開拓民の心の拠り所「浦幌神社」はバイク、乳神様と個性的な境内社も人気の秘訣
- 十勝・日高
- 最終更新日:2024年9月4日
地元の人が家内安全や合格祈願で訪れる地域の総鎮守として親しまれている他、子宝・安産・縁結びの神様を祀る“乳神神社”やライダーやサイクリストの安全を祈願する“名刺奉納所”など個性豊かな境内社も話題を呼び、全国から多くの人が訪れます。
そんな浦幌神社に私もバイクで行ってみました!
1.「浦幌神社」の由来
時は明治、開拓使設置からはじまった北海道開拓は、災害などいくつもの困難に直面しつつも、地道に進められていました。
明治29年(1896年)、心の拠り所を求める開拓民たちの強い要望があったことから、地域の氏神様として農場の一角に祠を建立し、伊勢の神宮より天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)が祀られたのが浦幌神社の始まりだそうです。
大正12年(1923年)、浦幌町を一望できる山の麓にうつされ、昭和48年(1973年)には現在の新社殿が完成。
その間に八幡大神(やはたのおおかみ)も祀り、家内安全や合格祈願など地元の方が訪れる神社として親しまれています。
また境内にはおっぱいの神様や商売繁盛の神様、お祓いの神様など様々な神様が祀られ、また、交通安全祈願ができるバイクや自転車の神社など個性豊かな境内社が複数あります。
2.ユニークな境内社
2-1.乳神神社
浦幌町瀬多来の山奥にあったナラの大木の幹に乳房に似た瘤があり、母乳授かりを祈ったところ成就したことから、ナラの木が乳神様として信仰されるようになったそう。
地元では「乳神さん」の名で親しまれ、子宝・安産・縁結び・病気平癒(婦人病)の守護神として信仰されています。
昭和37年(1962年)にナラの木は台風でにより倒れてしまいますが、瘤は残り、今も御神体として祀られていて、毎年5月21日、9月21日のお祭りの際には、本殿の扉が開放され、御神体を直接見ることができます。
また、ナラの木の瘤は元々瀬多来神社に祀られていましたが、浦幌神社にうつすことになった年に偶然おっぱいのような形をした石が発見されました。
沢の流れによって自然にできた石の形ですが、このような形になるのは珍しいそうで現在はご分霊を入魂し、乳神神社の横に乳石として祀られています。
2-2.自転車 バイク 交通安全祈願名刺奉納所
浦幌神社は滝川市から釧路市を結ぶ国道38号線沿いにあり、全国津々浦々からライダー・サイクリストが多く訪れることから、交通安全を祈願できる名刺奉納所がある“バイクの安全を祈願する神社”としても有名です。
名刺奉納所には願いごとが書かれた名刺がずらり。奉納される名刺の数は年々増えていて、2023年には 2,300枚もの名刺が奉納されたそうです。
奉納所に置いてある「祈願名刺」の表に名前や住所を記載し、裏に願い事を書いて奉納所に貼れば安全祈願は完了。
予約をすればご祈祷とバイクのお祓いも受けられます。
2-3.伏見稲荷神社、夫婦桂、水子神社
その他にも境内には稲荷神社や水子神社、御神木もあります。
大正10年からおまつりされている伏見稲荷神社は、商店や飲食店、芸者さんなどに信仰されていたそうです。
昭和13年に現在の浦幌神社と同じ場所にうつり、社殿の横にある名刺奉納所には、商売繁盛や仕事の成功を願って全国から様々な業種の方の名刺が奉納されています。
縁結び・恋結び・夫婦円満の象徴とされる夫婦桂は浦幌神社の御神木。力強く根付いた大きな桂の木は見ているだけでもパワーがもらえます。
木の上では年に数回エゾフクロウが見られることもあるそうで見ることできればかなりラッキー!
乳神神社の隣にあるのは昭和57年に建立された水子神社。お祓いの神様である祓戸之大神(はらへどのおおかみ)四柱がお祀りされています。
水子の御霊が安らかに旅立っていけるようにとお祈りする神社で、エコー写真や母子手帳をお焚き上げする焼納箱もあります。
3.浦幌神社の御朱印、授与品
浦幌神社には様々な神様が祀られていますが、お守りの種類も豊富でその数なんと50種類以上!月毎に変わる御朱印などもあり、楽しみ方もそれぞれ。
人気のあるのおっぱい守は乳神様の御神木にちなんだナラの木を使用しているそうです。
画像提供:浦幌神社 「おっぱい守」
可愛らしいカエルが描かれた無事かえるステッカー御守。自転車とバイクでデザインが異なります。
バイクステッカー御守も人気のお守り。
私もステッカーを購入し、早速バイクのリアボックスに貼りました!
浦幌神社には通常の御朱印と月毎限定御朱印があります。
通常の御朱印は浦幌神社と乳神神社の2種類。
画像提供:浦幌神社 初穂料500円
季節によって描かれるお花や木々が変わる月限定御朱印は毎月集めに来る方もいらっしゃるのだとか。
お花の周りを囲む浦幌神社に現れる動物達が可愛らしい!取材時は4月だったので桜が描かれた御朱印でした。
画像提供:浦幌神社 初穂料800円
2024年7月3日からは、アイヌ伝説にある浦幌町・昆布刈石に棲まう龍神様がモチーフになった数量限定の特別御朱印の授与が始まるとの事。
離れて暮らす男女それぞれの龍神様は、お互いが恋しくなると雨を呼んで逢いに出かけていたそうで、特別御朱印では龍神様たちの空での逢瀬の様子を表現しています。
画像提供:浦幌神社 初穂料1,000円
御朱印は書置きのほか、通常御朱印はご神職がいらっしゃる場合は直書きでの対応も可能との事。
「シマエナガ幸福開運守」
シマエナガを描いたお守りや子供用の御守りなど種類豊富な御守りはご利益だけでなく好みのデザインで選ぶのも楽しそう。
4.アクセス
8月最終土曜日と日曜日には夏季みこし祭、9月20には秋祭りを開催しており、秋祭りでは地元の子供達による空手道と剣道の演武、神楽舞が奉納されます。
その他にも春祭りや無事かえる祈願祭など様々なお祭りやイベントが開催されているので公式HPやInstagramで要チェック。ゴールデンウィークや春祭り、お盆の時期などには花手水も見られます。
北海道に15種類ある北海道ご当地みくじである”えぞみくじ”は浦幌神社にもあり、スコップで掘り起こすじゃがいもみくじも楽しめる要素の一つ。
車で訪れる場合、札幌からは約3時間45分、帯広、釧路からは約1時間ほど。公共交通機関ご利用の場合は、最寄りJR浦幌駅から徒歩12分です。
山の麓にある浦幌神社は自然が豊かでエゾリスやエゾフクロウ、シマエナガなどの北海道の動物達も訪れます。
桜や梅、紫陽花、藤など季節の花々、森からの自然のエネルギーももらえる浦幌神社。参拝に訪れれば心も身体も癒されることでしょう。
- 住所
- 北海道十勝郡浦幌町東山町18-1
- TEL
- 015-576-2448
- 営業時間
- 8:00~19:00
北海道在住フォトグラファー 平栗玲香
1990年生まれ、北海道帯広市出身のフリーランスフォトグラファーです。北海道観光マスター検定、十勝観光文化検定上級、フォトマスター検定準1級、生物分類技能検定3級取得。9年間東京でフォトグラファーをしていましたが、2023年に帯広に拠点を移しました。趣味はツーリング、ドライブ、キャンプなど北海道の魅力が一人でも多くの人に伝わることを目標に記事を書いています。
こちらの関連記事もどうぞ
-
- 開拓民の心の拠り所「浦幌神社」はバイク、乳神様と個性的な境内社も人気の秘訣
-
- 『紫竹ガーデン』おばあちゃんが夢みた、野の花が咲く野原のような風景のお庭
-
- 世界で唯一のばんえい競馬!ばんえい十勝(帯広競馬場)へ行ってきました!
-
- 十勝牧場冬の風物詩「馬追い運動」|大迫力!雪原を走るばん馬がすぐ目の前に
-
- 「六花の森」で見て・食べて体感する北海道の自然|おすすめ散策ポイント教えます
-
- さくら名所百選・新ひだか「二十間道路桜並木」の巡り方|北海道を象徴する春景色
-
- 帯広から札幌への交通手段を比較してみた!
-
- タウシュベツ川橋梁の行き方|ツアーで行くor鍵を借りて車
-
- 【北海道ガーデン街道】8つの庭園で大自然を満喫しよう!
姉妹サイトのご紹介(よかったら見てね)