが、今でもその隆盛のシンボルといえる建物は小樽の街で存在感を放ち続けています。
当時では道内でも屈指の大きな建物で銀行の他、貸事務所を併設していました。
威風堂々たる外観、開放感あふれる内部は現在でもノスタルジックな雰囲気で、さまざまな変遷を経て似鳥美術館となった現在でも、その雰囲気や味わいは廃れることはありませんでした。
横山大観や岸田劉生などの名画が展示されているということもあり、内装とあわせて楽しめるスポットになっています。
【旧北海道拓殖銀行小樽支店】
所在地:小樽市色内1丁目3番1号
建築年:大正12(1923)年
おわりに
いかがだったでしょうか。ここで紹介した建物でもまだ、1割にもなりません。
小樽の特徴はその建物を使わないでとっておこうではなく、存分に活用し、生活の中に溶け込ませている点にあります。
小樽GOLDSTONEにしても、観光客ではなく道央圏の音楽を愛する人々から愛される存在。
田中酒造店にしても地元の人が気軽にお酒を買いに来る存在なのです。
有名な北一硝子の店舗にしても、オルゴールを販売する小樽オルゴール堂堺町点にしても、もとは歴史的な建築物です。
生活の中にあふれる歴史。開発の歴史が浅い北海道にとっては、その建造物やそれを擁する小樽市自体が宝石のような存在といえるかもしれません。
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