初めて雪道運転する前に知っておきたいこと~走り方、滑った・スタックしたら~
- 北海道全域
- 最終更新日:2023年1月19日
もくじ
1.冬の北海道ドライブでは雪道運転の知識が必須
冬がとても長い北海道。峠道や道北など早い所では10月下旬、北海道全域の平地でも11月中頃から翌年の4月にわたって降雪します。
内陸を中心として降雪量が多く、時には大雪や路面凍結で交通網が麻痺することも。またNEXCO東日本によれば、冬期(11月〜翌4月)の北海道における高速道路での事故件数が、夏期(5月〜10月)の事故件数の2倍前後まで上るという調査結果もあります。そのため特に冬、道内を車で旅行する場合には、雪道運転の知識を十分につけておくことが必要です。
2.雪道を運転する時の基本
それでは、はじめて雪道を運転する方のために、雪道の走り方について解説していきたいと思います。少なくとも以下でご紹介する7点は基本としておさえると良いでしょう。
車や靴に付いた雪を払う
リスクを減らすためには、まず車や靴についた雪を払うことから心がけましょう。旅行初日は大丈夫だと思いますが、宿に泊まって2日目にスタートするときには車が雪を被っていることも多いです。車のフロントガラスとリアガラスは確実に雪を払った後、エンジンをかけて空調で凍結や曇りを完全に取ってから発進するようにしてください。
ゆっくりとスタートする
スタート時にも注意が必要です。急発進しないことは普段のドライブでも重要ですが、冬のシーズンには特に意識してください。圧雪路(車が通行することで、雪が踏み固められた道)や凍結した道では、急なブレーキが効きにくく、また急にハンドルを切るとスリップする確率が高まります。周囲の状況を確認しながらゆっくりとスタートしましょう。
メイン道路を選択する
雪道運転のリスクを低減するために、メイン道路をルート選択するようにしましょう。主に国道や、その国道に準ずる大きな道道がメイン道路に当たります。北海道のメイン道路はほとんど真っ直ぐな道で、冬には圧雪路になっている道が多いため比較的走りやすいです。また歩道の側溝の境目が分かりやすく、溝にはまる事故も防ぐことができます。最短かどうかではなく、安心できる道かどうかでルートを選択すると良いでしょう。
通常の2倍以上の車間距離をとる
雪によってどうしてもタイヤと路面の摩擦抵抗が下がってしまう冬。どうしても制動距離(ブレーキが完全にかけられた時点から完全に停止した時点までの車両の移動距離)がのびてしまいます。そのため車間距離には特に注意が必要です。前方車両が急ブレーキを踏む可能性まで考えて、通常の2倍以上の車間距離をキープできると安心です。
下り坂はエンジンブレーキを活用
冬はスリップ事故のリスクが上がるので、スピードは30〜40km/h前後まで抑えて下り坂に入るように意識しましょう。通常ポジションはドライブで、フットブレーキをかけながら下るのが基本ですが、下り坂が長い場合、ポジションをローギアに切り替えて、エンジンブレーキとフットブレーキを併用すると低速を維持しやすく、さらに安全性が高まります。
駐車時はワイパーをたてる
フロントガラスにワイパーが接触したままの状態にしていると、ワイパーが張り付いて、動かなくなってしまうリスクがあります。そのため駐車時にはできるだけワイパーを立てるのが望ましいです。また、凍った状態のワイパーを無理に動かすと、破損してしまう可能性も考えられます。この場合はエンジンをかけて車が温まるのを待ちましょう。
マフラー周りを定期的にチェックする
近年事例として挙げられているのが、マフラーに雪が詰まったことによる一酸化炭素中毒の事故。これを防ぐためには、バック時に後方に雪塊がないかしっかりと確認することが必要です。また数日間のドライブ旅になる場合は、マフラー周りに雪が溜まっていないかチェックすることをおすすめします。
時間に余裕をもつ
当たり前なのですが、一番大切なポイントは時間に余裕を持つということ。時間に追われると、どうしても巡航スピードが上がったり、細やかな点まで配慮をして運転する意識が希薄になってしまいます。そのため冬の北海道ドライブ旅では予定を詰め込みすぎず、訪れるスポット数をある程度絞ると良いでしょう。また急な大雪で道路が通行止めになる可能性も0ではないため、最終日の前日は空港近くの都市近郊に宿泊すると安心です。
3.雪道でのトラブル
できるだけ避けたい事態ではあるのですが、もし雪道でトラブルにあった場合の対処法についてもご紹介したいと思います。
滑った時
パニックになりやすいですが、何よりも急ブレーキを踏まず、急なハンドル操作は厳禁です。
急ブレーキを踏むと、タイヤがブレーキロック(ブレーキで前輪や後輪、 もしくは全輪を止めてしまう動作)してしまうリスクがあり、この場合完全に制御不能になってしまいます。
またスリップしたときに後輪が滑ってる方向にハンドルを切って横滑りを抑えるテクニック(カウンターステア)もありますが、タイミングや度合いも重要で、むやみに急ハンドルを切ると、タイヤのグリップ力が戻ったとき、いきなり思わぬ方向に車が方向転換してしまうおそれがあります。
スタックした時
車をゆっくり前後に動かして、タイヤ周辺の雪を少しずつ固めてグリップしやすくします。しっかりと圧雪できたら、アクセルを踏み込んで、脱出を試みましょう。空転すると、さらに脱出が難しくなるケースもあるため、ゆっくりと始動するのがベターです。
それでも脱出が難しい場合には、砂箱にある砂を利用しましょう。砂箱とは雪国の路肩に設けられており、どんなドライバーでも自由に使えるものです。またamazonなどで購入できる脱出用ラダーをあらかじめ用意しておくと、解決しやすい場合があります。
最終手段は、保険会社やJAFのロードサービスを呼ぶことです。なお、救援を待っているときは、車の後方に三角表示板や発炎筒の設置を忘れずに。
●JAFを呼ぶ
https://jaf.or.jp/common/call-road-service/call-jaf
ロードサービス救援コール(有料)0570-00-8139または03-5730-0111
4.道路情報を事前にチェック~役立つサイトリンク~
最後に雪道を運転する際に役立つサイトを以下に挙げておきたいと思います。ぜひ以下参考に素晴らしいドライブ旅を楽しんでくださいね。
●北海道地区道路情報(ライブカメラもあり)
https://info-road.hdb.hkd.mlit.go.jp/RoadInfo/index.htm
●北海道の積雪情報
https://tenki.jp/amedas/1/snow.html
●冬の北海道ドライブで注意すべき事、道民が詳しく教えます!
https://hokkaido-labo.com/area/all/hokkaido-winter-drive
日本深掘りサイクリスト・フォトグラファー 土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。 四季折々の日本を五感で捉え、発信しています。
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