【流氷物語号】JR北海道・冬の観光列車の楽しみ方|車窓に広がる流氷の海
-
- 網走・北見・知床
-
- 最終更新日:2025年3月5日
2025年は2月1日から28日と3月1日(土)、2日(日)、8日(土)、9日(日)で、JR北海道・釧網(せんもう)本線の網走駅-知床斜里駅の約37㎞を片道1時間ほどかけて1日2往復します。
車窓から眺める流氷の雄大な景観や、ときに現れる野生動物との出会いに満ちあふれたこの列車。実際に2025年シーズンも乗車し、満喫してきました。乗り方や車内の楽しみ方をご紹介いたします。
「流氷物語号」 基本情報
流氷物語号の乗車券(網走-知床斜里)970円、指定席券は840円です(いずれも片道あたり、2025年時点)。
指定席券は乗車予定の1ヶ月前から、全国のJRみどりの窓口やJR東日本のインターネット予約サービス「えきねっと」で購入が可能。
<時刻表>
網走駅 | 北浜駅 | 浜小清水駅 | 知床斜里駅 | |
1号 | 9:50発 | 10:04着・10:14発 | 10:24発 | 10:42着 |
3号 | 12:42発 | 12:57着・13:07発 | 13:19発 | 13:38着 |
知床斜里駅 | 浜小清水駅 | 北浜駅 | 網走駅 | |
2号 | 11:32発 | 11:49着・12:09発 | 12:19発 | 12:32着 |
4号 | 14:03発 | 14:20着・14:40発 | 14:50発 | 15:03着 |
午前と午後それぞれ1往復ずつし、網走駅始発の奇数号は「北浜駅」で10分、知床斜里始発の偶数号は「浜小清水駅」で20分停車し、改札外へ出る事もできます。
「流氷物語号」で楽しみたい!車窓・途中下車・希少車輌とゲームコラボ
車窓から流氷が楽しめるというのが流氷物語号の一番の魅力。
流氷物語号は『一部指定席』で運行されていて流氷がよく見えるオホーツク海側の座席は、指定席になっています。
自由席(陸地側)を利用しての乗車なら、当日購入の乗車券のみでOK。
途中下車駅で展望台や道の駅が楽しめる
北浜駅ではレトロな駅舎と、隣接する展望台からオホーツク海に浮かぶ流氷の絶景を楽しむことができ、浜小清水駅では、「道の駅 はなやか(葉菜野花)小清水」が併設していて軽食やお土産が販売されています。(後半で途中下車の様子を詳しくご紹介しています。)
引退間近「キハ40 形」の「オホーツクに消ゆ」コラボ
2021年からは1980年代に大ヒットしたテレビゲーム『オホーツクに消ゆ』とコラボレーションし、行先標にデザインされたり車内で限定グッズが販売されています。
またその車体―昭和50年台に製造されたキハ40形―自体も、鉄道ファンから注目を集めています。
▲流氷物語号の前身「流氷ノロッコ号」▲
じつは流氷物語号の前身「流氷ノロッコ号」が2016年に機関車による運行終了、それと同時に観光列車の運行自体も終了する話があったそう。しかし多くのファンの声が後押しとなり、翌年から一般車両を用いた運行が開始されました。現在の車輌”キハ40形”は各地で引退しており消滅間近と言われています。来年もキハ40形で運行するのか変わってしまうのか、気になる所です。
「流氷物語号」に、いざ乗車!
私は北浜駅から知床斜里駅を往復して乗車してきました。釧網線区間では「Suica」や「Kitaca」といった交通系ICカードは使えませんので、事前に券売機や窓口で乗車券を購入してください。
流氷物語号はオホーツク海に面した区間を、多くの方が流氷を楽しめるよう列車はゆっくりと走行します。
網走駅を12時42分に発車する3号は、海に面した景色のいい場所でさらに減速して運行されます。
走行中は、同乗している「網走市観光ボランティア」さんが流氷や沿線を紹介する観光案内もあります。風景だけではなく、観光している地域の魅力を楽しく知ることが出来るのも、観光列車の醍醐味です。
浜小清水駅から知床斜里駅の区間は、並走する国道244号線よりも海沿いを列車が走ります。ちょうど野生動物の足あとを写真に納めることができました。『列車の車窓からじゃないと見られない、流氷が浮かぶオホーツク海の姿』を見られるのも、流氷物語号ならではです。
おすすめしたい『流氷にいちばん近い駅』北浜駅
沿線で特におすすめしたい立ち寄りスポット、北浜駅。
昨年、開駅100周年を迎えた北浜駅。眼の前にオホーツク海が広がり、流氷が迫ります。
駅舎からオホーツク海の波打ち際までは、わずか20メートル!
オホーツク海にいちばん近い位置にあるこの駅は「流氷にいちばん近い駅」として人気です。
北浜駅の待合室は昔から多くの旅人が、木造駅舎の待合室の壁に訪問の足あととして名刺やきっぷを貼りつけることで有名です。待合室からは、美しい流氷が目の前に広がります。
駅には木造の展望台が設けられており、ここから見る流氷の海と伸びる線路、1日数本しか来ない列車の光景、雄大な知床連山、空を舞う白鳥など、多くの旅人が感動する絶景スポットとなっています。
楽しみのひとつ「流氷物語号」オリジナルグッズの車内販売
▲網走市観光ボランティアの方々が快く撮影に応じてくださいました▲
列車内では、網走市観光ボランティアさんが流氷物語号のパンフレットを配布します。その中には「車内販売メニュー」があり、車内で販売される乗車記念品が紹介されています。車内販売の場所は、黄色い「流氷の恵み」車両にあります。
おすすめは、車内限定販売の「乗車証明書」(1枚200円)です。昨年までと違い、2025年からは知床斜里駅発の「のぼり」と網走駅発の「くだり」で、絵柄の異なる2種類が販売されています。ホログラム加工が施され、キラキラ光る豪華仕様。他にも車両に装着されているものと同じ「行先標(通称:サボ)」といったレア品や、地域限定のスイーツなどが販売されています。
「浜小清水駅」併設の道の駅は2024年2月にリニューアルオープン
つぎは4号に乗車して折り返し。知床斜里駅始発の流氷物語号は途中、浜小清水駅で20分停車します。
浜小清水駅は、「道の駅 はなやか(葉菜野花)小清水」が併設された施設内にあります。
施設内の店舗には、オホーツク地域の特産品やお土産が並び、列車の乗客も多くの方が一時下車し、ショッピングを楽しむ姿が見られました。店舗の奥には軽食がとれるレストランコーナーがあり『ちょっとお腹が空いた』ときに食べられるおやつ類も、列車の到着に合わせて準備されています。
列車は再び網走駅に向けて走り出し、次の停車駅・北浜駅へ。私はここで旅を終えましたが、たくさんの乗客が入れ替わるように乗車し、網走駅を目指します。
知床斜里駅に向かう際には海面も見えていたオホーツク海でしたが、わずか2時間ほどのあいだに流氷でびっしりと埋め尽くされていました。
風向きや潮の流れによって、ほんの数時間でちがう姿が見られるのも流氷の魅力のひとつですね。
冬の北海道旅行、スケジュールに余裕を持ってどうぞ
じつは今回、前日に局地的な大雪が降った影響で1・2号が運休となりました。突発的な天候の変化に対応し、柔軟なスケジュールの調整が必要となるのが「冬の北海道観光」です。
どうぞ『プラス1日』の余裕を持った日程でお越しください。その困難さを越えて出会えた流氷とオホーツク海の姿は、何度来ても感動する美しさでした。

山﨑 陽弘(やまざき あきひろ)
1975年、大阪府生まれ。32歳の時に「趣味のオートバイで訪れ、その雄大さに魅了された」北海道・道東に移住しました。現役の男性看護師として地域医療・福祉にも尽力しながら、地域の魅力を発信しています。
こちらの関連記事もどうぞ
姉妹サイトのご紹介(よかったら見てね)

