冬本番の知床を2泊3日ひとり流氷旅行~中標津・羅臼・ウトロをバスで巡る~
- 網走・北見・知床
- 最終更新日:2024年4月1日
羅臼・ウトロそれぞれで流氷を楽しみ、中標津では氷平線なるものを。たった2泊3日ですが、バスを駆使して冬の北海道を縦横無尽に駆け抜けました!
行き当たりばったりではまず出来ない旅程、今回は行程から持ち物までズズズイっとレポートいたします。
もくじ
1.知床旅行スケジュール
冬の北海道・知床旅行の肝とも言えるスケジュールをまずはご紹介!
■1日目
伊丹空港9:50発⇒ANA773⇒新千歳空港11:40着
新千歳空港12:10発⇒ANA4883⇒中標津空港13:00着
中標津空港14:30発⇒エクスプレスバス5号⇒北の道の駅・らうす15:45着
●知床サライ泊
■2日目
★根室海峡クルーズ9:00出発(10:00頃帰着)
北の道の駅・らうす11:40発⇒エクスプレスバス5号⇒標津町12:10着
標津町13:00発⇒エクスプレスバス6号⇒野付半島ネイチャーセンター13:25着
★氷平線ミニウォーク約1時間
野付半島ネイチャーセンター14:40発⇒エクスプレスバス6号⇒標津バスターミナル15:35着
標津バスターミナル16:55発⇒エクスプレスバス5号⇒ウトロ温泉18:35着
★流氷フェス21:00まで
●KIKI知床ナチュラルリゾート泊
■3日目
★流氷ウォーク6:30出発(8:00頃帰着)
ウトロ宿泊ホテル8:45発⇒ひがし北海道エクスプレスバス2号⇒おーろらターミナル10:45着
★おーろら号11:00出発(12:00頃帰着)
おーろらターミナル12:10発⇒網走バス⇒女満別空港12:50着
女満別空港14:40発⇒ANA4866⇒新千歳空港15:30着
新千歳空港16:50発⇒ANA778⇒伊丹空港18:55着
中標津・羅臼・ウトロそれぞれの場所で、冬にどうしても見たい・やりたいものがありました。
羅臼⇒オジロワシ・オオワシが見たい
中標津⇒氷平線でトリック写真を撮りたい
ウトロ⇒流氷ウォークがしてみたい
どれもその場所に行かないと体験できないものばかり。道東というレアなエリア、さらには冬に行くならこの機会に全部やらねば!と詰め込みました。
2.北海道・知床流氷旅行記
2-1.1日目 羅臼へ
9:50伊丹発のANAで新千歳空港乗り継ぎ、中標津空港には13:00ちょうどに到着。
中標津空港は1日の4往復だけの小さな空港。滑走路上の飛行機から空港建物までは歩いて移動です。小さな階段を降りて冷たい空気で深呼吸すると気分がシャッキリします。
小さな回転台から荷物を受け取り、到着フロアへ。
予約している空港発羅臼行のバスの出発までは1時間30分ほど時間があったので、ブラブラと空港を探検。
と言っても大きな空港では無いので15分もあれば大体の所は見終わります。
2階にある空港内唯一の飲食店でお昼ご飯とお茶。
空港内唯一の飲食店は、お茶から食事までできてしまうオールマイティーなお店でした。※私はカレーピラフをいただきました。
1階の観光案内所をふらっとして(近隣のグルメ情報などもありましたよ)から、予約していたバスに乗車。
今回は秋・冬にだけ道東エリアを運行するエクスプレスバスをたくさん使います。
一路羅臼へGO!
拍子抜けしたのが、道路に雪がほとんど無い事!
北海道内でも日本海側よりも太平洋側の方が雪が少ないとの事ですが、それにしても冬の北海道で灰色のアスファルトがこれほど見えるとは思っていませんでした。
あと中標津空港から羅臼までめちゃくちゃ近い!1時間位で着いちゃいました。知床近っ!
「北の道の駅・らうす」でバスを降りるとなんだか硫黄のにおい!温泉が近くにあるみたいです。
とりあえず荷物を置きに本日のお宿「知床サライ」へ。道の駅からは歩いて3分ほど。
※知床サライが気になる?⇒知床サライ宿泊体験記
知床サライは2018年7月にオープンしたゲストハウス。
まだ新しいので、木の温かみのある別荘みたいな雰囲気です。
ゲストノートを見ると英語、中国語、韓国語にアラビア語?!まであり、色々な国の人が泊っているみたい。
チェックインを済ませて部屋に荷物を置きます。ユニットバスと荷物置きスペースそしてデスクにベッドのシンプルなお部屋。
窓からは流氷の浮かぶ海。お部屋にテレビは無いですが、wi-fiは爆速。
ちょっとゴロゴロしてから部屋を出ると焚火のにおい。ロビーの暖炉に火が入っていました。
日が落ちる前にサライの周辺をブラブラ。
純の番屋(北の国からのセットを復元したもの)をチラリとして、海沿いを歩きます。
海の中を眺めてみると、流氷がそこにある事よりも海の透明度にビックリ!
こんな海がキレイならば、そりゃ海鮮を食べるのが楽しみだ。
海鮮を買う気満々で道の駅に向かうと、閉店間際でビックリ。17時には閉店するのです。
とりあえず目星だけ付けて、次は先ほどの硫黄の香りの元を探ります。
道の駅の裏に渋い宿!トタン屋根に「歓迎ライダー」と。
においの元はここかな。渋い宿の表玄関に周ると日帰り入浴もできるようでした。
夏季限定で近くには足湯もあるようです。羅臼にも温泉があるんですね。
宿に帰ってお夕食をいただきました。昆布や鮭など北海道らしい食材がふんだんに使われた洋食。
このまま眠ってしまうのももったいないので、再び羅臼の夜の街へ。
道の駅を通り過ぎて、さらに3分ほどの場所が羅臼の繁華街です。
店やってる?!って感じでしたが、路地をのぞくとポツポツと灯るネオンサイン。
北海道のローカルコンビニ、セイコーマートだってありましたよ。
せっかくならとセイコーマート近くのお寿司屋さんで寿司を肴に瓶ビールで1杯。
帰る頃には雪がもうもうと降ってきました。
2-2.2日目 鷲の大群と氷平線
2日目は「オジロワシ・オオワシを見る」「氷平線でトリック写真を撮る」という2つのイベントと、さらにはウトロまで移動するという内容てんこ盛りの1日。
曇天の2日目、雪は降っていないのがせめてもの救い。昨日は海岸線近くに浮いていた流氷がまったく無くなっていました。
宿にキャリーケースを預けて、羅臼の観光船乗り場までは歩いて10分弱。
流氷シーズン最盛期という事もあり、乗り場は俄かに活気づいていました。
船の出発までは少々時間があるのですが、天気がコロコロ変わり雪混じりの風が強くなってきたので早々に船内へ。
外はフードと手袋が無いとどうにも立ってられないのですが、ストーブのある船内はポッカポカ。
参加者全員に救命胴衣が配られ、出発。
港を出てからちらほらと流氷が浮かび、約10分ほどで目の前には多くの鳥たちが飛び交う流氷原に到着です。
街にはそんなに鳥がいなかったのに、流氷の上は鳥だらけ!不思議だ!
大半はカモメとカラスなのですが、お目当てのオジロワシ・オオワシも結構な割合でいる!
スタッフの方が餌付けをしてくれるので、多くの鳥が船の周りに集まってきます。
ただ私は2巡目のツアーに参加したため、ワシたちはお腹がいっぱいだった模様であまり餌に食いついて来ず(笑)
それでもちゃんと肉眼で見られたので良しとします。
※肉眼ではオジロワシ・オオワシももっと大きく見えています。
帰港して再び道の駅へ。魚がやすーい!今日は買えないけど!
ここで買ったのは赤葉昆布と干し鱈。
赤葉昆布はめちゃくちゃいっぱい入って¥600位。家に帰ったら湯豆腐をしよう!
板雲丹も迷いましたが、1個をその場で割って食べて気持ちをおさえました。ウニは1個¥300。
2階の食堂で早めの昼食。とんでも無く大きなおにぎりを食べました。お米がお茶碗5杯分位あったような。。。具はホッケです。¥400。
海沿いはカウンター席になっていて、流氷の海を眺められるようになっていました。
お茶を飲んだりトイレに行ったりしてから、宿にキャリーケースを取りに行き、そのままバスに乗って標津へ。
今日もエクスプレスバスに乗ります。
標津で降りるとバスの乗換に50分ほど。
下車地には奇しくも食事処が2軒向かい合っているのですが、さっきのおにぎりでまだお腹がいっぱい(笑)
手持ちの現金が心許ないという事もあったので、少し歩いてセブンイレブンへ。(雪積もってなくて良かった~)
それでも時間が余るので、もう少し歩いて川村水産というお店で自分のお土産用にと珍味を買い込みます。
一見小売していないような雰囲気ですが、お店に入るとおばあちゃんが接客してくれました。
川村水産の製品は、すべて裏の工場で作っているオリジナル商品。
大体¥300~¥1,000のおつまみが種類豊富に置いてあります。
賞味期限が半年くらい先だし、コスパもかなりいい!鮭、ホッケ、ニシン、帆立の燻製を買い込みました。
さてさて、先ほどバスを降りた場所から再びバスに乗って野付半島へ。今度は地平線・水平線ならぬ氷平線を見に行きます。
日本最大の砂洲である野付半島、砂洲の先端に向かって進むと左手は深い青の海、右手は真っ白な氷原が広がる不思議な景色です。
知床連山も国後島もキレイに見えました。
野付半島の氷原へは、ツアーで無いと行けません。ネイチャーセンターの2階で受付をしていざ出発。
私が参加したミニコースは特別靴を履き替えるという事も無いのでとってもラクチン。
肝心の写真はというと、こんな感じ!
うーんなかなか難しいですね(笑) 思った以上にセンスが必要です。
バスの出発時刻になったのでお次は知床連峰の向こう側・ウトロを目指します。
ネイチャーセンターからバスに乗って、標津バスターミナルへ。ここで乗り換えなのですが、次のバスまでに1時間20分時間がある。
軽く何か食べて温まろうと、少し戻った所にあるファミリーレストランいし橋に入りました。
壁に張り出されていたまるかじりラーメンを注文。出てきてびっくりすごいボリューム。
ボリュームもすごいですが、メニューの洒落もなかなか効いているのでそこも要チェックです。
ようやくバスに乗り込んでサッサと眠る準備。時間をつぶすのはちょっと難儀だけど、移動中に眠れるのはバスのいい所。
ウトロに着いた頃にはあたりは真っ暗。宿泊はKIKI知床ナチュラルリゾート。
荷物を部屋に置いて、お腹を無理矢理空かせて夕食はバイキング!北海道の幸をもりもり食べました!
急いで夕食を食べたら、流氷フェスへ。ホテルからは歩いて5分ほど。
氷の館?は中にいくつも部屋があって想像以上に広い!
他にもツリーテントや焚火、かまくらなどたくさんあって小さな遊園地みたいでした。
2-3.最終日ももちろん氷漬けでフィナーレ
最終日は朝一から流氷ウォーク!朝6:30にホテルから送迎車で出発です。
10分ほどで車を降りて、路上でドライスーツに着替えます。ドライスーツは普通の服装の上からそのまま着ます。
かるーくストレッチしてからいざ流氷原へ!
防水ケースを持っていきましたが、自分で撮る余裕が無さそうだったのでガイドさんに預けました。
※自己責任で持って行ってもいい感じ
初っ端から水に浸かって岩場を歩きます。思ったより寒くなくてひと安心。
羅臼の流氷は凹凸がたくさんありましたが、ウトロの流氷は平坦でだたっぴろい印象。
所々に亀裂やボコボコゾーンなどもあり、流氷原という非日常ももちろんですが、そういった難所を乗り越えられた自分が妙に誇らしくなります。
一緒に参加された皆様と記念撮影。
流氷ウォークの定番、氷の海に浮かぶも。
流氷が動くギシギシという音に恐れおののきながら、無事帰着!歩いていたのは大体1時間弱くらいでしょうか。
ドライスーツとは言っても多少濡れるんじゃ・・・と思っていましたが、少しも濡れていませんでした。
グローブをはめた手が若干臭う(笑)ので、ホテルに帰ったらしっかりめに手を洗えばOK!
サッとご飯を食べて(もっと食べたかった)8:45、ホテルからバスに乗って最後のイベント砕氷船おーろら号に乗るため、網走を目指します。
1時間ほどでターミナルに到着。
ものすごい人でビックリ。札幌等から日帰りバスツアーのお客様みたいです。海外の人もいっぱいいました。
船は3層構造、一番上の3階はデッキ、2階の船内には一般席のほか、指定席料金が必要となる特別シートや売店もありました。1階はすべて一般席です。
出発時、3階デッキは人でいっぱい。こんなに寒いのにみんな流氷原をパノラマで見たくて3階デッキに集まるようです。
私も同じ気持ちですが、寒さに勝てない!
空いてる席は無いかな~とウロウロしていると、1階は結構ガラガラで余裕で座れました。
さらに1階にはデッキもあり、むしろ流氷が近くていいじゃない!
ほとぼりが冷めたころに3階デッキにも。
毎日氷漬けだったし、羅臼でも船乗ったのでおーろら号は乗らなくてもいいかな~なんて思ってましたが、ものすごく楽しめました。
羅臼と網走~ウトロの流氷って全然別物。
羅臼はそれこそ鳥たちがいっぱいいて凸凹な感じ。網走~ウトロはどこまでもだだっ広い流氷原。
景色が全然違いました。
船を降りて間もなくして女満別空港行きのバスに乗車。
女満別でお土産を買い、さらに新千歳でもお土産を買いまくって旅を締めくくりました。
3.旅の準備について
3-1.服装(荷物)
冬の知床に行くとなると心配になるのが服装ではないでしょうか?
参考までに、今回私が持参した荷物を公開~☆
フード付きダウン 1着
ヒートテック 2枚
ヒートテック 超極暖 1枚
タイツ 2枚
フリース 1着
ニット 1着
パンツ 1着
厚手の靴下 2足
下着類 2日分
レインブーツ 1足
手袋 1組
ニット帽 1つ
足用ホッカイロ 2日分
簡易スパイク 1つ
その他化粧品等入れると、機内持ち込み可能なキャリーケースが70%位の量。帰りはお土産でパンパンになりました。
出発1週間前の天気予報だと最低-15℃になるとの事でユニクロに慌てて駆け込みましたが、蓋を開けてみれば私の旅行中はかなり気温が高く(といっても最低気温は氷点下・最高気温は1~2℃ほど)、ユニクロの最強ヒートテック「超極暖」1枚あれば大概乗り切れた奇跡。今回なによりツイていたのは天気かもしれません。
【持って行ってよかったもの】
厚手の靴下・ヒートテック超極暖・足用ホッカイロ
【持っていけばよかったもの】
リップクリーム
【持っていかなくても良かったもの】
簡易スパイク・ニット帽
あえてコメントするとすると3点
①アウターはフード付きがいい!もしフードが無ければ、帽子とネックウォーマーが必要。
絶対というわけではありませんが、盲点になりやすい耳と口周りの防寒を考えておきましょう。室内が熱く、帽子とネックウォーマーは邪魔になるし髪型も変になるので、フードが一番便利。
②冬の北海道は室内がめちゃくちゃ乾燥していて、唇がボロボロに。こんなに唇が荒れたのは初めてです。
リップクリームを塗るか、寝るときにマスクをするなど保湿を意識してください。
③靴はスノーブーツがベストだけど、防水さえできればどうにかなる。
布のスニーカーなんかは心許ないですが、靴底の厚いバスケットシューズなんかでも意外と乗り切れそうでした。
※私の例ですので、それぞれの行程に合わせて準備してくださいね。
3-2.諸々の費用
飛行機と宿泊以外で、予約が必要なものでかかった費用についてまとめます。
※2019年2月時の情報です。
<バス>
中標津空港―羅臼 ¥4,400
羅臼―標津町 ¥4,000
標津―野付―標津 ¥3,000
標津―ウトロ ¥4,500
ウトロ⇒網走 ¥3,600
上記はすべてエクスプレスバスです。乗車の2日前までに予約が必要ですので、利用の場合は前もって旅行プランを練ってくださいね。
また2019年度冬季エクスプレスバスは3月10日にて運行終了。来年度の秋・冬も運行があればいいですね!
<現地体験・オプショナルツアー>
●【流氷クルージング】¥4,000~
●【氷平線ミニウォーク】¥1,500~
●【流氷ウォーク】¥5,100
●【おーろら号】¥3,300
4.お土産ヒット商品
せっかくなのでお土産リコメンドも。
4-1.羅臼赤葉昆布
道の駅羅臼で購入。ものすごく濃い出汁がとれました。空港や他のエリアでは見かけなかったのも◎
羅臼の道の駅で¥600位で購入しました。
4-2.養老牛放牧牛乳
かなり衝撃的なテイスト。牛乳本来の味ってこういう事か~と実感。飲み終わると瓶の中に乳成分の塊(バターのようなチーズのような)。
¥300位で購入しました。
4-3.帆立子
川村商店で買った帆立の卵巣の珍味。うまみが濃縮されていて、ちびちび食べ続けられます。
¥330、うまい!
おわりに
観光スポットが点在していて、距離感もいまいちピンと来なかった冬の知床旅行。2泊3日で駆け抜け、これほど内容充実なら大満足。
冬は閉鎖される知床峠、オオワシを見た海に夏はシャチがいるらしい。今度は夏に来なくちゃな~。
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