【宿泊体験記】支笏湖ブルーとともにお湯に浸かる。大正開湯の秘湯「丸駒温泉旅館」へ泊まってきました
- 千歳・支笏湖・夕張
- 最終更新日:2022年8月18日
まさに、”支笏湖とともにお湯に浸かる”。そんな憧れていた体験ができたので、その様子をレポートしたいと思います。
素晴らしい源泉掛け流しの温泉に加えて、老舗旅館らしい温かい接客や、雄大な支笏湖の風景も強く印象に残りました。
もくじ
1.新千歳空港からすぐ。雄大な自然が広がる「支笏洞爺国立公園」
2.大正4年から守り抜かれる。湖畔に佇む秘湯「丸駒温泉旅館」
3.レイクビューの「湖水側客室」。秘湯らしい静かな時間を過ごす
4.まるで絵画の中みたい。支笏湖ブルーを横目に「展望露天風呂」に浸かる
1.新千歳空港からすぐ。雄大な自然が広がる「支笏洞爺国立公園」
北海道の南西部に位置し、支笏湖・洞爺湖という二つのカルデラ湖を擁する「支笏洞爺国立公園」。新千歳空港や苫小牧港など、北海道の玄関口から車ですぐアクセスできる手軽さながら、雄大な自然を楽しめる人気のエリアです。
支笏湖温泉が湧くリゾート地であるほか、樽前山(たるまえさん、標高1041m)をはじめとして北海道の登山のメッカという顔も持っています。
2.大正4年から守り抜かれる。湖畔に佇む秘湯「丸駒温泉旅館」
「丸駒温泉旅館」は、そんな支笏湖北西の畔にたたずむ一軒宿。支笏湖の外周に沿っている国道453号線を分岐し、道道730号線の終点に位置しています。
大正4年ごろに開湯・開業されましたが、陸路がつながるまでは船でしかアクセスできない秘湯でした。王子製紙水力発電施設を築く工事の際に発見されてから、今日に至るまで立派な旅館として受け継がれています。
「丸駒温泉旅館」は多くの温泉を有する北海道で7軒しかない”日本秘湯を守る会”の会員宿です。
雄大な支笏湖に抱かれるようなロケーションと、湖と一体化する足元湧出の温泉を求めて、全国から多くの温泉ファンが足を運びます。
3.レイクビューの「湖水側客室」。秘湯らしい静かな時間を過ごす
今回宿泊したのは、湖水側和室です。山手側の方が少しリーズナブルに設定されていますが、せっかくなら湖水側がオススメ!
お部屋の窓から、支笏湖の真っ青なレイクビューが広がります。美しい自然景観を楽しめるのは、秘湯を訪れる魅力の一つではないでしょうか。
老舗旅館らしい伝統的な和室ながら、年季を感じさせず、とても綺麗に保たれているお部屋だったのが印象的でした。全室トイレも備え付けられており、秘湯といっても不便さは全くありません。
一軒宿ということもあり、宿の周りはとても静か。隣のお部屋の物音も聞こえないので、お部屋ではゆったり過ごすことができました。
4.まるで絵画の中みたい。支笏湖ブルーを横目に「展望露天風呂」に浸かる
待ちに待った温泉へ向かうと、期待以上の絶景が待っていました。
それが、こちらの展望露天風呂です。目線を上げると、まるで海のように錯覚する雄大な支笏湖。支笏湖カルデラの最高峰に当たる風不死岳(ふっぷしだけ、標高1102m)が雄大にそびえています。
泉質は少し長いですが、ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉。わずかな濁りと、トロっとした肌触りが特徴です。美しい支笏湖ブルーを横目に、塩泉の香りも楽しみつつ、心ゆくまで展望露天風呂に入っていました。
個人的には、内湯もとても良かったです!低温・中温・高温と、温度ごとに浴槽が異なるので、どの温度帯が好きな方でも気持ちよく入れると思います。
身体を芯から温めてくれる高温にサッと入った後、ジワリと包み込むような低温にゆったりと浸かっていました。また、ガラス越しに支笏湖ブルーを眺められる点も、推しポイントです。
5.支笏湖と一緒に水位が変化!「天然露天風呂」は足元湧出の珍しい温泉
丸駒温泉の顔と言えるのが、野趣溢れる天然露天風呂。支笏湖にへばりつくように佇み、岩と木を駆使して作られた浴槽は、開湯当初の趣を色濃く残しています。
そんな天然露天風呂の特徴は、全国的にも珍しい足元湧出という点。底に敷き詰められた小石の間から、ポコポコとお湯が湧き出しています。
そしてなんとも面白いのは、この温泉は支笏湖とつながっているということ。支笏湖のお湯で冷却をしており、湖の水位に連動してお湯の水位も変化します。
訪れた4月は、お湯の水位が一番低いシーズン。ということで、足元湧出の温泉を寝転がりながら楽しみました。少し肌寒かったものの、支笏湖と一体になっているような不思議な感覚!大自然のパワーをたっぷりといただいた気分に。
水位が上がる9月〜12月にかけては、立ち湯をしながら支笏湖を眺めることができます。また季節を変えて再訪したいですが、憧れの全国唯一の温泉に入れて感激しました。
6.丸駒温泉らしいおもてなしを感じる。豪華な朝夕食を堪能
夕食はおもてなしを感じる和食会席膳。道産四元豚の鍋を中心に、彩り豊かな小鉢が並びます。旬の食材がふんだんに用いられ、とてもヘルシー!ご飯に合うおかずも多く、あまりに美味しいため、ご飯も2杯お代わりしてしまいました。
また料理の内容以外に、陽気にコミュニケーションを取ってくれる、仲居さんの姿も印象的でした。開湯当初から受け継がれる、おもてなしを大切にする丸駒温泉の伝統を感じられた気がします。
夕食も豪華でしたが、特に驚いたのは朝食。ブッフェスタイルで食べきれないほどのメニューが並びます。中でも出来立ての焼売や、実演で作ってくれるオムレツは絶品!
スイーツも欲張っていただいたので、朝からお腹が限界です(笑)最後にかろうじて食べられた、自家製ジャムを合わせたヨーグルトもとても美味しかったです。
アクセスが良いとは言えない場所で、これほどのクオリティが高い朝食を出していただけるとは!最後の最後まで、大満足の宿泊になりました。
7.自分をリセットできる!秘湯のたび
多くの温泉ファンに愛される秘湯「丸駒温泉旅館」。温泉はもちろんのこと、食事やおもてなしに至るまで素晴らしく、忘れられない時間を過ごすことができました。
また秘湯で癒される中で、自分と内省する時間をしっかり得て、慌ただしい日常の自分からリセットできたことも大きかったです。
忙しい時こそ「丸駒温泉旅館」を訪れてみてください。きっと自分の拠り所になる何かが見つかるかもしれませんよ。
- 住所
- 北海道千歳市支笏湖幌美内7
- TEL
- 0123-25-2341
- イン/アウト
- 15時~19時30分/~10時
- 備考
- 新千歳空港から車で約50分
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日本深掘りサイクリスト・フォトグラファー 土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。 四季折々の日本を五感で捉え、発信しています。
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