明治から昭和にタイムスリップ!札幌市時計台の歴史と見どころ
- 札幌・定山渓
- 最終更新日:2019年2月26日
「札幌に行ったらここ!」というくらい定番スポットになっており、多くの観光客や市民に親しまれています。
ところで、時計台の中に入ったことはありますか?
私はこれまで外観をパシャっとカメラに収めて満足していましたが、
今回 取材で初めて入りました。中は思った以上に広くて、見応えがあってビックリ!
今回は、時計台の歴史・館内の様子をご紹介します♪
もくじ
1.時計台の歴史を知る
1−1 時計台の正式名称
時計台の正式名称をご存知でしょうか?
正式名称は、「旧札幌農学校演武場」です。
現在の北海道大学の前身となる札幌農学校の演武場として、初代教頭クラーク博士が構想、第2代教頭ホイーラーが平面プランを作成、開拓使の主席建築技術者 安達喜幸らの設計・監督により明治11年10月に建てられました。
(※演武場:標本室、講義室、屋内体育場、各種催事場の機能を併せ持つ建物)
当初、時計は付いていませんでしたが、黒田清隆開拓長官の指示で付けることとなり、明治14年、新たに時計塔を付設して時計機械を取り付けたのだそうです。
1−2 国の重要文化財に指定されるまでの変遷
【明治36年から昭和10年代後半まで】:教育団体の事務室、付属図書館、文化活動の場として利用。
【第二次世界大戦を挟む昭和18年から昭和23年まで】:軍用施設、各種民間団体事務所として使用。
【昭和25年から昭和41年まで】:市立図書館として使われる。
【昭和42年】:図書館移転に伴い復元工事が行われる。
【昭和45年】:国の重要文化財に指定される。(時計機械も併せて指定)。
2.時計台の中に入ってみよう
それでは、館内に入ってみましょう。外観はもちろん館内も撮影OKです。
2−1 1階 大展示室(農学校・時計台の歴史)
札幌農学校は、クラーク博士が学長を務めていたマサチューセッツ州立農科大学を模範としています。
当時1階は講義室・研究室、鉱物や動植物の標本展示室として利用され、時には学外の団体等により市民の講堂として使われることもありました。
現在、1階の大展示室では「札幌農学校の全景模型」や「時計台の概要」、「札幌農学校の卒業生プロフィール」や「市民と時計台の関わり」、「文学と歌に表れた時計台の作品」などが展示されています。
【時計台のエピソード】
明治時代、札幌は幾度の大火に見舞われます。
明治25年に起こった大火では、農学校の学生達が演武場の屋根に登り、降りかかる火の粉から建物を守ったそうです。
明治の後期には時計台の屋根がそれまでの柾葺き(まさぶき)屋根から鉄板屋根へと改修され、火災から時計台を守るための改良がなされました。
【時計台の修理の記録】
平成7年から10年にかけての保存修理工事の内容を映像で紹介しています。
また館内の展示が多言語で読める!聞ける!スマートフォン用アプリUni-Voiceにも対応しています。
コードをスキャンすると音声で読み上げてくれますのでよかったら利用してみてくださいね。
2−2 2階ホール(農学校演武場)
2階に上がってみましょう。
演武場の2階は明治時代、体育の授業や兵式訓練を行う他、講堂として学内の催事の場として使用されていました。
現在、演武場の広い空間は、時計塔の歴史などを紹介する展示スペースとして多くの見学者が訪れています。
椅子に自由に腰掛けることができますので、ここで寛いで旅の疲れを癒す方もいらっしゃるのだとか。
夜間、2階ホール(演武場)は演奏会や講演会、結婚式など様々な催しの場として貸し出しをしています。
天井が高い木造建築で、音がよく響き、雰囲気も良いと好評なのだそうです。
【実物の塔時計姉妹機】
塔時計本体は見ることができないため、3867号機を2階に展示し、動かし続けています。
鐘を打つ装置はついていませんが、実際に時計台で使われているものと同じ型のアメリカ E・ハワード社製の時計装置です。
実物を見ると、すごい迫力です。
2階ホールでは「日本に現存する機械式塔時計の概要」や「塔時計機械の取り扱い方法」「時計台の建築構法の説明」なども展示されています。
3.138年以上時を刻み続けている日本最古の塔時計
【塔時計の仕組み】
時計台の時計機械は、鳩時計と同様の振り子時計です。動力にはおもりを使い、原形のまま正確に動き続けている日本で最も古い塔時計です。
時計機械はアメリカ合衆国ボストン市ハワード社製。製造No.738が印されています。
平成21年「機械遺産」に認定。おもりは、小石を木箱に詰めたもので、運針用が約50kg、打鐘用が約150kg。
おもりの巻き上げは、人の手により現在も週2回程、行われています。
時計塔は、高さ約19m、内部は5階建てになっています。文字盤は5階の位置にあり、内側に226kgの鐘が吊られています。
4階に時計機械があり、3階で振子が揺れています。
明治14年8月、時計機械は運転を開始。時を知らせ始めました。
鐘の音はかつて一里(約4km)四方に響き渡ったと言われ、明治21年には札幌の標準時計として告示されたそうです。
設置して138年以上経った現在も、正確に時を刻み続けています。
4. 大切に守られている時計台
明治14年から歴史を持つハワード社製の時計機械を守る道具は、オイルを除き、意外なほど一般的なものばかり。
保守作業でたいせつなことは、時計機械との会話なのだそうです。
現在も時計が正確に時を刻み続けているのは、ひとえに大切に守っている人の存在があるからです。
塔時計が当時の姿のまま動き続けているのは、世界的にもあまり例がないのだそうです。
その時の「音」や「におい」「動き」という時計機械からのメッセージを聞き取ることが時計機械を守る「技」となり、「目で見る」「音を聞く」「臭いを嗅ぐ」「触ってみる」点検・保守が日々入念に行われています。
鐘の音が1時間ごとに時の数だけ鳴ります。
建物の中にいると時代の流れが感じられ、タイムスリップしたかのような気分が味わえますよ。
5. 知っておきたい写真撮影スポット
札幌の街を歩いていると、時計台 正面右側にある台に立って写真を撮っている方を多く見かけます。
こちらは定番の撮影スポットになっています。
時計台向かいのMNビル2階テラス「時計台撮影プラザ」も人気の撮影スポットです。
時計台の全景を撮ることができます。
夕方から21:30までライトアップも楽しめますよ。
6. 時計台へのアクセス
◯交通機関
JR札幌駅南口徒歩約10分
市営地下鉄南北線、東西線、東豊線「大通駅」下車
市役所側出口徒歩5分
〈札幌市時計台〉
HP)http://sapporoshi-tokeidai.jp
住所:北海道札幌市中央区北1条西2丁目
TEL:011-231-0838
開館時間:8時45分~17時10分(入館は17時まで)
観覧料:大人200円(高校生以下無料)
休館日:年始(1月1日~1月3日)
おわりに
札幌市時計台の歴史・館内の魅力をお伝えしてきました。
いかがでしたでしょうか。
時計台の中に入ると、外から見るだけでは分からなかった歴史を肌で感じることができます。
ぜひ、鐘の音を聞きに訪れてみてくださいね!
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