ジュエリーアイス・氷の芸術品を求めて│十勝・豊頃町
- 十勝・日高
- 最終更新日:2019年2月27日
「ジュエリーアイス」が今、冬の北海道で熱いブームになりつつあります。
ジュエリーアイスは、凍った川の水が海に流れ、それが岸に打ち上げられたもの。
これまで写真家の間などでひそかに知られていましたが、徐々に知名度が上がり、現在は町をあげてプロモーションを行うなど、北海道観光の新しい注目スポットになっています。
今回はこの神秘的なジュエリーアイスについて、時期や見に行く際の注意などをまとめました。
実際に見に行ってみたい!という方の参考になれば幸いです。
もくじ
1.ジュエリーアイスとは?
十勝の広い大地を流れる十勝川。その十勝川が冬になると凍結し、氷が太平洋へ流れ出します。
海に流れ出した氷は、波で岸へ打ち上げられます。
氷は打ち上げられる前に波にもまれるため、角が取れて宝石のように丸くなります。
その氷の美しさから「ジュエリーアイス」と呼ばれるようになり、道内はもちろん国内、世界にもその名を知られるようになりました。
昨年は推計で延べ2000人もの人(※)がジュエリーアイスを見るために町を訪れたそうです。
(※…豊頃町役場企画課より)
オホーツク地方で見られる流氷と違い、氷が透明なこともジュエリーアイスの特徴です。
朝日や夕日に鮮やかに照らされた姿や、うっすらと雪をかぶった姿など、時間や天候によってさまざまな色に変化する、まさに自然が作り出す芸術です。
1-1.どこで見られるの?
ジュエリーアイスは、豊頃町の大津海岸(おおつかいがん)で見ることができます。
大変珍しい自然現象のため、ここでしか見られないとも言われています。
豊頃町は帯広から車で40分ほどの場所にあります。札幌から行くと、高速道路を利用して3時間40分ほどです。
豊頃町の中心部から大津海岸までは、車でさらに20分ほどで行くことができます。
帯広から直接海岸へ行くなら、1時間ほど時間を見積もっておきましょう。
1-2.いつごろ見られるの?
例年一月中旬から二月下旬、寒さの一番厳しいときにジュエリーアイスは現れます。
凍った川の氷ですので、うんと冷え込む方が大きな塊ができるようです。
豊頃町役場企画課では、2015年から公式サイトで『ジュエリーアイス情報』を発信しています。
十勝川の河口の様子や海岸の様子を写真つきで載せてくれていますので、ここをチェックしてからお出かけすれば、ジュエリーアイスを見られる可能性があがるかもしれません!
【とよころ観光ガイド】http://www.toyokoro.jp/tourism/news/
ちなみに夏はいたって普通の海岸です。
夏から秋にかけて、鮭を釣ることができるそうです。
2.いざ、ジュエリーアイスを見に行こう
2-1.見ごろの時間は?
写真のようなジュエリーアイスを見に行きたいなら、早朝がおすすめです。
日が昇るまでの間に、次々と変化する美しい色に感動することでしょう。
同様に夕方にもシャッターチャンスがたくさんです。
混み合う時間は早朝で、土日は平日よりやや混み合います。昼もさまざまな氷の形を楽しめるとたくさんの人が訪れるそうです。
また、内陸からの冷たい空気が温かい海水とぶつかることで、海が「けあらし(気嵐)」という霧のかかったような状態になることがあります。
そのけあらしの中打ち寄せるジュエリーアイスも、なんとも幻想的なのだそうです。
風景とあわせて素敵な写真を狙いたいですね。
2-2.寒さに注意!どんな服装で行けばいいの?
この時期、この地域の気温はマイナス20度から30度まで冷え込みます。冷凍庫よりも寒いのです。
特に早朝はもっとも気温が下がりますので、「着すぎたかな?」というくらいでちょうどいいかもしれません。
ヒートテックなどの温かなインナーと、セーターや厚手のパーカーなどを重ね着しましょう。
また、広い平野や海からの強い風が吹くと、体感気温はもっと低くなります。
風を通さない生地のジャケットや、耳を覆うことのできるフード付の服装がおすすめです。
カメラでシャッターチャンスを狙う方は、動かずにいると寒さがどんどんしみてきてしまいます。手袋もしっかりしたものを用意して、カイロも準備しておけば安心でしょう。
豊頃町は雪の多い場所ではありませんが、海岸は基本的に除雪が入らないそうです。
波打ち際まで行くのに、雪が積もってしまうと短い靴で歩くのは大変です。
できれば温かな冬用の長靴がベストですが、長めのブーツがあれば安心とのことです。靴用のカイロを貼っておくのもいいと思います。
2-3.トイレやお店はあるの?
海岸付近には商店がなく、一番近いコンビニ(セイコーマート)は20キロ先。
買うものがある方は事前に準備をしておきましょう。
海岸の近くにある休憩所には、簡易トイレが設置されていますので安心です。(紙も用意されています)
他にも、豊頃町役場の近くに24時間営業のトイレがあるそうなので、そちらを先に利用しておくのもいいでしょう。
2-4.海岸までどう行くの?
ジュエリーアイスの見られる大津海岸までは、公共の交通機関がなく、車で移動するほかありません。
付近には誘導の看板もたくさん立っているので、安心です。
海岸近くには駐車場がありますので、そちらに車を停めて、5分ほど歩くと海岸に到着します。
(以前は海岸の近くまで車でいけたそうですが、混雑が予想されるため車両通行止めになりました。)
※駐車場があるエリアは住宅街ですので、近隣住民への配慮をお願いします。
自家用車やレンタカーで向かわれる方は、冬道に気をつけて、安全運転を心がけてくださいね。
【参考記事】
冬の北海道ドライブで注意すべき事、道民が詳しく教えます!
https://hokkaido-labo.com/hokkaido-winter-drive-7066
3.あわせて見に行きたい観光スポット
せっかく豊頃町へ来たなら、他にも町の観光スポットを訪れてみてはいかがでしょうか。
・ハルニレ
町のシンボルにもなっているハルニレの木。さまざまな撮影に使われることもあるという町の観光名所で、推定樹齢は140年ほどだそうです。
冬の早朝には付近を流れる十勝川の川霧をまとい、枝の先まで真っ白な樹氷で覆われた美しい姿を見せてくれます。
町の中心部から、ハルニレハウスという休憩所の駐車場に車を停めて見に行くことができます。
・十勝川河口付近
ジュエリーアイスが見られる海岸の近く、十勝川の河口付近には、凍った川の上にアザラシやオオワシが姿を見せることがあるそうです。
ジュエリーアイスとアザラシ、両方見られたらいいことがありそうですよね。
海岸から歩いていくこともできますので、時間のある方は是非行ってみてください。
おわりに
いかがだったでしょうか。
寒さの厳しい地域だからこそ見られる不思議な氷の宝石。交通は多少不便ですが、それでも十分に見に行く価値のあるものだと思います。
見に行かれる際には、しっかりと防寒対策をしてくださいね。
この時期にしか見られない自然の芸術を、是非その目で確かめてください。
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