外観の美しさにうっとり♪気品漂う旧函館区公会堂へ行ってきました!
- 函館・道南・奥尻
- 最終更新日:2019年3月11日
函館港を見下ろす高台に威風堂々とそびえ立っています。
今回は、ひときわ目を引くブルーグレー&イエローの外観と建築の美しさに思わず目が釘づけになってしまう「旧函館区公会堂」の魅力に迫ります。
これをお読みいただいてから旅行に行かれると、より一層お楽しみいただけることと思います!
もくじ
1.函館区民の手で完成させた「旧函館区公会堂」とは?
1859年(安政6年)、函館・横浜・長崎の三港が外国貿易港として開港されました。
外国人との接触機会も増え、函館の人々は、外国の知識などを吸収し、商業や海陸交通の拠点として発達。
函館は、輸出入品の急激な増加により、活気にあふれ、政治・行政の中心地として栄えた街です。
当時、北海道第一の人口を持つほど人口の増加もめざましく、この時期、レンガ造りや木造洋風の商家が建てられていたそうです。
ところが1907年(明治40年)8月、大火に見舞われた函館の街。区民の集会場(町会所)や函館商業会議所も失われてしまいます。
〈明治40年の大火で焼失した町会所〉
区民の有志が建築費を試算したところ、およそ6万円となりました。
寄付を呼びかけましたが、大火後のため、思うように集まらず、当時の函館の豪商 初代 相馬哲平氏に相談へ。
すると相馬氏は自分の住宅や店舗などの多くを焼失したにもかかわらず、5万円もの大金(現在だと約10億円)を寄付。
これをもとに1910年(明治43年)9月、竣工。1911年(明治44年)半ば、多くの職人や大工、棟梁達が新しい意匠や技法をフル活用し、現在の公会堂を完成させました。
2.皇太子殿下の宿舎としても使用された公会堂の機能
それでは、公会堂がどんな役割を果たしてきたのかを見ていきましょう。
1911年(明治44年)8月、大正天皇が皇太子殿下として行啓(ぎょうけい)の際、ご宿舎として使用されました。
その後、昭和天皇、今上天皇、皇后陛下もご観覧・ご休憩されていらっしゃいます。
2階の大広間は、函館の名士たちの舞踏夜会や発表会など、区民の集会の場として利用されていました。
1階の球戯室にはビリヤードのキューを立てる棚もそのまま展示されていますよ。
公会堂は、函館商人の活動や交流の場所(商業会議所の事務所)として大いに活用されていたそうです。
営業はされませんでしたが、ホテル用の受付室、寝室、化粧室、食堂なども準備され、設計当初はホテル営業の計画もあったようです。
3.華やかな建物の持つ外観の魅力
眺めているだけでうっとりするような華やかで美しいシンメトリーな外観。次は建築の特徴をみていきましょう!
木造2階建のコロニアルスタイルの建物で、建築の主材料には、えぞ松、タモ材など地元で採れる木材がふんだんに使われています。
《破風飾(はふかざり)》
屋根に施された装飾をご覧ください。破風飾(はふかざり)は和風の唐草模様(忍冬模様)になっています。
建物に調和した和のテイストが目を引きます。
《屋根窓》
屋根窓は北海道独特の洋風スタイル。旧道庁など多くの公共建築物に用いられる意匠です。
《2階前面のベランダ・バルコニー》
円柱は遠くからだとコリント式に見えますが、柱頭飾りや彫溝は和風の雰囲気を持っています。
建築意匠・技法などが高く評価され、保存状態も良いことなどから、
1974年(昭和49年)国の重要文化財に指定されました。
4. 気になる館内をご紹介!
建物の中はどうなっているのでしょうか。気になる館内をご紹介します!
写真撮影OKです。
4−1 寝室(客室)
これらの部屋は時折、商業会議所関係者の応接室、控室として利用されていたそうです。
4−2 洋風風呂
4−3 和風風呂
当時、皇太子殿下の浴槽は、軍艦で持ち運びしたのだそう。
4−4 球戯室
こちらの球戯室には2台のビリヤードが置かれ、日夜、函館の政財界人がプレーを楽しんでいたそうです。
4−5 大食堂
大食堂は80人が利用でき、舞踏夜会の時に使われました。
公会堂に厨房がないため、その都度、近くの料理屋に注文をしていたのだとか。
こちらの画像は、大食堂の出入口上部の装飾です。中央上部には貝殻状の花弁とアカンサス葉、下部には花鋼(フェストゥーン)彫刻が施され、枠まわり両端には和風の雲形の飾りが彫られています。
2階の大広間の出入り口上部にも同じ装飾が見られます。
4−6 縁側
それでは2階へ上がってみましょう!
4−7 大広間
開館当時は、唯一の公共の集会所であり音楽会や舞踏会、講習会や各種行事で使用されていました。
130坪の大広間には、柱はまったくありません。当時の建築技術の高さが伺えます。
これは天井がヴォールド式というかまぼこ型の、一種の釣り天井になっているからだそう。
床面から天井までは約6メートルもあり、抜群の音響空間を創り出しています。
ぜひここで手を叩いてみてください。音が反響しますよ♪
現在、年間30回程のコンサートを開催。多くの市民に親しまれています。
4−8 貴賓室(御座所)
大正天皇が行啓の際、御宿舎とされ、1922年(大正11年)7月、昭和天皇が行啓の際にもご使用されました。
1989年(平成元年)10月2日には、天皇・皇后両陛下が行幸啓(ぎょうこうけい)の際にご休憩されています。
壁や天井はアール・ヌーボー調(植物文様)の英国製壁紙を使用。ドアや腰板には高級材が使われています。
貴賓室の中心飾りとシャンデリア(U字型)は当時のままなのだそう。
漆喰細工が施されています。
4−9 貴賓室(御寝室)
当時は真鍮パイプのベッドが高級だったようです。
又椅子の布地は西陣織りが使われているのだそう。
高貴な紫色がエレガントな雰囲気と調和していて美しい!
4−10 ベランダ・バルコニー
バルコニーからの眺めは絶景!函館の街と海が見渡せます。人気の撮影スポットです。
5. お気に入りのドレス・燕尾服で思い出の写真を撮ろう
館内1階には、ドレスや燕尾服を身につけ、公会堂で記念撮影が楽しめる「ハイカラ衣裳館」(有料)が併設されています。
「ハイカラ衣裳館」を目的に来館される方もいらっしゃるそう。
予約は受け付けておらず、来館後、お気に入りのドレスを選んでいただいてからのお申込みとなります。(連休時などは混雑が予想されます。)
衣裳の着付けはスタッフの方がお手伝いしてくださいます。
※専属のカメラマンはいらっしゃいません。自分たちで撮影することになりますので、カメラやビデオ等を忘れずにご持参ください。
おすすめの撮影スポットは、1階 球戯室、縁側、2階大広間、ベランダ・バルコニー、貴賓室です。
この日も何組もの方が各スポットで記念撮影を楽しんでいらっしゃいましたよ♪
素敵な西洋館で思い出に残る非日常体験が待っています!
旧函館区公会堂【ハイカラ衣裳館】
※公会堂の入館料が別途必要です。
■レンタル料金
衣裳1着/1,000円(20分間)
女性用ドレスのほか、男性用燕尾服、女児用ドレス、男児用など。
■ヘアメイクサービス
ヘアメイク料金/1,000円(1回:約5分間)
(ポイントメイク・ヘアセット・ティアラ・ネックレス・イヤリング等込み)
■営業時間
3月1日~12月25日
(平成28年)
※12月26日~2月末日の間は休業
■利用受付時間
【3月1日~3月31日】
午前9時~午後4時30分まで
【4月1日~10月31日】
午前9時~午後5時まで
【11月1日~12月25日】
午前9時~午後4時30分まで
6. 旧函館区公会堂へのアクセス
*函館空港からお車で
道道63号、国道278号経由30km 約40分
*JR函館駅からお車で
ベイエリア・函館山方面へ約10分
*JR函館駅から歩いて
ベイエリア・函館山方面へ約25分
*市電 (函館駅前電停→函館どっく前行き)
「末広町電停」下車 徒歩7分
*函館バス (棒二森屋前→高竜寺行き)
「公会堂前」下車 徒歩3分
*お車をご利用の場合
専用駐車場はありません。
最寄りの元町観光駐車場(有料)をご利用下さい。
住所:北海道函館市元町11番13号
TEL:0138-22-1001
開館時間:【4月~10月】午前9時~午後7時
【11月~3月】午前9時~午後5時
入館料:【大人】300円 【学生・生徒・児童】150円 【未就学児】無料
【平成28年度 館内整理休館日】
◯2016年
11月29日(火)
12月14日(水)
◯2017年
1月10日(火)
2月14日(火)
3月21日(火)
※5月~8月 無休
※ただし、変更する場合があります。
休館日:年末年始(12月31日から1月3日まで)
(1月1日~1月3日まで臨時開館する場合がありますので、お問い合わせ下さい。)
おわりに
観光地を星印の数で評価するフランスの旅行ガイドブックの日本編『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』(改訂第2版)で2つ星に輝いた「旧函館区公会堂」。
建物自体の魅力もさることながら、バルコニーからの美しい景観にすっかり魅了されました。
みなさんも是非、旧函館区公会堂へ行って優雅な気分に浸ってみてくださいね!
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