日高山脈の麓に広がる「十勝千年の森」。未来へ残したい十勝の自然美を護る庭
- 十勝・日高
- 最終更新日:2024年8月23日
「1000年後の未来へ自然が残るように」という願いが込められている庭では、人の手を加えつつも、ありのままの自然をベースとした、十勝の原風景を感じることができます。
もくじ
1.世界でもっとも美しい庭へ
▲提供:十勝千年の森
十勝千年の森は2008年にグランドオープンし、現在では400haもの広大な敷地に5つのガーデンで構成されています。
世界有数のガーデンデザイナーであるダン・ピアソン氏がデザインを手掛け、英国ガーデン設計コンテスト(SGD Award 2012)では大賞と国際賞を受賞し、審査員からは世界で最も美しい庭と評されるほど。その他にも複数の賞を受賞しています。
入口に入ってすぐのエントランスエリアは期間限定のイベントでたくさんの風鈴が飾られていました。
(2024年度の風鈴の展示は8月末まで)
かつてはクマ笹が生い茂っていた一帯。森の手入れをしたところ、土の中に眠っていた在来の植物たちの姿を見られるようになったそうです。
アースガーデン―日高山脈と丘のある景色―
エントランスに続く森を抜けると大小13の丘からなるアースガーデン。
晴れていれば2024年6月に国立公園に指定された日高山脈を背景に広がる雄大な景色を見られます。
丘のうねりが奥行きを感じさせ、ここに立つと先にある山々と自分自身が繋がっているような感覚になります。
アースガーデンの最奥には、ビュースポットでもある千年の丘があります。
フォレストガーデン―十勝の自然美のなかへ―
アースガーデンをさらに歩いていくとフォレストガーデンに辿り着きます。
フォレストガーデンは自然に近い状態で残されており、北海道の植生を見ることができます。
森のほとんどはミズナラの木。木々に囲まれ、鳥のさえずりや小川の流れる音に癒されます。
メドウガーデン―野草に彩られる散歩道―
アースガーデンからの橋を渡るとメドウガーデンが見えてきます。
木道を囲むように十勝の在来種、気候が似ている北米の植物などが美しく植えられています。
たくさんの種類のお花が咲いていて色ごとに統一されている箇所もとっても綺麗です。
ファームガーデン―自然と人をつなぐ―
メドウガーデンの先にはファームガーデンがあります。
自然との共生のための農の営みをテーマに無農薬野菜が栽培されていたり、広い草原の中ではヤギたちが放牧されています。
人懐こいヤギたちは近くに寄ってきてくれるので思わず撫でてしまいました。
HGSデザイナーズガーデン―自然を活かしたアート―
2012年に「十勝千年の森」で開催された北海道ガーデンショーの作品が見られるHGSデザイナーズガーデン。
元々この地に埋まっていた麦飯石(ばくはんせき)を活かした作品もありました。
2.自然を堪能できるアクティビティ
▲提供:十勝千年の森
「十勝千年の森」ではセクウェイツアーや乗馬体験などのアクティビティも楽しめます。90分間のガイドでコースを走ることができるセグウェイガイドツアーは自然の魅力を五感で感じられるツアーとなっています。歩くだけでは味わえない雄大な景色を走る爽快感を感じられそうです。「十勝千年の森」の公式サイトで予約可能。
▲提供:十勝千年の森
いつもとは違った視点から自然豊かな森の中を堪能できる乗馬体験。季節によって移り変わる十勝の景色を馬と共に感じることができます。こちらの問い合わせ先は「十勝千年の森」ではなく、『森の馬小屋』への問い合わせとなるのでご注意を。
3.カフェ・売店
園内にある緑に囲まれたレンガ造りの「カフェキサラ」。
園内で製造されたチーズ「牛鐘(カウベル)」を使用したチーズバーガーなどの軽食やソフトクリーム、ケーキなどのデザートを味わえます。チーズだけでなく園内で栽培されている季節のお野菜も使用されています。
料金所横の売店では園内で飼育された約70頭のヤギの生乳から製造されたチーズや近隣の牧場から仕入れた牛乳のチーズも販売。
国内のコンテストで金賞や優秀賞を受賞している高い品質のチーズが味わえます。
おすすめの食べ方が書かれたPOPがあり、どなたでも選びやすい工夫がされていました。チーズはオンラインでも購入可能。
売店にはチーズの他にも「十勝千年の森」オリジナル商品やJA清水町の商品も販売されています。
焼き菓子も販売されていたのでお土産として購入するのもおすすめ。
4.十勝千年の森観光Q&A
所要時間はどれくらい?
園内は広いのでどこまで見て回るかで所要時間が大きく変わります。
エントランスから近いアースガーデン、メドウガーデン、ファームガーデンのみ訪れるのであれば所要時間は1時間〜1時間半。
アースガーデン、メドウガーデン、ファームガーデン、フォレストガーデン、 HGSデザイナーズガーデンの5つの庭を全て見るのであれば2時間〜2時間半は必要です。
最奥部にある千年の丘の頂上まで行くのであれば3時間はかかると考えた方が良いでしょう。
エントランスエリアから千年の丘までは片道1500mほどあります。カフェで食事をしたり、売店でゆっくり商品を見たい場合はもう少し時間に余裕を持つ方が安心です。
また虫除け対策は必須なので忘れずに対策しましょう。
入園料金
「十勝千年の森」の入園料は以下の通り。
一般・大人(高校生以上) | 1,200円 |
小中学生 | 600円 |
小学生未満 | 無料 |
障がい者手帳をお持ちの方 | 1,000円 小中学生500円 |
団体(15名以上) | 1,000円 小中学生500円 |
年間パスポート | 2,000円 |
「十勝千年の森」を含む十勝にある5つのガーデン(真鍋庭園、十勝ヒルズ、柴竹ガーデン、六花の森)に3カ所以上訪れる予定がある場合は、「とかち花めぐり共通券」の購入をおすすめします。
好きな箇所3カ所に訪れることができる「3施設入場券」は2,000円。5カ所全てを訪れることができる「5施設入場券」は3,300円です。
有効期限があるのでスケジュールと合わせながら購入を検討すると良いでしょう。
とかち花めぐり共通券は各ガーデンのほか、とかち観光情報センター(帯広駅エスタ東館2F)や帯広市内および十勝川温泉エリアの一部宿泊施設、まりもハイヤーで販売しています。
おわりに
今まで何度か訪れたことのある「十勝千年の森」ですが、季節や天気、その日によって違う光景に出会えるので何度来ても飽きません。
日高山脈の麓に広がる広大な庭は受賞歴のある庭は美しいだけでなく、大地とのつながりを感じられます。
「十勝千年の森」に訪れて北海道を全身で体感してみてはいかがでしょうか。
- 住所
- 北海道清水町羽帯南10線
- TEL
- 0156-63-3000
- 営業時間
- 9:00~17:00、ただし開園―6月は9:30~、9月―閉園は~16:00
いずれの期間も最終入園は閉園30分前
また10中旬~4月中旬は閉園
北海道在住フォトグラファー 平栗玲香
1990年生まれ、北海道帯広市出身のフリーランスフォトグラファーです。北海道観光マスター検定、十勝観光文化検定上級、フォトマスター検定準1級、生物分類技能検定3級取得。9年間東京でフォトグラファーをしていましたが、2023年に帯広に拠点を移しました。趣味はツーリング、ドライブ、キャンプなど北海道の魅力が一人でも多くの人に伝わることを目標に記事を書いています。
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