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日本一終発が早い駅|新十津川駅と新十津川町の見どころはココ!

エリア
千歳・支笏湖・夕張
投稿日
最終更新日:2019年3月11日
北海道の開拓の歴史は全道各地に全国から開拓者を受け入れたところから始まるといっても過言ではありません。2016年3月26日に日本一終発が早い駅となった「新十津川駅」を有する新十津川町の歴史もそこから始まります。

でもいったいどんな町なんだろう。観光できるのかな?様々な疑問が思い浮かぶのではないでしょうか。

そこで今回は観光ガイドブックにもあまり乗らない新十津川町の駅前を中心にその魅力を紹介します。

きっと奈良県にルーツを持ち、TVドラマの舞台ともなった新十津川へ旅の終着点めざし訪れたくなることは請け合いです。

1 新十津川町とは

新十津川町

奈良県南部の大部分を占める十津川村。

この山間ののどかな村は明治時代、吉野川の大規模な水害に襲われます。この被災者が入植した原野が新十津川町の始まりです。

開拓は苦難の連続であり、このことは児童文学者川村たかしさんの新十津川物語にも詳しく記載されています。しかし、開拓者たちは苦難にもめげず、中空知でも有数のコメどころ新十津川町を作り上げたのです。

また、新十津川は終着駅の町でもあります。往時は札幌から沼田町までを結んだ札沼線ですが、現在は、新十津川駅から北の鉄路はなく、札沼線という名称も学園都市線(札沼線)となって、便数もわずかなものとなっています。

2 新十津川駅

昭和47年から札沼線の終着駅となった新十津川駅ですが、午前中1往復のみの無人駅。札幌まで直通電車はなく、当別町での乗り換えです。決して秘境ではないのに、札幌からは行きにくいという秘境感が満載の駅なのです。

新十津川駅

駅舎はかわいらしい外観。年代物の振り子時計。ホームもいたってシンプルで素朴。春は名のない草花が駅周辺に咲き、何かのCMの場面ではないかと錯覚させるほど。40年前の日本の各地に残された風景を彷彿とさせます。

気動車(ディーゼル車)1両によるワンマンの編成のため、券売機さえありません。午後からの時間は、駅員どころか地元住民の姿もなく、駅でありながら静寂。時間が止ったかのような趣です。

新十津川駅

駅前には商店街などはなく、隣接する空知中央病院が唯一の大規模な建築物となっています。終発は午前9時台。日本で最も終発の電車が早い駅なのです。

その電車を空知中央病院の保育園の子供たちが送迎する様子はほほえましい限り。小さくて小さい北の駅ですがそのほほえましさとぬくもりは大きくて大きいのです。

YouTube:こーたのぼちぼち鉄道チャンネルさんより

3 新十津川駅周辺観光ガイド

3-1 新十津川物語記念館

90年代、NHKのTVドラマとなり、斉藤由貴さん主演で人気を博した新十津川物語。北海道開拓の困難を乗り越えていくストリー。

登場人物の群像は、十勝岳の噴火を舞台とし、それを乗り越えていく人々を描いた三浦綾子さんの泥流地帯とともに開拓をテーマとした今なお多くの人に愛され続けています。この作品の心を広く伝えるために作られたのが、新十津川物語記念館です。

外観は開拓当時の文武館をイメージし。数々の作品にふれることができるコーナーやNHKテレビドラマの撮影時の写真パネルなど作品の世界をより深く広げていく施設です。

今はどんなに豊かな農業地帯であったとしても、明治初期の北海道は人外魔境。想像を絶する寒さや飢え、自然環境。それを乗り越えてきた当時の人の魂がよみがえるようです。

新十津川物語記念館
住所:新十津川町字総進188番地6
(ふるさと公園内。サンヒルズ・サライ隣)
電話:0125-76-2995
開館時間 午前10時から午後4時まで
(4/29~10/31は休まず開館)
休館日 11月1日~4月28日
入館料 大人(高校生以上) 140円
小・中学生 70円
乳児無料

新十津川町

3-2 金滴酒造

開拓を成功させる。開拓者たちは苛烈ともいえる禁欲生活の中、その目的を達成させます。

その一つが禁酒。一切の宴席を禁止しすべてのパワーを開拓に振り向けました。それが解けるまでの期間は約16年の歳月を要します。

ならば、自分たちの寿ぎのための酒を自ら作ろう。そうして立ち上げられたのが金滴酒造。明治39年の創業です。独立独歩の開拓者精神の一つの現れでした。

道内屈指のコメどころであり、ピンネシリの清らかな水が流れる新十津川は、ある意味酒造りの好条件を備えています。

現在は蔵の見学も可能(電話予約要)芳醇な味わいの日本酒。明治の北海道新十津川のの開拓にかける情熱の味がするはずです。いわば、歴史の重みを体中にしみわたらせる味ともいえるかもしれません。

流通量はさほど多くない小さな蔵ですから、なかなか普通の酒店では手に入りにくいという点もプレミア感をかき立てます。おすすめです。

金滴酒造株式会社
※蔵の見学は電話予約が必要です
新十津川町字中央71
電話:0125-76-2341

3-3 ふるさと公園

新十津川町

新十津川駅から西に位置するのが総合施設であるふるさと公園です。グラウンドをはじめとする運動施設は野球場・サッカー場から体育館、屋内パークゴルフ場まで各種そろっており、前述の新十津川物語記念館もこのふるさと公園の中にあります。

単なる運動公園ではなく、登り窯をはじめとする文化施設も集中。新十津川町における文化・体育の中心がこのふるさと公園であるといえます。

また宿泊施設についても、キャンプ村、ケビン村VILLA徳富(とっぷ)、グリーンパーク新十津川、サンヒルズ サライと用途や予算に合わせて充実しています。

特にグリーンパーク新十津川は温泉も併設しており、日帰り入浴も楽しめるというスポット。石狩川、徳富(とっぷ)川のおだやかな流れの中に広がる、穏やかな平原地帯の休日を心行くまで楽しむことができる施設になっています。

ふるさと公園
住所:新十津川町字総進188番地6
問合せ先:新十津川町産業振興課商工観光グループ
電話:0125-76-2134
FAX:0125-76-2785

おわりに

新十津川駅Photo by Wikipedia/Photonica

新十津川町は道央・空知の中でも目立つ存在であるとは言えません。しかし、水害で住む場所が壊滅した被災者が歯を食いしばって、原野の中に自らの命を存立させた熱い血の通う街なのです。

おいしいお米とおいしい水。その歴史には、不死鳥のごとき不屈の闘志が宿る街。

柔和で穏やかな人々の顔にはそれは感じられませんが、北海道を訪れたならば、不死鳥の町新十津川でぜひ休日を過ごしてみてください。

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