トムラウシ温泉東大雪荘宿泊体験記|東大雪の最奥、秘境に佇む一軒宿で翡翠色の温泉に癒される
- 富良野・美瑛・トマム
- 最終更新日:2022年7月21日
東大雪(ひがしたいせつ)エリアの主峰・トムラウシ山(標高2141m)の麓に存在する「トムラウシ温泉東大雪荘」もその一つ。新得町の中心部から約60km、トムラウシ川源流を遡って到着する、まさに秘境の温泉宿です。
まだ雪に閉ざされた4月下旬。隔絶した自然の中でたっぷりと癒されてきたので、その様子をレポートしたいと思います。
もくじ
1.東大雪の秘境トムラウシへ。秘湯を目指して絶景ドライブ
「トムラウシ温泉東大雪荘」があるのは、道道718号線(忠別清水線)の終点。宿のある東大雪トムラウシエリアは国内最後の秘境とも称され、宿の手前50㎞の区間には商店もガソリンスタンドもありません。
アプローチするだけでもなかなか大変ですが、その道中には息を呑む素晴らしい風景が待っていました。十勝岳連峰やトムラウシ山(標高2141m)をはじめとして、石狩岳(標高1967m)やニペソツ山(標高2013m)など、大雪山国立公園の山並みです。
トムラウシ温泉東大雪荘まで残り7.5kmほどの地点からダートへ変わります。道幅が少し狭くなり、カーブ多くなるので対向車に注意が必要です。
「本当にこの先に温泉があるのか?」大きな期待と小さな不安が相まった妙な高揚感を感じながら、車を走らせました。
2.こんな山奥に?まるで秘境にあるホテルの風格
到着した時には、「トムラウシ温泉東大雪荘」のスケールに驚きました。もっと鄙びた佇まいを想像していましたが、秘境にあるとは思えない4階建ての立派な建物です。
館内にはエレベーターも完備しており、近年ようやくWi-Fiも通じたのだとか!
これほどの秘境で設備が充実した宿泊施設は、全国的にも極めて珍しいと思います。
筆者が訪れたのは4月下旬。トムラウシ山の登山適期(6月〜10月)から外れていたため、日帰りのお客さんは少なく、お宿は落ち着いた雰囲気でした。
チェックイン後、案内していただいたのは、山荘らしい木のぬくもり溢れる13畳の和室。全室に綺麗なトイレと洗面所が設けられ、山奥にあるため暖房もしっかりと備え付けられています。
蛇口からトムラウシの湧き水が出てきたことには驚きました!不便さも全く感じず、思わず連泊したくなるほどの快適さです。和室以外にも、洋室や特別室なども選択できます。
3.表情変化も趣深い。のんびりと癒される源泉大浴場
「トムラウシ温泉東大雪荘」のお風呂の特徴は、まるでプールのような広々とした大浴場。約8mと天井が高く、自然光がたっぷりと入る開放的な作りとなっています。
お湯の泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。自然湧出する98度の源泉を、泉質が損なわれないように冷却・加水して供給されています。掛け流し方式で、常にこんこんと湧き出ていますよ。
メタケイ酸を豊富に含んでいるため、お湯は透き通った青色をしています。宝石のような綺麗な翡翠色です。
そんな美しいお湯は、体を芯から温めてくれ、つるつる美肌効果があります。体に染み入っていき、まるで化粧水のような繊細な肌触り。
温泉は、お昼12時から翌朝9時まで浸かることができるので、滞在中筆者は事あるごとに温泉に足を運び、合計5時間ほどのんびりと温泉を楽しむことができました。
日中、緑が映り込んだり、夜には小さなあかりが灯るなど、時間帯によって変わる表情変化にも癒されますよ。
4.隔絶した自然の中で、翡翠色の露天風呂に浸かる
加えてトムラウシ川源流を覗き込むロケーションの、野趣ある露天風呂もたっぷりと満喫できました。
渓流の流れる音や、鳥のさえずりに耳を傾けながら、ただぼーっとお湯に浸かる時間は、至福のひととき。都会の暮らしでは、なかなか手に入れられない贅沢です。
露天風呂の方が、陽の光をそのまま透過します。水面の揺らぎとともに変化するお湯の色合いにひたすら見入ってしまいました。
そんな露天風呂で、特に素晴らしかったのが、朝の時間帯です。
まだ雪に閉ざされた、4月の北海道の秘境。ピリッと張り詰めた寒さの中、明けゆく空を眺めながら入る温泉の気持ち良さは格別でした。
そして、温泉から日の出を眺めることもできました!こんな感動的なシーンに出会ったら、今日1日が良い日になる予感しかしませんね。
GW前まで慌ただしく仕事を頑張ってきた自分へのご褒美です。
5.秘境でご馳走をいただくという贅沢
温泉が醍醐味ではありますが、トムラウシ温泉東大雪荘は食事もとても充実しています。閉ざされた秘境で提供されるとは思えない、豪華な夕食です。
目玉は「関谷牧場産ジャージー牛すき焼き」。実はトムラウシでは知る人ぞ知るブランド牛「トムラウシ☆ジャージー牛」が育てられているのです。赤みが濃く、滋味深い味わいが特徴で、牛肉のうま味はしっかりしつつ、すき焼きでもあっさりといただけます。
また山奥でありながら、新鮮なお刺身も出してくださり、山海の幸が詰まっています。温かいおもてなしが嬉しいです。
朝食はビュッフェスタイル。和洋折衷のメニューが30種類以上も揃っており、たっぷりと活力をいただきました。朝からカツレツが食べられるなんて…!!
秘境での時間を楽しみながら、たっぷりと温泉に浸かり、豪華な食事もいただく。これほど充実していながら1泊1人11,000円という、コストパフォーマンスの高さにも感激です。
6.オリジナルマップでトムラウシ散策!
最後に紹介したいのは「トムラウシ温泉東大雪荘」のオリジナルマップです。館内でいただける手書きのマップには、トムラウシの情報が網羅されています。
例えば、水芭蕉の群生地や、大雪の山々が見られる展望ポイント、知る人ぞ知る秘境の滝など。チェックアウト後、マップを片手に秘境散策を楽しむことができますよ。
トムラウシの自然の豊かさと深さを感じた今回の宿泊。また筆者も季節を変えて再訪したいと思います。
- 住所
- 北海道上川郡新得町屈足トムラウシ
- TEL
- 0156-65-3021
- イン/アウト
- 15:00/10:00
- 備考
- 日帰り入浴は、お昼12:00~20:00(最終受付19:00)。中学生以上700円 小学生250円
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日本深掘りサイクリスト・フォトグラファー 土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。 四季折々の日本を五感で捉え、発信しています。
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