北海道最高所の雪見風呂を味わえる「十勝岳温泉 凌雲閣」へ宿泊してきました
- 富良野・美瑛・トマム
- 最終更新日:2022年4月18日
日本百名山・十勝岳(とかちだけ、標高2077m)の山裾に位置し、雪で閉ざされる冬でも宿泊することができると聞いて、いつか必ず泊まってみたいと思っていました。
天候にも恵まれ、圧倒的な雪山の絶景を眺めながら、最高の雪見風呂を満喫することができたので、その様子をレポートしたいと思います。非日常感たっぷりの宿のロケーションも、やはり素晴らしかったです。
1.標高1,280mへ! 辿り着く前から絶景の連続「道道291号線」
マニアな温泉ファンに知られる「十勝岳温泉」。北海道の屋根を形成する十勝岳連峰の中腹にあり、三軒の温泉宿のみで構成されています。標高1,280mを誇っており、隔絶したロケーションが魅力です。
通常このクラスの標高は、冬季通行止の対象になりますが、なんと十勝岳温泉は冬季でもアクセス可能。北側・白金温泉から走る道道966号線のうち、望岳台〜白銀荘は通行止になりますが、南側・上富良野から走る道道291号線は、通行することができます。
除雪はしっかりされていますが路面は凍結しており、急勾配やヘアピンカーブも多いです。スタッドレスタイヤを履いた車で、慎重に運転しながらお宿を目指します。
すると道道966号線との分岐を越えて、お宿まで残り2kmという地点で、美しい雪山の姿が顔を見せます。標高約2,000mの山々で構成される「十勝岳連峰」です。ほのかに覗く青空と、純白の山体のコントラストに見惚れながら、最後まで運転を楽しみました。
2.「北海道にこんな場所が!?」日本離れした山岳情緒を楽しむ
「こんな場所に果たして温泉宿があるのか!?」という思いすらよぎる場所に、今回ご紹介する十勝岳温泉「湯元 凌雲閣」は位置しています。総部屋数14部屋の、こじんまりとした山荘風の温泉宿です。
背後には十勝岳連峰の雪山がそびえ立ち、上ってきた道の方角を振り返れば、果てしなく続く道央の大地。辿り着けただけでも、達成感に包まれます。
それにしても小さなお宿に比べて、なんだか車が多い気が。そこで人が集まっているポイントへ向かってみると、思わず声を上げてしまう絶景が待ち構えていました。
そこには壁のように立ちはだかる「十勝岳連峰」の山々。南端に当たる富良野岳(ふらのだけ、標高1912m)から、上ホロカメトック山(標高1920m)、十勝岳(とかちだけ、標高2077m)が雄大に佇んでいました。
雪がない時期の荒々しい火山地形とは一線を画す、ひたすらに白く澄んだ美しい絵画のような光景。まるでここが日本ではないような、本場のアルプスを思わせる山岳情緒に酔いしれました。
私が宿泊した客室は、畳敷きにベッドとソファの質素なお部屋。飾り気の無いレトロな雰囲気で、これも旅情といったところでしょうか。浴衣や歯ブラシといった基本的なアメニティは一通り揃っています。
3.「十勝岳温泉 凌雲閣」で憧れのひとときを堪能
「明日も天候が良いとは分からない!」ということで、急いでチェックインを行い、束の間でしたが、待ちに待った瞬間を楽しみました。雪山を眺めながら入る、源泉掛け流しの露天風呂です。
「湯元 凌雲閣」には、2カ所の大浴場があり時間帯によって男女入れ替えになります。どちらも崖にせり出したような野趣溢れる岩風呂が設けられています。赤褐色のトロッとした泉質と、ずっと浸かることのできる約40度の適度な湯温が特徴です。
ぽかぽかと温まりながら目の前の絶景に浸れば、漏れる吐息と一緒に、日頃の疲れやストレスが吹き飛んでしまう気がします。熱めの内湯と交互に行き来しながら、ひたすら温泉に癒されました。
入浴後せっかくなので、少し厚着をして外へ出てみると、ちょうど日没を迎える瞬間に。木々に重くのしかかった雪が、隔絶した自然を物語っていますね。
オレンジ色からほのかなピンク色へ。変わりゆく空を眺めながら、カメラを片手に非日常感たっぷりの時間を過ごしました。
景色を楽しんでいると、なんだかお腹が空いてきますね。それでは十勝岳温泉「湯元 凌雲閣」のもう一つの醍醐味・豪華なお食事をご紹介します。
4.かみふらのポークが絶品!地元の幸が詰まった和食膳
夕食は、1階のレストランでいただきます。山荘ならではの木のぬくもりの感じられる空間で居心地が大変良かったです。夕食の内容は、地元の味覚が詰まった和食膳になっています。
前菜の数も多く、思わずビールも進みますね!やはり北海道を訪れると、限定のサッポロクラシックが飲みたくなります。山奥の立地にもかかわらず、お魚が盛りだくさんで贅沢でした。
中でも鮭のクリーム煮が濃厚で絶品!地元野菜もしっかり添えられています。
夕食の目玉は「かみふらのポーク」です。「自分たちが食べたい、惜しくて安全な豚肉をつくる」をコンセプトに、配合飼料にこだわって生産された、締まった肉質と旨味に定評のある、地元のブランドポークになります。
噛めばかむほど旨味が出て、濃厚なタレと組み合わさると、思わずご飯をかきこみたくなる美味しさ。結局、ご飯を3杯も食べてしまいました。食材を運ぶのも大変なこの場所で、これほど贅沢な食事をいただけることに感謝です!
5.日の出前からゆったりと。非日常の雪見風呂を満喫!
翌朝は、日の出前から温泉へ。夜の20時に男女入れ替えになり、昨日とは違う露天風呂を楽しみました。
この日の天候は、雪のち晴れ。ということで、朝には吹雪となっていたのですが、巨大な岩が雪も風も防いでくれます。大自然の中で、密かに自分だけの隠れ家でくつろいでいる感覚。
岩に張り付く、年季の入った温泉成分と、立ち込める鉄分の匂いを満喫しつつ、濃厚な源泉掛け流しのお湯に浸かりました。
また朝の8時にもう一度、男女別の入れ替えがあります。せっかく中々来られない秘湯に宿泊しているので、昨日も入った野趣ある展望風呂へ。
あいにくの天気で昨日のような山並みは望めませんでしたが、雪がちらつく中、少しずつ太陽の光が照らす、幻想的な時間を味わいました。
十勝岳温泉「湯元 凌雲閣」に宿泊するお客さんには、早朝から山スキーをされ、チェックアウトが早い方も多いです。ゆったりと秘湯を満喫するなら、この時間帯がベストだと思います。
6.朝食からエネルギーをもらえる!豪華バイキング
それでは朝食をいただいてパワーチャージをしたいところ。なんと十勝岳温泉「湯元 凌雲閣」の朝食は、おばんざいバイキングでした!たくさんのラインナップがあり、ご飯とパンも選択できます。
どのメニューも、ふと懐かしくなるような味付けのものばかりで、無我夢中で食べ進めてしまいました。そしてレストランの奥はガラス張りになっていて、周囲の雪景色を一望できます。
食後、真っ白な風景を横目にコーヒーを飲む時間は、至福のひとときでした。
おわりに
いかがでしたでしょうか。当初、宿に宿泊するというシンプルな目的ではありましたが、旅を終えてみればとてもアドベンチャーな旅行となりました。冬だからこその絶景と極上のお湯を楽しめる十勝岳温泉へ、ぜひ足を運んでみて下さいね!
- 住所
- 北海道空知郡上富良野町 十勝岳温泉
- TEL
- 0167-39-4111
- 備考
- アクセス:上富良野市街から約19km、車で約40分
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日本深掘りサイクリスト・フォトグラファー 土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。 四季折々の日本を五感で捉え、発信しています。
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