北海道鉄道技術館は月2回限定で無料開放!鉄道ファンから子連れまで楽しめる!
- 札幌・定山渓
- 最終更新日:2021年3月11日
かつて北海道を駆け抜けたリゾート列車やジオラマ模型、国鉄時代からの歴史的資料などが展示されています。専門的な資料が多くどちらかというと鉄道ファン向けの施設ですが、運転体験コーナーもあり、お子さんも楽しめるようになっています。
※2021年2月13日現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、運転台やジオラマ運転模型などの利用は中止されています
もくじ
北海道鉄道技術館とは?
1987年に国鉄が民営化し、JR北海道が発足した際に、北海道鉄道技術館は北海道の鉄道の歴史や文化を残すために設立されました。1910年に建築された レンガ造りの用品倉庫で、現存する工場最古の建物の内部を活用しています。
今も実際に稼働している苗穂工場の敷地内に鉄道技術館があり、第2・第4土曜日の13:30~16:00限定で公開されています。
北海道鉄道技術館までのアクセス
電車を利用する場合、JR苗穂駅北口から徒歩15分ほどの距離です。JR苗穂駅北口のロータリーを出て、商業施設「アリオ札幌」が向かいにある道を右に向かってまっすぐ進めば、右手に苗穂工場が見えてきます。苗穂工場は敷地が広いので、歩いていれば簡単に気づきますよ。
2021年3月4日以降は、JR苗穂駅北口のロータリーに、駅とアリオ札幌をつなぐ「空中歩廊」ができます。空中歩廊を利用すれば、天候の悪い日でも、駅からロータリー外の道路に出るまで雨風をしのげます。
苗穂工場内へ入るには、まず正面の警備室で名前などを記帳し、受付の手続きを行います。
警備室で手続きを済ませれば、いよいよ苗穂工場内に入れます。
正門から北海道鉄道技術館まで少し離れており、辿り着くまで苗穂工場内の様子を見学できます。 工場の操業日と技術館の公開日が重なった場合にはフォークリフト の往来もあり、間近から見られるので鉄道ファンにとってはたまらないですね。
北海道の鉄道を学んで楽しむ
●かつて多くの客を運んだ鉄道車両
苗穂工場内を歩いていくと、ついに北海道鉄道技術館に到着。さっそく中へ入ります。
館内へ入ると、まず施設中央、入口から左手に見えるのが、北海道初の特急気動車「おおぞら」です。ベージュ×あずきのこれぞ国鉄色のボディ、懐かしく感じる方も多いのではないでしょうか。
1961年に函館~旭川間で運行 を開始したおおぞらは、先頭部が 展示されています。実際に間近で見てみるとかなり大きく、写真だけでは伝わらないような圧倒的な雰囲気を感じますよ。
さらにおおぞらには、当時の「キハ82」の運転席を体験できるコーナーまで設けられています。※
おおぞらはその後、振り子式が導入されるなど車両の改良が重ねられ、現在は283系および261系が札幌~釧路間で運行しています。
※2021年2月13日現在、新型コロナウイルス感染防止のため利用停止中です
おおぞらの向かいに展示されているのが、リゾート列車「アルファコンチネンタルエクスプレス」。
1985年の国鉄末期時代に、「スキーリゾート客向けに鉄道車両をつくってほしい」とのホテルの要望から、苗穂工場内で開発・改造 された車両です。前面展望の広さや豪華な座席が特徴で、「アルコン」という名称で愛され、札幌~トマム~新得間などを運行しました 。
こちらもおおぞらと同様、運転席を体験できるようになっています。※
※2021年2月13日現在、新型コロナウイルス感染防止のため利用停止中です
北海道技術館の屋外 に展示されているのが「C62 3号機」。 1956年から 函館本線(通称「山線」と呼ばれる長万部~小樽) で活躍した 蒸気機関車であり、 「SLの女王」 として親しまれていました。
C62 3号機は急行「アカシア」や「まりも」などをけん引していましたが、1971年9月に一度幕を下ろします。
しかし、鉄道ファンの熱い要望があり、1988年4月に 小樽―ニセコ間で「C62ニセコ」 として復帰。その後、SLファンを大いに楽しませ、 1995年11月に運転終了してから静態保存されています。
C62 3号機は、おおむね5月~11月の夏季で展示されています。間近から見てみると、広大な北海道を駆け抜けてきたそのパワーに心を打たれるでしょう。
その他に、苗穂工場で新製された蒸気機関車「D51 237」と鉄道省初のガソリン動車「キハニ5005」も静態保存されています。
子どもから大人まで楽しめる「ジオラマ模型」
北海道鉄道技術館には鉄道のパノラマ模型が展示されており、子どもから大人まで楽しめるようになっています。
こちらの展示コーナーはHOゲージ「振子(ふりこ)でトライ」です。なんと社員さんが手作りしたのだそう。
「ゲージ」とはレール幅の事で、HOゲージは16.5mm、のちほど紹介するNゲージは9mmです。日本国内ではNゲージの鉄道模型が広く普及しているので、このHOゲージの鉄道模型はそのサイズの大きさから、リアルに鉄道車両を楽しめます。
振子でトライの醍醐味は、なんと実際に鉄道模型で運転できることです。
模型車両の前頭部 に小型カメラが付いており、実際の283系気動車の運転台を採用した運転席の前方画面を見ながら、ワンハンドル操作で 走らせたり、ブレーキをかけたりできます。ジオラマは、札幌から函館方面への風景イメージで製作されており、新千歳空港・噴火湾・駒ヶ岳・大沼公園・函館山などの景色を望みながら、 自分の運転で北海道を駆け抜けられるのは子どもにとってたまらないでしょう。
※2021年2月13日現在、新型コロナウイルス感染防止のため利用停止中です
こちらは、「Nゲージジオラマ模型」です。
展示コーナーの前には子ども用の足場もついていて、ジオラマ模型をより近くから見られるようになっています。
車両の仕組みがわかる 「カットモデル」
また館内には、鉄道車両に使用されているエンジンが展示されています。
こちらの写真の装置は「変速機」と呼ばれるもので、車輪の回転速度を変化させるためのものです。エンジンからの動力を利用して速度を出すための装置で、鉄道の重要な役割を担っています。
より内部の仕組みを理解できるように、エンジンがカットされた「エンジンカットモデル」が展示されています。実物大のエンジンから各種の装置 まであり、エンジン内部の細かな部品を見られるようになっているのです。
また、エンジンカットモデルの展示コーナーには、実際に車輪 を動かせる「気動車運転コーナー」が設けられています。
実物の 運転席でハンドル を操作することで車輪の回転やブレーキなどの運転手順を体験できるようになっており、子どもにとってワクワクすること間違いなしです。
※2021年2月13日現在、新型コロナウイルス感染防止のため利用停止中です
北海道鉄道の歴史が詰まった2階「展示コーナー」
北海道鉄道技術館は2階建てになっており、上階は展示コーナーとなっています。苗穂工場や蒸気機関車などの歴史的資料や、かつて使用されていた銘板などが展示されています。
蒸気機関車 「C62 30」で実際に使用された銘板も保存されており、かなり価値の高いものです。鉄道ファンにとって、興奮すること間違いないでしょう。
ほかにも、当時実際に使用されていた制服やタイムレコーダー、タブレット閉そく器(鉄道同士の衝突を防ぐ保安 システム)などが展示されており、北海道鉄道史の変遷を垣間見ることができます。
なお、2階は所々天井が低くなっており、展示物に夢中になっていると頭がぶつかってしまうことも。特に身長の高い方は、注意してくださいね。
まとめ
北海道鉄道技術館は、鉄道好きの方だけでなく、子ども連れの方にもぴったりな場所です。実際に、多くの子ども連れのご家族が来館されていました。
JR苗穂駅から近い ので、ぜひお休みを利用して来館してみてはいかがでしょうか。
※新型コロナウイルス感染防止のため、開館状況は変わる可能性があります。詳しくは公式HPからご確認いただくか、直接電話でお問い合わせください。
<北海道鉄道技術館の基本情報>
住所:札幌市東区北5条東13丁目(JR北海道苗穂工場内)
開館日時:毎月第2・第4土曜日 13:30~16:00
入館料:無料
電話:011-721-6624
HP:http://www.jrh-zaidan.or.jp/business/page01.html
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