明治天皇が宿泊されたホテル「豊平館」–都心の公園に佇む国指定重要文化財–
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- 札幌・定山渓
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- 最終更新日:2025年4月28日
札幌駅から地下鉄で3駅、すすきの南側に広がる中島公園は緑豊かで四季折々の自然の風景が感じられ、豊平館はその一画にあります。
外観には、かの画家フェルメールも愛したと言われるラピスラズリを原料とした顔料「ウルトラマリンブルー」で鮮やかに縁取られ、 真っ白な壁に映えています。内部は明治時代を彷彿とさせる上品で重厚な雰囲気が感じられます。
豊平館のみどころ
▲広々としたエントランスロビー▲
豊平館が建造されたのは1881年の事。元は現在の札幌時計台の東側(現在の札幌市民ホール周辺)にありましたが、1958年に中島公園に移築保存されました。
建造当時の宿泊料金は一等客室が6円。一般的な旅館の宿泊料金が約80銭だった時代の料金なので、高級ホテルだったことがうかがえます。
実際豊平館の宿泊者第一号は明治天皇。後の大正天皇、昭和天皇も皇太子時代に宿泊されたそうです。
▲皇太子殿下(大正天皇)豊平橋御通過の図▲
広間には大正天皇が行幸された際の絵が飾られており、天皇陛下が宿泊された部屋も再現展示されています。
中に入ると一番先に目に入るのが豪華なシャンデリア。
シャンデリアは各部屋に一つずつつけられ、それぞれ違った雰囲気を醸し出しています。
天皇陛下ご滞在の際に謁見の間として利用された広間には、シャンデリアを美しく見せるための鏡が掛けられており、こだわりが伺えます。
また、シャンデリアの吊元にある天井中心飾は、漆喰職人が直接天井に漆喰を盛り付けて仕上げたもので、部屋に入るたびに天井を見上げて見とれてしまいます。
部屋にかけられている鮮やかな赤が印象的なカーテンは京都西陣で織られた西陣織。
よく見ると縫い合わせの柄もきれいに揃えられており、縁取りとタッセルは組紐で作られています。
作り上げるのに1年かかったと言われており、実際に見ると緻密で丁寧な仕事に感動。
カフェ「喫茶室ハルニレ」
一階ロビーの横にある広間がそのまま利用されている「喫茶室ハルニレ」。受付は館内の雰囲気を壊さない程度の簡単な造りです。
メニューはコーヒーや紅茶などのドリンクとカレーなどの軽食があります。
▲2025年4月時メニュー▲
ちょうどお昼時だったため、郷愁じゃが豚カレーを注文。昔ながらの懐かしい味のカレーは、豊平館の雰囲気にぴったりです。
食後には豊平館オリジナルコーヒーを。
国の重要文化財の中でコーヒーを飲むという、とびっきり贅沢なひとときが過ごせました♪
豊平館利用案内・アクセス
豊平館の観覧料は大人350円、喫茶ハルニレのドリンクセット券(800円)もあります。
▲2025年4月時入館料▲
豊平館の最寄り駅は札幌駅から3駅の地下鉄南北線・中島公園駅。豊平館最寄りの3番出口は中島公園内にあります。
公園内の案内表示を見ながら進めば、豊平館までは徒歩5分ほどで到着。駅から豊平館へ向かう道も緑が多く、ゆったり散歩気分で向かうことができます。
豊平館・中島公園専用の駐車場は無いため、車で訪れる場合は近隣のコインパーキングをご利用ください。
中島公園は春から秋までの季節、四季折々の木々や花々が咲き誇ります。
公園散策と一緒に、歴史ある豊平館に立ち寄ってみるのはいかがでしょうか?
- 住所
- 北海道札幌市中央区中島公園1-20
- TEL
- 011-211-1951
- 営業時間
- 9:00-17:00(入館は16:30まで)※毎月第4金曜日・他期間は9:00~20:00(入館は19:30まで)
休館日 毎月第2火曜日(祝休日の場合は直後の平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
- 備考
- 夜間開館日はHPにてご確認ください

忍冬
北海道札幌市生まれ札幌市在住。動物が好き、自然が好き、北海道が大好き。生まれ育った北海道を地元目線でご紹介します。
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