冬の北海道の暮らしはちょっと違う??北海道あるある話・冬編
- 北海道全域
- 最終更新日:2020年11月12日
古くから住んでいたひと、さまざまな事情で移住したひと、いろいろなバックグラウンドをもつ人で構成されている北海道。
その文化や風習は、日本のほかのエリアにくらべてユニークなものが多いです。
今回は、北海道にUターンした筆者がリアルで感じる北海道カルチャーをご案内します!
1 冬の訪れを雪虫で知る
秋が深まると道民が恐れる虫がいます・・・
それが雪虫。
Photo by Wikipedia/栃内新
10月も半ばになり、ある日、秋風とともに無数の雪虫が飛んできて、顔や服にぺたぺたと貼りつく・・・
多いときには次の写真のような状況になります。
(虫の苦手な人は閲覧注意!)
画像引用:TVhテレビ北海道 ニュース 14:37 - 2015年10月17日 のツイート
雪虫の大量発生で周囲がかすんでいます。
ちょっと道外の人には信じられない生々しい表現ですが、誇張ではなく、私たち道民は雪虫の「訪れ」で冬の訪れをリアルに感じるのです。
雪虫が飛ぶと1週間から10日間のうちに初雪が降るので、農家のかたや車を運転する仕事をしている人は雪虫を見るとすぐに冬支度にかかります。
2 「衣」
2-1 家に帰ると夏服に?
過去には旭川で-40℃を記録した事もある北海道。
札幌でも、冬は1日の最高気温が0℃を超えないというのもそう珍しい事ではありません。
ただ、家の中では、外気温の低さに不釣り合いな服装で過ごすことが多いのです。
というのも二重サッシや灯油ストーブなど、パワフルな暖房ツールが備わっているから。
北海道民の習慣としてよくとりあげられる例として「Tシャツ・短パンを着てアイスクリームを食べる」というものがあります。
上記は例えのひとつではありますが、強い暖房で室内が暖かいが乾燥する(のでアイスで喉を潤したくなる)という事を表現しているのでしょうね。
2-2 オフィスも常夏
環境省では冬の室温を20度にするようよびかけていますが、実際の北海道のオフィスでは25度程度になってしまうことが多いと感じます。
北海道で25度といえば夏の気温と同じ。厚着をしているとむしろ汗をかいてしまいます。
2-3 屋外ではしっかり防寒
もちろん屋外に出る場合は厚いアウターで防寒対策が必要。
北海道は軽い雪が多いので、雪が降っていても傘をさすことはあまりありません。
シーズン中は、その寒さゆえべた雪が少ないのです。
フード付きのアウターや耳まで隠れるようなニット帽がおすすめです。
2-4 北海道ファッションは足元から
さらに、北海道らしいコーディネートをみることができるのは、やはり足元のファッション。
冬用の靴については、ABCマートやチヨダをはじめとする大手量販店が北海道独自の品ぞろえをそろえています。
とりあつかう靴も本州とはかなり違いますので、ショッピングエリアを通ることがあれば、ぜひ観察してみてください。
思わず買って帰りたくなるような、モコモコのかわいらしいデザインの防寒シューズが目白おしですね。
「防水」「防寒」「温かさ」、そして「冬底」が強調されています。
靴底は厚く、溝も深くこまかくなっています。
素材はゴムにガラス繊維などを合わせたものが主流です。この靴底がすべりにくいのです!
3 「食」
3-1 冬、野菜やビールは玄関で保管?
北海道では、冬に冷たい食品を保存するときはベランダやガレージ、場合によっては軒先や玄関などに置くことが多いです。
これらの場所の温度はちょうど冷蔵庫と同じくらいなのです。
保存するもので代表的なものはビールですね。あと、箱単位で買ったミカンなどの果物や生餅などが多いと思います。
3-2 ホット飲料が少ない自動販売機、冬でも飛ぶように売れる冷たいドリンク
北海道の自動販売機は冬でもホット飲料が少ないです。
特に、タウンエリアに設置される自動販売機にその傾向があるようです。
ホットの人気がないというわけではないのですが、北海道の室温が25度以上になること、暖房が強くのどが渇きやすいことから、オフィスでは冷たいドリンクについつい手が出ることが多いようです。
大通エリアの自動販売機。3段のうちホット飲料スペースは中段または下段の半分にも満たない。
3-3 真冬に食べるアイスクリームは最高!
また、こちらは有名ですが、北海道民はアイスクリームが大好き。
年間をとおしてアイスを冷蔵庫に常備する家も多いですね!
こちらも、強い暖房でのぼせたカラダを冷やすため、自然と冷たいスイーツに手が傾向があるようです。
3-4 冬の郷土料理
秋から冬にかけての家庭の食卓にも、北海道らしいレシピが多くあります。
3-4-1 三平汁、豚汁などの汁物
道外から来たかたに珍しがられるレシピの代表格が三平汁。
魚と根菜類を具にした、塩味仕立ての汁物です。
ダシは昆布、具にする魚は鮭やニシンが多く、アラがあれば一緒に入れることが多いです。
店で売っている魚には塩が付いていることが多いので、味付けはあまりしません。素材の良さが味の決め手です!
また、豚汁も冬の定番の汁物。北海道では「とんじる」ではなく「ぶたじる」とよぶのも北海道らしいところです!
3-4-2 保存食
秋も深まり冬になると、イクラのしょうゆ漬け、ニシン漬け、いずし(飯寿司)など、北海道ならではの保存食の仕込みが始まるニュースが出てきます。
イクラのしょうゆ漬けは、秋になるとスーパーや鮮魚店で鮭の筋子が店頭に並ぶので、それをつかって手作りする家が多いです。
ニシン漬けも昔は家庭で手作りするものでしたが、いまは時代の流れの影響で手作りする家は少なくなりました。
でも、あいかわらず冬になるとスーパーなどでは飛ぶように売れる、定番のおいしい漬物です。
いずし(飯寿司)も北海道の定番家庭料理。かつては「ご近所さんのおすそ分け」の定番メニューでした!
こちらも手間と時間がかかるものなので、いまでは家庭で手作りすることは少なくなりました。
引用元:北海道 産業振興部
いずしは「キンキいずし」が有名です
これらの北海道の保存食は、普通のレストランで注文することは難しいですが、おみやげやお取り寄せグルメならばデパートや空港などでおいしいものが手に入るので、機会がありましたらどうぞお試しください!
4 「住」
4-1 ストーブは止められない、止めてはいけない!
北海道の宅内暖房はほとんどが石油ストーブ。しかも火力が強力!
さらに高断熱住宅なので、いちどストーブをつけると室温があっという間に30度近くまで上昇します。
道外のひとからみるととてもぜいたくに感じるかもしれませんが、ストーブは止められないのです。
ストーブを止めたり弱めたりすると一気に寒くなるからです。
北海道の窓は二重サッシですが、ストーブを止めると一気に室温が10度以下になります。
かと言って、燃料をつかって温めた部屋の空気は逃したくない・・・そこで必然的に服装が薄着になるのです。
4-2 道民の朝は除雪の音からはじまる?
11月から4月半ばまで、道民の朝は除雪からはじまります。
深夜から明け方にかけて、公道には除雪車が入って作業します。
特に札幌エリアのような都市圏では、さまざまな重機による除雪作業が夜通し行われます。
公道近辺に住む人は、真夜中の除雪の音で目を覚まして眠れなくなる・・というひとも多いです。
4-3 冬のカーライフは修行?
また、車を持っているひとにとってもこの季節は修行ともいえる日々。
夜明け前に起きて外にでて雪かきをするのです。
基本的に公共団体が手配する除雪車は個人の土地を雪かきしてくれません。
ですので、自分で車の周囲につもった雪やガレージ前のスペースにある雪をかかないと車が出せず、仕事にも行けません!
ちなみに、日々のの雪かき作業で腰をいためてしまう人もかなり多いです・・・
また、エンジンを温める時間も必要なので、出かける10分前にはエンジンをかけ始めることが多いです。
朝の車内も寒すぎるため、エンジンスターターもよく売れています。リモートでエンジンをかけ、車内が温まるまで家の中で待ちます。
運転中にも注意が必要です。道は除雪されているとはいえ、夏とコンディションがまったく違います。
路面の凍結はもちろん、積もった雪で道に高低差ができたり、道路の両脇に除雪した雪が積み上げられたために道幅がいつもの半分くらいまで狭くなったり・・・。
このように、北海道の冬のカーライフは修行なのです!
5 地元番組で北海道あるあるをチェック!
北海道での季節の過ごしかたはとてもユニークです。まちを観察していると面白い発見が多いと思います!
ただ、短い滞在期間ではなかなか垣間見ることがができないかもしれません。
そんなとき、ローカルTV番組で北海道独特のカルチャーや季節の話題がトピックとしてとりあげられることが多いのでオススメです。
筆者も情報源として活用しています。機会があればホテルなどで見てみてください!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
以上、北海道あるある・冬編をお届けしました。
今回は、札幌エリアを目安にしてご紹介しましたが、北海道は広いです。エリアごとに独特の「あるある」があります。
もしおもしろい「あるある」を見つけたらまたご紹介させていただきますね!
取材・執筆・撮影(※1.2のみ):マーヴェリック
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