幕末の剣士・新選組副長”土方歳三”の足跡を辿る箱館戦争の旅
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- 函館・道南・奥尻
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- 最終更新日:2025年10月28日
1868年の鳥羽・伏見の戦いを皮切りに、江戸、長岡、会津へと戦火は広がり、最終決戦の舞台となったのは、京都から遠く離れた蝦夷地・箱館(現在の函館)でした。
旧幕府軍と新政府軍が最後の戦いを繰り広げた「箱館戦争」の痕跡は、今も函館市内各所に点在しています。
この記事では、新選組の副長として知られ、のちに旧幕府軍の中核として箱館戦争を戦った土方歳三が駆け抜けた道をたどり、歴史に詳しくない人でも分かり易く見どころをまとめました。
箱館戦争のあらまし
●1868年4月
江戸城無血開城。旧幕府勢力の多くが降伏するが、一部は降伏せず。土方歳三は旧幕府軍の一部とともに東北へ。宇都宮、会津、仙台と転戦しながら新政府軍に抵抗。
●8〜10月
榎本武揚(旧幕府派)が幕府艦隊8隻を率いて江戸を脱出仙台を目指す。9月頃土方が仙台で合流、蝦夷地・鷲ノ木(現在の森町)に上陸
●10月26日
旧幕府軍が箱館奉行所を無血占領、五稜郭を本拠とする。
●11〜12月
松前城を攻略、蝦夷地の大半を掌握。12月15日榎本武揚が「蝦夷共和国(蝦夷政権)」を樹立。
●1869年4月
新政府軍が蝦夷地に上陸し、反攻を開始。
●5月15日
土方歳三が一本木関門付近で戦死。
●5月27日
榎本武揚が降伏、五稜郭開城。箱館戦争終結。
五稜郭タワー

土方歳三の足跡を辿る旅の序章は五稜郭タワーが最適。館内展示では土方歳三のブロンズ像をはじめ、武器や模型を交え、戊辰戦争から箱館戦争へ至る流れを学べます。旧幕府軍の最終的な拠点となった五稜郭。展望台から眺める星形の城郭は、写真で見る以上に迫力があります。堀の広さや稜堡の形も一望でき、これから歩く史跡の位置関係が頭に入りやすいでしょう。
- 住所
- 北海道函館市五稜郭町43-9
- 営業時間
- 9:00~18:00(最終入場17:50)※年中無休
- 備考
- 料金:大人1,200円、中高生900円、小学生600円、小学生未満無料
五稜郭公園

画像提供元:(一社)函館国際観光コンベンション協会
旧幕府軍の本拠となった五稜郭は、今では公園として整備されています。堀を渡り郭内へ入ると、復元された箱館奉行所や兵糧庫跡が広がり、当時の緊張感を感じ取れます。土塁を歩けば高さの違いや砲座跡の位置が確認でき、実際にどの方向へ砲撃したのかを想像できます。

二の橋近くの「土饅頭」は、旧幕府軍兵士の遺体が葬られたと伝わる小丘です。観光客の賑わいとは別に、静かな慰霊の雰囲気が漂います。短い滞在でも、戦いの激しさと哀しみの両面を感じられる場所です。
- 住所
- 北海道函館市五稜郭町44-2
- 営業時間
- 5:00~19:00(4月~10月)、5:00~18:00(11月~3月)※郭内(堀の内側)
- 住所
- 北海道函館市五稜郭町44-3(五稜郭公園内)
- 営業時間
- 9:00~18:00(4月~10月)、9:00~17:00(11月~3月) 休館日12月31日~1月3日、臨時休館あり
- 備考
- 大人500円(箱館奉行所復元施設入館料)
一本木関門跡(いっぽんぎかんもんあと)~土方歳三最後の地碑~

画像提供元:(一社)函館国際観光コンベンション協会
函館駅から歩ける距離にある一本木関門跡。旧幕府軍が松前街道を押さえるために築き、通説では土方歳三が戦死した地と伝えられています。街道跡と現代の街並みを重ね合わせると、彼が最後に見た景色がふっと浮かびます。小さな碑ながら、歴史ファンにとっては特別な意味を持つ場所です。
- 住所
- 北海道函館市若松町34-1
千代ヶ岱陣屋跡(ちよがだいじんやあと)

五稜郭の南東、千代台公園周辺にかつて千代ヶ岱陣屋がありました。千代ヶ岱陣屋は旧幕府軍は最後まで粘り、激戦を繰り広げた場所です。現在は遺構がほとんど残っていませんが、「中島三郎助父子最後之地」碑などが往時を物語ります。五稜郭から歩いて訪れれば、拠点配置の合理性も実感できます。
- 住所
- 北海道函館市中島町36
碧血碑(へっけつひ)

函館山の麓に建つ「碧血碑」は、戦死した旧幕府軍兵士の霊を慰めるために明治8年に建立されました。名は「義士の血は三年で碧玉になる」という故事に由来します。約800人の無念を伝える石碑の前に立てば、観光というより鎮魂の時間になるでしょう。坂を上ると函館湾が広がり、兵士たちが命を懸けた風景に重なります。
- 住所
- 北海道函館市青柳町9
おわりに
函館の坂道を歩けば、潮の香りに混じって、遠い昔の鼓動が聞こえてくるようです。五稜郭の星形や碧血碑の石肌に触れながら、土方歳三が見つめた空を思う。過ぎ去った時を超えて、志の残り香が今もこの街に息づいています。

talk.h
札幌出身・北海道在住のライター。函館・道南を中心に、雄大な景色、美味しいスイーツ、地元民の温かさ、そして内に秘めた道産子魂を発信します!軽快なフットワークで、北海道の魅力を地元目線でお届けします。趣味はキャンプや家族との時間。
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