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冬がつくる神秘的な絶景!伊達市大滝「百畳敷洞窟」氷筍へスノーハイキング

エリア
登別・洞爺湖
投稿日
最終更新日:2024年2月7日
厳しい気候条件が作り上げる「氷筍(ひょうじゅん)」。洞窟などの天井から滴り落ちる水滴が瞬時に凍りついて形成されるもので、タケノコ(筍)のような形状から、このように名付けられています。

全国でも鑑賞できる場所が僅かしかない「氷筍」ですが、北湯沢温泉近くの大滝地区「百畳敷洞窟(ひゃくじょうじきどうくつ)」は、大規模な氷筍が見られることで密かに知られています。

一つとして同じ形状はなく、洞窟へと差し込む光に輝く姿は、冬が作り上げる幻想的な絶景!今回はそんな「百畳敷洞窟 氷筍」のアクセスや注意事項、鑑賞ポイントをご紹介します。

1.徳舜瞥山の山麓に佇む「百畳敷洞窟」

百畳敷洞窟 氷筍

今回紹介する「百畳敷洞窟」が位置しているのは、伊達市の名峰・徳舜瞥山(とくしゅんべつやま、標高1309m)の西山麓。徳舜瞥川の中流に佇んでいます。

もともと私有地へ入らなければ辿り着くことができないとされ、特別な許可を得たツアーだけで鑑賞することができましたが、昨今、徳舜瞥山への冬季登山ルートからアプローチできることがわかり、多くのハイカーが訪れるようになりました。

2.「百畳敷洞窟」行き方の注意点

百畳敷洞窟 氷筍
近年人の出入りが多くなった「百畳敷洞窟」ですが、一般の観光として訪れる場合、相応の雪山登山経験(雪山登山経験中級以上)・準備が必要になるため、注意してください。
決して興味本位でフラッと行ける場所ではありません。
基本的には現地体験ツアー(大滝アウトドアアドベンチャーズ:https://ooa-guide.com/hyojun/)に参加しましょう。

まずは「百畳敷洞窟」までの道のりについてです。

△ 百畳敷洞窟登山口 △

徳舜瞥山の冬季登山道の入り口から、片道約2kmの場所にありますが、道中は完全に雪山登山の内容。
土日祝日にはトレース(先行者の踏み跡)があることが多いですが、特に前半は道迷いもしやすいため、YAMAPなどの地図アプリでよくルートを確認しておいた方が無難です。
百畳敷洞窟 氷筍
また装備についても、雪山登山レベルが要求されます。具体的には、上下防寒防水ウェアや冬用の靴、アイゼンが必要で、積雪量によってはワカンやスノーシューといったより本格的なギアを持参するのがベターです。

この辺りに不安のある方は、大滝アウトドアアドベンチャーズ(https://ooa-guide.com/hyojun/)が企画するツアーに参加することをオススメします。
経験豊富なガイドさんがレクチャーしてくれる他、ツアー中の保険や写真撮影、それにオプションで装備のレンタルもあり、雪山登山素人の方でも大丈夫。

3.「百間敷洞窟 氷筍」への道のりを解説

百畳敷洞窟 氷筍

△ 百畳敷洞窟登山口 △

それでは個人で行かれる方のために、「百畳敷洞窟」までのルートをご紹介していきましょう。

まず徳舜瞥山・冬季登山口の駐車場から、南へ歩いていきます。前日に降雪がない場合、トレースはあるかと思いますが、ない場合はところどころ木に括られたピンクリボンを目印にしてください。

スタートから500mほど歩くと、急激に谷筋へ降りていくポイントがあるので、それを下り終わった後、三叉路を左手に進んでいきます。
上の画像がその三叉路の様子です。
百畳敷洞窟 氷筍
少し分かりにくいのは、ここまで。残りはひたすら1.5kmほど徳舜瞥川に沿って歩く林道に。道中ほとんどアップダウンがなく、とても歩きやすい道が続いていきます。

雪に閉ざされた渓流の情景は、秘境の趣を高めてくれますね。コンコン流れる水の音を聴きながら、ひたすらに水墨画のような美しい世界に心奪われます。
百畳敷洞窟 氷筍
そうして歩くこと約30〜40分。岩盤がむき出しになったポイントが現れます。こちらが「百畳敷洞窟」です。入り口でアイゼンやスノーシューを外したら、早速洞窟の中へ入っていきましょう!

なお復路について、徳舜瞥山の冬季登山道へアプローチする道もありますが、険しい斜面を登るルートになるため、往路を戻るのがオススメです。

4.通称”にょろにょろ”「百畳敷洞窟 氷筍」の見所は?

百畳敷洞窟 氷筍
地質学的な研究成果によれば、百畳敷洞窟内に形成される氷筍は2,000本以上。国内でも有数の規模を誇っています。洞窟の広さは幅約17m、奥行き約25m、高さ約4m。大体バスケットボールのコート位の広さです。

入り口からすぐの場所でも、見事な氷筍が散見されますが、醍醐味と言える絶景は洞窟の少し奥まったところ(20歩位)へ入ると見ることができます。
百畳敷洞窟 氷筍
それがこちら。子供の背丈ほどまで育った氷筍がずらりと並びます。

天井から生えているもの、足元からにょろにょろと伸びているもの、そして天井と地面をつなげているものまで様々。長細いものや太いもの、螺旋状に育ったものから直立しているものまで、実に個性豊かな形状が見受けられます。

まさに厳しい自然条件が作り上げる、表情に富んだ造形作品と言えるでしょう。

こうして並んで写真撮影をすると、臨場感が少しは伝わるでしょうか。

洞窟はとても静かで、どこか厳かな雰囲気の漂う場所。奥から入り口を振り返ると、陽光に照らされて氷筍が水晶石のように輝きます。神秘的な絶景を前にして、思わずうっとりと見惚れてしまいました。

「ここまで辿り着いたからこそ見られる。」野趣に富んだスノーハイキングの達成感も、絶景に出会えた感動をより高めてくれると思います。
百畳敷洞窟 氷筍
気候条件が良ければ、氷筍の上部に「フロストフラワー」が見られることも。フロストフラワーとは、氷の結晶が幾重にも重なり合って、花のように付着する美しい自然現象です。

極度に冷え込み、湿度のある洞窟内だからこそ、時期限定の氷の花を鑑賞することができました。こうした自然との一期一会こそ、山へ足を踏み入れる醍醐味ですね。

いかがでしたでしょうか。今回は百畳敷洞窟で見られる、冬の風物詩「氷筍」をご紹介しました。辿り着くためには相応の準備が必要なものの、一度見たら忘れられない幻想的な絶景に出会えます。ぜひ一度、準備を万全にして計画してみてくださいね。

百畳敷洞窟 氷筍

住所
北海道伊達市大滝区円山町
備考
アクセス:徳舜瞥山の冬季登山道の入り口から往復約2時間〜2時間半
見頃:1月初旬〜3月中旬

日本深掘りサイクリスト・フォトグラファー 土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。 四季折々の日本を五感で捉え、発信しています。

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