丘のまち・美瑛の夏。黄金色の「麦畑」を巡る旅
- 富良野・美瑛・トマム
- 最終更新日:2023年4月11日
その一方で、同じ季節、隣町の美瑛にはどんな見所があるでしょうか?そう聞かれたとき、ぜひオススメしたいのが「麦畑」です。
“丘のまち”と喩えられる美瑛では、ラベンダーとほぼ同時期に、小麦が黄金色に染め上がります。どこか日本離れした、美しく心洗われる麦畑を巡ってみませんか?
1.小麦畑の景観は美瑛ならでは。7月が最盛期
パンやうどん、そしてラーメン。私たち日本人の食に欠かせない「小麦」は、美瑛を代表する農作物です。ジャガイモや豆(大豆・小豆)、てんさい(ビート)とともに、美瑛の農家さんが行う「輪作」の主要な作物として知られています。
「輪作」とは、同じ耕地へ周期ごとに違った種類の作物を植えること。この輪作が普及しているからこそ、美瑛では”パッチワーク”に彩られる丘の風景を見ることができるのです。
そんな小麦ですが、初夏の6月に生育し、6月末ごろに黄金色、赤色に。7月下旬から小麦の刈り取りが始まり、1日経つごとに風景がみるみる変化していきます。
●「パッチワークの路」
まず美瑛の小麦畑のうち欠かせないスポットが、「パッチワークの路」。厳密に一つの場所を指す言葉ではありませんが、ケンとメリーの木〜セブンスターの木の区間を、そのように呼ぶことが多いです。
7月になると黄金色・赤色の小麦畑と、農作物の緑で、見事なパッチワークが展開。陽光に照らされ、風になびく小麦の穂が印象的です。
美瑛の輪作のうち、最大の作付け面積を誇っている小麦。その広大なパノラマを一望できる場所が、この「パッチワークの路」です。
車窓越しの金色に目を奪われ、麦の匂いを感じ、車を降りて深呼吸をする時間。何気ない旅のワンシーンなのですが、ここで出会った心地よい農村旅情は、いつまでも脳裏に焼き付いて離れません。
- 住所
- 北海道上川郡美瑛町北瑛周辺 ※おおむねケンとメリーの木・セブンスターの木の間
●「ケンとメリーの木」
続いてご紹介したいのが「ケンとメリーの木」。かつて日産自動車のCMに使われた、ポプラの巨木です。実はこの木の西側に、広大な麦畑が営まれています。
訪れたのは、刈り取りはじめの7月中旬。うねりながら赤く輝く麦の姿に、思わずシャッターを切ってしまいました。手前に積まれた牧草も、良い生活感を醸し出していますね。
そして、なんと運が良いことに、コンバインにも遭遇!7月中旬〜下旬には小麦の収穫が一斉に始まるため、麦畑を巡っていると、高確率でコンバインの収穫シーンに出会えます。
旅の道中で、現地の日常も垣間見ること。一期一会の風景に出会うこと。旅の思い出に、なんだか特別感を添えてくれますね。
- 住所
- 北海道上川郡美瑛町大久保協生
●マイルドセブンの丘周辺
有名な観光名所・マイルドセブンの丘とマイルドセブンの木つなぐ道中でも、美しい麦畑を見ることができます。個人的には、”もう一つのパッチワークの路”とでも呼びたくなるスポットです。
幾重にも丘が連なるこの場所では、金色に輝く小麦畑をズームで切り取ると、とても絵になります。また丘の向こうに、十勝岳の遠景を望めるのもポイントです。
ここでは、向こう側の丘にピントを合わせ、波打つような麦を撮影してみました。小麦にはひげの有無で主に二種類があり、長いひげを有している品種の小麦畑だと、こうした揺らいだ写真が撮影できます。
小麦の黄金色、丘の緑、青空の三段構成。この時期だからこそ見られる四季の絶景。いつだってこうした風景こそ、旅に出る醍醐味ではないでしょうか。
- 住所
- 北海道上川郡美瑛町美田(マイルドセブンの丘〜マイルドセブンの木)
●ジェットコースターの道
最後に紹介したいのは「ジェットコースターの道」。直線道路が、まるでジェットコースターのように続くことから名付けられ、今や美瑛のメジャーな観光スポットの一つとなっています。
北海道らしい雄大な道の景観を楽しめるこのスポットですが、一段と趣深いのは麦が最盛期を迎える7月です。
日中も良いですが、オススメしたいのは日没間際。輝きながらなびく姿とは異なり、斜陽が静かに差し込む麦畑は、なんだか切ない面持ちです。
レンズフレアも相まって、丘に家屋が点在する農村景観も、どこかドラマチックに撮影することができました。
- 住所
- 北海道空知郡上富良野町西11線北35号
2.夏の美瑛は、黄金色の絶景を回ってみよう!
いかがでしたでしょうか。今回は意外と焦点に当たることの少ない、美瑛の麦畑の風景について紹介してみました。
夏の北海道といえば富良野のラベンダーが人気ですが、その隣町の美瑛では黄金色の絶景に出会うことができます。
なお小麦は作付け面積が広大で、美瑛のいたるところで見られます。今回ご紹介した場所に加えて、自分ならではのお気に入りスポットを探しながら回ってみるのも面白いかもしれませんよ。
日本深掘りサイクリスト・フォトグラファー 土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。 四季折々の日本を五感で捉え、発信しています。
こちらの関連記事もどうぞ
姉妹サイトのご紹介(よかったら見てね)