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恋い焦がれた北海道・冬の絶景。大雪山「旭岳」雪山登山記

エリア
旭川・層雲峡
投稿日
最終更新日:2022年3月11日
北海道の屋根を形成する大雪(たいせつ)山系。その最高峰の「旭岳(あさひだけ、標高2,291m)」は、高山植物の宝庫かつ、日本一早い紅葉がみられることでも知られ、道内屈指の人気を誇っています。

筆者もこれまで何度か足を運んできましたが、その中でどうしても拝んでみたい景色がありました。それは「冬の旭岳」。

旭岳には、旭岳温泉から7合目まで「旭岳ロープウェイ」が運行しており、年間を通じてアプローチすることができるのです。

今回、ようやく恋い焦がれた「冬の旭岳」の絶景を堪能することができたので、そのトレッキングをご紹介したいと思います

1. 旭岳へのアクセスと準備

旭岳 雪山登山

まず冬の旭岳へのアクセスから。入山口となる「旭岳ロープウェイ山麓駅」は、忠別ダムから道道1160号線(旭川旭岳温泉線)を約15km走った、旭岳温泉に位置しています。
標高は約1,100m。そのため雪に覆われた山道が心配になるところですが、私が行った際(2月中旬)はきれいに除雪されており、スタッドレスタイヤを履いていれば問題なく走行できました。
旭岳 雪山登山
また準備についてですが、持参したのは雪山登山用の靴や、防水防寒対策としてのウェア・手袋・ゲイター、そしてスノーシュー(またはワカン)になります。

冬の旭岳へ訪れる場合、雪原を歩くことになるため、踏み抜きを防ぐ対策が必須です。持参していない場合、レンタル付きのスノーシューツアーを予約するのが良いでしょう。

2. たどり着いたらすでに絶景!早速、ロープウェイへ乗車

旭岳 雪山登山
旭岳にはライブカメラが設置されており、天候をタイムリーにチェックできます。私が訪れた日は、午前中は曇りだったのですが、お昼に近づくにつれて青空が顔を覗かせていました。
参考:大雪山旭岳ロープウェイ(ライブカメラ)

そんな絶好のタイミングに合わせて「旭岳ロープウェイ山麓駅」へたどり着いたところ、すでに絶景が!
パステル色の空と、雪山のコントラストに見惚れてしまいました。
旭岳 雪山登山
それでは早速、ロープウェイに乗り込みます。周囲には、登山のお客さん以外に、スノーボーダーやスキーヤーがたくさんいらっしゃいました。冬の旭岳は、ウインタースポーツの聖地ですね。

その様子を物語る一枚を撮影!縦横無尽に滑っている軌跡を見ていると、なんだか自分も山スキーを始めたくなってしまいます。

3. 姿見駅を降りたら、360度の大雪原を歩く

旭岳 雪山登山
ロープウェイに乗車して約10分、「旭岳ロープウェイ姿見駅」で下車すると、そこはもう別天地。360度の大雪原が広がり、眼前には真っ白に染まった「旭岳」がそびえ立っています。

この白と青で構成される、果てしなく美しい絶景を目に収めることを目的に、今回北海道を訪れたので、感無量な瞬間でした。本州だと標高3,000m級の山に匹敵する、厳しい自然の姿です。
旭岳 雪山登山
雪がない時期には、旭岳周辺はいくつかの池沼を周遊するハイキングコースが整備されていますが、冬になると一面が雪原。

そのためコースが定められていません。文字通り、自分の好きなように歩くことができますよ。ふかふかな雪の上に、自分だけの踏み跡(トレース)を作る。これも雪山登山の醍醐味と言えますね。
旭岳 雪山登山
なお厳冬期の旭岳への登頂は可能ですが、圧雪がないことが多く、ロープウェイの運行時間も限られるので、上級者向けになります。

そのため旭岳をスノートレッキングするときは、正面の噴気孔を目指すのがオススメ。片道約30分の行程です。

4. 冬季限定のハイキングスポット「噴気孔」へ

旭岳 雪山登山
ようやく噴気孔へたどり着きました。ここからめまぐるしく山の表情が変わっていきます。もくもくと噴出するガスが、山体を覆い、あたりは真っ白に。

ゴォーーーという音とともに、まるで山が呼吸をしているかのような、壮大な光景です。
旭岳 雪山登山
かと思えば、青空が顔を覗かせ、噴煙とのコントラストを見せてくれます。ここでしか見られない別天地の風景。その迫力に酔いしれました。

実は旭岳の噴気孔に近寄れるのは、雪が積もった冬だけ。夏場は高山植物を守るため立ち入りが規制されているのです。
旭岳 雪山登山
麓の旭岳温泉も、この旭岳の火山活動によるもの。自然の営みも人の暮らしも全てつながっていると思うとなんだか感慨深いですね。

鼻腔を満たす硫黄の香りとともに、北海道の母なる山から、なんだかパワーをもらえた気がします。

5. 表情を変えていく「旭岳」に見惚れる

旭岳 雪山登山今回のトレッキングを経て、「旭岳」は本当に表情豊かだということも、再び実感することができました。
噴気孔から出ている噴煙が、山体を覆い隠したり、再び姿が見えたり、ものの数分で景色を変えていきます。偶然にも、シュカブラ(雪面にできる波模様)と山頂がコラボレーションする一枚を撮影できました。
旭岳 雪山登山
一時期は全く山体が見えなかったものの、風向きが変わって噴煙が流れると、山頂がくっきり。白色の風景が壮大なスケールで展開する旭岳には、ドラマチックなモノトーンが似合いますね!
旭岳 雪山登山
かと思えば、帰りにはご覧の通り、分厚い雲に包まれました。まさに”神々が遊ぶ庭”と名付けられた大雪山の世界観を表しているようです。

2時間ほどの山行でしたが、冬にしか味わえない北海道・最高峰の自然を満喫することができました。

最後に、冬の「旭岳」ですが、スノーシューやワカン、雪山登山の装備さえあれば、初心者の方でも挑戦可能です。東川エコツーリズム推進協議会をはじめとして、噴気孔ツアーも開催されているので、ぜひ雪山の経験がない方もチェックしてみてください。

旭岳

住所
北海道上川郡東川町ノカナン
HP
http://asahidake.hokkaido.jp/ja/
備考
コースタイム:旭岳ロープウェイ姿見駅→(約30分)→噴気孔
備考:冬季の登頂難易度は格段に上がります。冬に登る場合、噴気孔までがオススメです。
参考:冬の大雪山旭岳 https://www.potato.ne.jp/wakasaresort/white/

日本深掘りサイクリスト・フォトグラファー 土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。 四季折々の日本を五感で捉え、発信しています。

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