北海道の流氷観光ガイド|流氷が見られる時期・場所・アクティビティ解説
- 網走・北見・知床
- 最終更新日:2024年11月28日
今回は北海道で流氷が見られる時期や場所のほか、流氷を楽しめるアクティビティ・ツアーなど流氷情報をまるごとご紹介します。北海道の一部エリア・期間にしか見られない冬の神秘「流氷」をあなたもぜひ目の当たりにしてみてください。
もくじ
流氷とは
北海道で見られる流氷は、オホーツク海の北、ロシアのマガダンやオホーツク周辺のシベリアの海岸で生まれます*。
流氷が生まれる海岸では寒い北風によって次々と海氷が発生、凍って大きくなったり、溶けて小さくなったりを繰り返しながら、東カラフト海流にのって南下してくるのです。
約1800㎞の長旅を経て流れ着いた北海道・オホーツク沿岸は、北半球において流氷が見られる南限となります。
*参考:北海道立オホーツク流氷科学センターの概要
流氷が見られる時期
北海道で流氷が観測される「流氷初日」を迎えるのは、例年1月中旬ごろ。
沿岸に接岸する「接岸初日」は1月の終わりから2月の始めごろです。
沖に流れていくか溶けてしまう、地元では『海明け』と呼ばれる「流氷終日」は3月の始めから中ごろ。
つまり1月後半から3月はじめまでが流氷観光の最盛期です。
2024年、網走では接岸初日が1月22日、流氷終日が4月2日で、比較的長く流氷を楽しめました。
流氷観光・ツアー
おーろら号(網走市)
羽田空港や新千歳・札幌丘珠空港から数多く就航する「女満別(めまんべつ)空港」。ここからバスで約40分の距離にある網走(あばしり)市の『道の駅 流氷街道網走』から、流氷観光船「おーろら号」が運行されています。流氷の広がるオホーツク海の向こうに、真っ白に色づいた知床連山を望む雄大な道東ならではの姿が堪能できます。
従来の大型船だけではなく、2023年からは新たに小型船での運行も開始。海面に近い視点で流氷を楽しむことも選べるようになりました。
1月20日から3月末まで、通常は1日全4便の出航ですが、2、3月は増便して対応しています。
- 住所
- 北海道網走市南3条東4丁目5の1
ガリンコ号(紋別市)
羽田空港から毎日「オホーツク紋別(もんべつ)空港」へ定期便が就航する紋別市。
空港から無料送迎バスで約8分の『海洋交流館』から発着する「ガリンコ号」の特徴は、何といっても流氷を砕いて前進するための大きなドリルのある船体です。砕かれた流氷が船体の横から浮き上がってくる様子は迫力満点。紋別の「ガリンコ号」だけの特徴です。
1月17日から3月末まで、通常は1日4便の出航。1月下旬から3月上旬までは増便も行われ、さらに早朝・夕暮れにあわせた特別運行も予定されています。
- 住所
- 北海道紋別市海洋公園1
流氷バードウォッチング(羅臼町)
知床の東側、羅臼(らうす)町にも、知床半島を周りこんで流氷が流れ着きます。
羅臼の流氷原では、絶滅危惧種のオジロワシや、日本ででいち日本でいちばん大きなワシと言われるオオワシの群れが見られ、写真におさめようと、世界からも多くの愛好家が訪れます。氷の海にたくさんの鳥たちが飛び交う様は圧巻です。
羅臼町へのアクセスは、冬季国道334号(知床横断道路)が通行止めになりますので、中標津(なかしべつ)町の「根室中標津空港」がいちばん最寄りの空港となります。
- 住所
- 北海道目梨郡羅臼町富士見町1−7
流氷ウォーク(斜里町)
https://hokkaido-labo.com/area/doutou
流氷で覆い尽くされた海面。その流氷の上を歩き、ときには海の中に入ってしまおうというアクティビティを楽しめます。
場所は知床の西側・斜里町ウトロ地区。氷の世界でも暖かく、そして濡れないドライスーツを着てガイド同伴で歩きますので安全性も問題なし。筆者である私も体験しましたが、海の中に肩まで入り、数センチ目の前には流氷が浮かびます。自然と笑顔になりますよ。
基本的に数人のツアーで実施されるので、おひとりさまでも問題なし。
- 住所
- 北海道斜里郡斜里町ウトロ
プユニ岬(斜里町)
斜里町の定める「知床八景」のうちのひとつ。ウトロから国道334号線で知床自然センターに向かう途中の坂にあり、夕日の沈む絶景がみられる名所として有名な場所です。この高台から見る流氷は、海面を覆う日も、筋のように流れる姿もたいへん美しく見られます。
- 住所
- 北海道斜里郡斜里町遠音別村
JR北浜駅(網走市)
網走から釧路に向けて走る釧網本線(釧網本線)の駅。駅には展望台が設置されていて、右を向けば知床連山、左を向けば次に説明する、能取岬を見ながら流氷を眺めることができます。
この駅にも停車する観光列車『流氷物語号』が2025年も2月1日から3月9日まで(運行日は要確認)網走から知床斜里駅間を2往復するので、車窓からの流氷もおすすめです。
- 住所
- 北海道網走市北浜
- 備考
- 関連リンク:流氷物語号|JR北海道
能取岬(網走市)
能取岬(のとろみさき)は網走市街から車で約15分ほどの場所にある、オホーツク海に突き出た岬で、自動車(トヨタプリウス)のテレビCMや、各種テレビドラマのロケ地としても有名です。網走市で最も早く流氷を見ることができる場所で、ここから見るオホーツク海を埋め尽くす流氷の姿は、さえぎる物もなく圧巻です。
- 住所
- 北海道網走市美岬
オホーツク流氷館(網走市)
オホーツク流氷館は、網走のまちを見下ろすことができる標高207メートルの天都山(てんとざん)の山頂にあります。展望台からは流氷の迫るオホーツク海を望むことができ、その景色は国の文化財「名勝」にも指定され『天の都にいるような心地にさせるほど美しい』と称えられる場所なのです。流氷が接岸していない日でも、ここからなら沖に浮かぶ流氷が見られるかも!館内では「流氷の天使・クリオネ」も飼育展示されており、流氷を知るには外せないスポットとなっています。
- 住所
- 北海道網走市天都山244−3
フレトイ海岸(小清水町)
網走市から国道334号線で斜里方向に向かう途中、道の駅「はなやか(葉菜野花)小清水」の裏手に見えるフレトイ展望台から下った場所にある海岸をご紹介します。ここは『実際に流れ着いた流氷に触れて体感できる』数少ない場所のひとつ。流氷の神秘さを間近に見て・触れて・楽しむことができます。足元は砂浜ですので、長靴がおすすめです。
- 住所
- 北海道斜里郡小清水町浜小清水
オホーツクタワー(紋別市)
ガリンコ号の発着場すぐにあるこちらは、日本最大級の「海中展望塔」です。海岸まで流氷が押し寄せているときは、海の下から流氷を見ることができる希少スポット。オホーツク海の魚たちも展示されていて、ガリンコ号乗船の前後どちらでも楽しむことができます。
- 住所
- 北海道紋別市海洋公園1
流氷岬(紋別市)
紋別市街地から国道239号線を、稚内方面に車を走らせること約10分。渚滑(しょこつ)という地域にある「オムサロ原生花園」の一角にあります。ここでは流氷に直接触れることができ、訪れる人も少なく静かな環境が魅力です。流氷を独り占めしたい方におすすめのスポットです。
- 住所
- 北海道紋別市渚滑町川向86
羅臼国後展望塔(羅臼町)
羅臼市街地を一望できる、海抜167メートルの場所にある展望スポット。望遠鏡も設置されていて、根室海峡に流入した流氷と、間近に広がる国後島の景色を楽しむことができます。日の出の名所としても有名なので、羅臼に宿泊される方は、ぜひ訪れたい場所です。
- 住所
- 北海道目梨郡羅臼町礼文町32−1
第二しべつ展望パーキング(標津町)
今回ご紹介する、いちばんの穴場スポットがこちらです。国道244号線から野付半島へと分岐する道道950号線沿いにあるこちらのパーキング。根室海峡まで流氷が流入した際のみとなりますが、こちらも砂浜に打ち上げられた流氷に触れることができます。国後島と知床連山を背景にした流氷の姿をいちどに見ることができるという、贅沢スポットです!
- 住所
- 北海道標津郡標津町茶志骨
リアルな流氷情報が分かるサイト
流氷は、風向きや海の波によって押し寄せたり引いたりを繰り返しており、シーズン中なら毎日確実に見られるとは限りません。
「昨日までびっしり押し寄せていたのに、今朝になったら遠くに離れてる!」、「朝は遠くに離れていたけど、午後からは海岸に押し寄せている」といったように、見られるか見られないかはその日・その時の海・風次第。
しかし、流氷がどこにあるか、どのような動きをしているかという情報を得て「見られる確率」を高めるということは可能です。
以下では、北海道の流氷情報収集に有益なサイト・SNSをご紹介します。
・第一管区海上保安本部 海氷情報センター https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/1center.html
毎日更新もされ、氷の密度まで表示されます。こちらの情報と、前日夕方の気象情報で風向きを知れば、おおよその予想は立てられるでしょう。
他には、現地の方がリアルタイムに情報発信をしてくれています。
・「流氷なび」X(旧Twitter)では、主に網走・斜里方面の情報
https://twitter.com/ryuhyonavi
・「流氷なう」X(旧Twitter)では、主に紋別方面の情報を提供してくださっています。
https://twitter.com/ryuhyonow
おわりに
以上、北海道の流氷にまつわる情報やおすすめ等、ご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
十分に学習をすれば、あとは行ってみるだけ!
ぜひあなたの目で、耳で!流氷を感じて、楽しんでみてくださいね。
流氷は気が付けば去ってしまうもの、行きたいと思った時が行きドキですよ♪
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