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礼文島トレッキング「8時間コース」ガイド|礼文島西海岸のワイルドな未舗装路を行く

エリア
道北・稚内・利尻礼文
投稿日
最終更新日:2024年3月15日
スコトン岬や澄海岬をつなぐ「岬めぐりコース」や、利尻山の展望が楽しめる「桃岩展望コース」など、個性豊かなトレッキングコースが揃う礼文島。

なかでも上級者向けコースとして知られているのが「8時間コース」です。舗装路の開通していない礼文島西海岸を抜けるアドベンチャーなトレッキングコースは、全国のマニアな登山愛好家を魅了しています。

今回はそんな憧れの「8時間コース」を筆者も歩いてきましたので、コースガイドとともに注意点などもご紹介します。

8時間コースとは?

礼文島 トレッキング 8時間コース
"礼文トレイル"の公式ルートのうちの1つ「8時間コース」。北部の岬めぐりコースとの分岐点から、礼文島西海岸のアナマ岩・宇遠内漁港を通過、礼文林道コースとの分岐点を経由して、香深井(かふかい)を目指す全長約16.5kmのトレッキングコースです。
礼文島 トレッキング 8時間コース
海岸線をいくトレイルのため歩きごたえと景色変化があり、多くの高山植物を鑑賞できるほか、宇遠内漁港に漂う廃村の雰囲気もトレッキングコースの情緒を高めています。
礼文島 トレッキング 8時間コース
8時間という名前ですが標準コースタイムは7時間に設定されています。また礼文島トレイル公式の8時間コースのほかに「愛とロマンの8時間コース」という似た名称のコースもあります。こちらは全長30kmほど、8時間という歩行時間設定もやや厳しめの内容です。

スタートは久種湖畔がオススメ

※礼文町が発行しているトレイルマップ(https://www.rebun-island.jp/welcome/trekking.pdf)と合わせてぜひお楽しみください。

礼文島 トレッキング 8時間コース 久種湖畔
半日以上かけて歩く「8時間コース」。どこを拠点にするかが鍵になりますが、筆者は久種湖畔をオススメします。

8時間コースの入り口である「浜中」まで徒歩(1.4㎞/18分)でアクセスできるため、出発時間を早めることができ、ゴールした後には15時台、17時台の路線バスで香深井から久種湖畔(バス停は船舶病院前)まで戻って来られるのがポイント。

筆者はキャンプをしましたが、炊事場や自動販売機もあって水分調達もできました。

久種湖畔から西上泊分岐点(3.5㎞/1時間10分)

礼文島 トレッキング 8時間コース
それでは実際に歩いてきた様子をお伝えしながら、コースガイドをしていきましょう。

まず舗装路を使って、西上泊分岐点を目指します。久種湖畔から約3.5km弱です。舗装路の途中に「8時間コース」という標識を見つけたら林道へ入ってください。
礼文島 トレッキング 8時間コース スタート地点
入口はこのような感じ。丘陵地帯を縫うように平坦基調の道が続いていきます。さすが最果ての島・礼文島。スタートからスケールが大きいです。
礼文島 トレッキング 8時間コース
西上泊分岐がこちら。ここから緩やかに標高を上げていきます。展望も抜群で、気分爽快なトレッキングが楽しめます。

西上泊分岐点からアナマ岩(8.3㎞/3時間30分)

礼文島 トレッキング 8時間コース
西泊分岐点からアナマ岩までは、西海岸を俯瞰しながら歩くコース。トレッキングの横目に眺めるゴロタ岬と澄海岬のパノラマが素晴らしいです。
礼文島 トレッキング 8時間コース
草原を越えると樹林帯の道へ。基本的には緑に覆われていますが、景色変化に富んでいるのが魅力。海と海食崖が織りなす最果て感がたまりません。
礼文島 トレッキング 8時間コース
トレッキングルートの横には礼文島固有種の「レブンウスユキソウ」を発見!その名の通り、薄雪を被ったような美しい佇まいです。
礼文島 トレッキング 8時間コース
スタートから約5時間。標高300m弱まで登ってきました。
長大な西海岸を歩き、アナマ岩近くまでくると、海岸線まで標高を下げていきます。海に吸い込まれるような迫力を備えています。

アナマ岩から宇遠内漁港(1.2㎞/40分)

礼文島 トレッキング 8時間コース 岩場
アナマ岩から宇遠内漁港までが「8時間コース」のハイライト。波打ち際の岩場を歩いて漁港を目指します。落石の危険があるので、高潮や満潮時以外は、極力海沿いを歩きましょう。
礼文島 トレッキング 8時間コース
写真では険しいルートに見えますが、ゆっくり歩けば困難なルートではありません。一箇所、岩に打ち付けられている梯子を通過するところがあるので、そこをよく注意しましょう。
礼文島 トレッキング 8時間コース
今ではほとんどが廃屋になっている宇遠内漁港へ。港には昆布の番をしているお母さんがおり、なんだかひと安心することができました。

宇遠内漁港から礼文林道コース起点・終点(4.9㎞/1時間50分)

礼文島 トレッキング 8時間コース
宇遠内漁港から内陸へ入ります。赤い屋根は漁村の上水道用設備。ここを通過したら、先ほどとは打って変わって緑が深い自然が広がります。
礼文島 トレッキング 8時間コース
標高200mまで登り切るとこの通り。さっきまで海岸線にいたとは考えられないスケール感です。あとは整備された林道に沿って香深井を目指します。
礼文島 トレッキング 8時間コース
途中、礼文林道コースとの分岐に到着。このT字路を左に進んで、舗装路へ出たら「8時間コース」踏破です。

8時間コースを歩く際の注意点

礼文島 トレッキング 8時間コース
体力やコース時間の長さだけではなく、8時間コースが上級者向きとされている理由はいくつかあります。

・電波が入らない
・アナマ岩から宇遠内漁港は、落石に注意が必要
・アナマ岩から宇遠内漁港は波打ち際を歩くため、高潮や満潮時には注意が必要
・登山道ではないので入山届を出す必要はないが、本格的な内容
礼文島 トレッキング 8時間コース
トレッキングルート自体が登山道ではないので入山届は不要ですが、怪我のリスクがあり、中でもアナマ岩から宇遠内漁港については落石や高潮、満潮時など注意が必要になっています。

また推奨ルートは北→南に抜けるルートで、逆方向に抜けることは道迷いのリスクから推奨されていません。

礼文島の西海岸を進む唯一のトレッキングコース「8時間コース」。歩きごたえと景色変化に富んだ道は多くの登山愛好家を魅了して止みません。ぜひ天気や時間と相談しながら、入念に準備をして挑んでみてください。

【参考】礼文島トレイルオフィシャルウェブ|8時間コース 

日本深掘りサイクリスト・フォトグラファー 土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。 四季折々の日本を五感で捉え、発信しています。

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